阪神入り呉昇桓は類まれな剛球使い 韓国No.1クローザーは「虎の守護仏」に
通算投球回数510回1/3で、625奪三振
「分かっていても打てない」という直球が魅力、日本でもその奪三振力を見せ付けるか 【Getty Images】
韓国では選手層の薄さからクローザーの起用法が一定ではないことも多いが、落合コーチ在籍当時の呉昇桓は9回の1イニング限定で起用され、11年には54試合に登板、1勝47セーブ、防御率0.63の好成績を残した。その当時について呉昇桓は「無理なく使ってくれたのでありがたかった」と話している。
また性格もクローザー向きだ。呉昇桓は韓国で「石仏」という愛称で呼ばれ、無表情で通っている。どんなピンチでも感情が表に出ず、三振を奪ったとしても叫んだり、ガッツポーズを見せることはない。心の揺れがないのが呉昇桓らしさだ。ちなみに「無表情」であっても「不愛想」ではないので、チームで浮く存在になることはないだろう。
「日本でも成功する」李大浩も太鼓判
「呉昇桓? 日本でも成功すると思いますよ」。同い年の李大浩(前オリックス)はそう話す。呉昇桓と李大浩の韓国での対戦は07〜11年の5年間で15打数6安打2本塁打、打率4割だ。そのうちのホームラン1本は、外角高めの直球をライトポール際に押し込むという、李大浩だからこそ打てたという当たりだった。このことから呉昇桓を評価するなら、「李大浩ほどの打者であれば打てることもあるが、そうでなければ打ち崩すのは難しい投手」、というところだろうか。
「呉昇桓、SAVE US」。韓国では呉昇桓がマウンドに上がると、この言葉が荘厳なテーマ曲と共に繰り返された。呉昇桓は虎の守護神、いや守護仏としてチームを救っていく。