3連勝のベッテルが戦い続けた“見えない敵”=ランキング首位浮上、アロンソとの一騎打ちへ

吉田知弘

可夢偉は無念のリタイア

2戦連続の表彰台獲得が期待された可夢偉だったが、アクシデントにより無念のリタイア 【Getty Images】

 前回の日本GPで悲願の初表彰台を獲得した小林可夢偉(ザウバー)は、その勢いで今週末の韓国GPでも好結果が期待されたが、先週とは打って変わって散々な週末となってしまった。

 予選Q2では、黄旗区間の影響によりベストタイムを更新できず。13番手からのスタートとなった決勝では、初めから積極的に順位アップを狙ったが、1周目の3コーナーでポジション争いをしている最中に行き場を失い、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)と相次いで接触してしまった。可夢偉自身もフロントウイングを破損し、左リアタイヤをパンクさせてしまったことで、1周目から緊急ピットインを余儀なくされた。その後、この一連の接触事故の原因を作ったとしてドライブスルーペナルティーを受けた可夢偉。接触時のマシンへのダメージも大きく17周目にリタイアした。

 1周目の接触事故について可夢偉は「行き場を失いどうすることもできなかったけど、自分の判断ミスでバトンとロズベルグのレースを台無ししてしまった。本当に申し訳なかった」とコメント。日本GPでの3位表彰台があった直後のレースで、多くの関係者から注目されていただけに、本人やチームにとっても悔しいレースとなってしまった。

 来季の可夢偉の去就については現時点で未定だ。「来年、可夢偉のザウバー残留の可能性は少なくなっている」という報道も一部で流れている。残念ながら今回のレースは、来季の動向に影響を与える結果になってしまったかもしれないが、歯車がきっちりとかみ合えば、前回の日本GPのような好結果を残せる実力があることは、すでに証明されている。

 ファンにとっては、来季の去就が気になるかもしれないが、今は目の前のレースに集中して、また鈴鹿のような素晴らしいレースができるように、温かく見守ってほしいと思う。

<了>

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著者プロフィール

1984年生まれ。幼少の頃から父の影響でF1に興味を持ち、モータースポーツの魅力を1人でも多くの人に伝えるべく、大学卒業後から本格的に取材・執筆を開始。現在では国内のSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に年間20戦以上を現地で取材し、主にWebメディアにニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載。日本モータースポーツ記者会会員

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