沙羅、真央…15歳、スノボ平野に熱視線=海外メディア注目の日本人選手は!?

内田暁

真央は「真の競技者」 長野五輪女王リピンスキー称賛

バンクーバーから4年。浅田真央の挑戦に、元五輪女王も称賛 【坂本清】

 米国での注目度ということで言えば、女子フィギュアスケートは圧倒的な高さを誇っている。自国選手が金メダル争いに加わることはないと自分たちで予想しつつも、「金メダルを取るのは誰か?」で議論が過熱するのだから、その人気の高さがうかがえる。
 米国で五輪の独占放映権を持つNBC局は、テレビコメンテーターとして、1998年長野五輪金メダリストのタラ・リピンスキーと、昨年10月に現役を退いたばかりのジョニー・ウィアーを招いている。競技者として、あるいは解説者として浅田とキム・ヨナをよく知る両者も、金メダル争いをこの2人の一騎打ちと見ているようだ。

 リピンスキーは、両者ともにバンクーバー後に紆余(うよ)曲折を経てきたことを踏まえた上で、「マオは2010年以降は苦いシーズンを送ってきたが、今シーズンは再び調子を取り戻し、パフォーマンスも安定している。ヨナとの対戦は、とても興味深いものになるでしょう」とコメント。さらに、同じスケーターとしての視点から、浅田の4年に及ぶチャレンジを以下のように見る。

「マオは自分のスケートを客観的に見て、一から技術やジャンプを作り直す決断を下しました。スケーターにとり、それは非常に危険な賭けです。しかも彼女は、そのような困難な道を必ずしも選ぶ必要はなかったはず。正直、私は懐疑的な見方をしていたのですが、彼女は見事に立て直しました。この事実は、彼女がどのようなスケーターであるか、そして真の競技者であるかを示しています。マオは不屈の闘志の持ち主であり、そしてフィギュアスケートとは、メンタルが90パーセントを占める競技なのです」

ヨナの“試合勘”は心配無用

 一方のウィアーは、キム・ヨナの稀有(けう)なポテンシャルを高く評価。多くの人々が指摘する“試合勘の欠如”も、彼女には問題ないだろうとの見方を示している。
「キム・ヨナは世界の競技から長く離れている。グランプリシリーズなどに出場していない状態では、いきなり大きな大会に出て高得点を出すのは困難です。でも、それが可能な数少ない選手の一人が、彼女でしょう。彼女は去年、小さな大会ではあるものの復帰していきなり頂点に立ち、その能力があることを示しました。次は、五輪が標的です」

 ちなみにリピンスキーとウィアーが選ぶ“今シーズンのベストドレス”では、浅田のフリー用ドレスが1位に、ショートプログラムのそれが2位に選出されている。フィギュアスケートの勝負は、氷に乗る前から既に始まっていると言われるが、前哨戦では、まずは浅田が一歩リードというところか。

<了>

2/2ページ

著者プロフィール

テニス雑誌『スマッシュ』などのメディアに執筆するフリーライター。2006年頃からグランドスラム等の主要大会の取材を始め、08年デルレイビーチ国際選手権での錦織圭ツアー初優勝にも立ち合う。近著に、錦織圭の幼少期からの足跡を綴ったノンフィクション『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)や、アスリートの肉体及び精神の動きを神経科学(脳科学)の知見から解説する『勝てる脳、負ける脳 一流アスリートの脳内で起きていること』(集英社)がある。京都在住。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント