大山加奈が群雄割拠のVリーグを大胆予想=2012-13シーズン展望<男子編>

構成:田中夕子

ダークホースとなるのは?

ダークホース的存在のFC東京の中でも注目は手塚。昨季はサーブ賞と新人賞を獲得した 【スポーツナビ】

 堺は今季から石島雄介がキャプテンに就任、バレーに対する“熱さ”は誰にも負けない石島ですから、これまで以上に熱く戦う集団へとチームを導いていくはずです。昨季は7位で入れ替え戦に回ったJTも、リオデジャネイロ五輪ではエースとして期待される八子大輔を擁し、さらにクロアチアから208センチのオポジットのイゴール・オムルチェンが新加入。攻撃力が1枚も2枚も厚みを増し、今季こそ悲願の優勝に向けた戦いを展開することでしょう。

 ルーキーながらサーブ賞を獲得し、新人賞にも輝いた手塚大を擁するFC東京はサッカースタイルの応援もほかとは異なる楽しさがあり、3年目の高松卓矢など元気な若手がそろう豊田合成には38歳の元日本代表、杉山マルコスが加入しました。昇格以来8位に甘んじている大分三好も、今季こそは巻き返しを狙うはず。

 まさに群雄割拠、どこが勝ってもおかしくない今季、勝者になるためにはそれぞれのチームの持ち味を、どれだけ発揮できるか。いかにスタートダッシュを切れるかということも、チームを勢いづけるポイントとなるだけに、開幕戦から目が離せない戦いが繰り広げられることでしょう。

バレーボール観戦のいろは

 ロンドン五輪で28年ぶりに銅メダルを獲得した女子ばかりに注目が集まりがちですが、バレーボールの面白さを体感するためにも、ぜひ会場で男子バレーを見てほしいですね。ボールの音、スピード感、パワー、どれを取っても男子の迫力は凄まじい。「女子のほうがラリーも続くし面白い」と思う人が多いかもしれませんが、男子のほうがブロックとレシーブの関係性が徹底され、ディフェンスもシステム化しているので、女子とはまた違う見どころがあり、ラリーの見応えも十分です。

 生観戦の際、ぜひオススメしたいのがコートエンド席です。

 テレビでもコートサイドからの映像が多いので、最初はコートエンド席から見るのは「見慣れない」と感じるかもしれませんが、エンドで見るからこそ、サーブの変化や、2枚並んだブロッカーのどこから相手のスパイクが抜けてきているのか、さらにはブロッカーとレシーバーがどんな位置で守っているのか。まさに選手目線でバレーボールを楽しむことができるはずです。

 試合の流ればかりを追うのではなく、お気に入りの選手だけを見たり、セッターだけを見たり、「1人だけ」を決めてゲームを追うのも、新たな発見につながります。それぞれの見方を探して、男子バレーを楽しんで下さい。

<女子編は11月17日掲載予定>

大山加奈

終始笑顔でVリーグについて語ってくれた大山加奈さん 【スポーツナビ】

 1984年6月19日生、東京都江戸川区出身。小学校2年の時に地元のクラブでバレーボールを始め、小中高で全国制覇。特に成徳学園高3年時には春高バレー、インターハイ、国体の3冠を達成した。
 その年に初めて全日本に選出されると、同じく高校生でメンバーに選出されていた栗原恵(現:岡山シーガルズ)とともに「メグカナ」コンビとして人気を博す。高校卒業後は東レに入社。ワールドカップ、アテネ五輪に出場する。2007年ごろから椎間板ヘルニアなどのケガに苦しみ、10年に26歳で現役を引退。日本バレーボール機構への出向を経て、現在は東レに広報担当として勤務するほか、バレーの指導、普及活動にも携わっている。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。日本大学短期大学部生活文化学科卒業。なぜか栄養士免許を有する。神奈川新聞社でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部に勤務。2004年からフリーとしての活動を開始。高校時代に部活に所属したバレーボールを主に、レスリング、バスケットボール、高校野球なども取材。

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