五輪2大会連続出場の朝日が引退 「最後の1点が終わった時が自分の最後」=ビーチバレー

「最後は花道を飾りたい。優勝で終わりたい」

──次のステップとありましたが、どんなことに取り組まれるのか決まっていますか?

 具体的には決まっていません。まずはネクタイを締めるところから(笑)。ビジネスの所作から勉強しないといけないと思っています。これまで人前で話をするのは得意な方でしたが、それ以外の部分を身に付けていきたい。それが次世代のためにもなると思うし、バレーボール、ビーチバレーに必ず携わって裾野が広がるような活動をしていきたいと思っています。

──『アスナビ』(JOCの就職支援システム)で就職したアスリートが引退するのは初めてだと思うのですが、セカンドキャリアについては?

 所属しているフォーバルは、私が選手であることを理解しているので、現役を引退したからといってすぐに社業に携わるのではなく、新しいカタチを模索していくことになると思います。アスナビのプログラムは、今後若いアスリートにとっても重要ですので、自分が今後のモデルケースになれるように構築していきたいですね。

──バレーボールの方にも携わっていきたいというお話がありましたが

 技術的なことを言えば、ビーチバレーの技術力は、インドアバレーにも大きくプラスになる。ありきたりの言葉ですが、自分はバレーボールとビーチバレーの架け橋になっていきたい。5年後、10年後を考えた時に子どもたちにビーチバレーに携わるきっかけの場を与えること、インドアバレーの選手が経験できる土台を作っていけたらと思っています。そのためには、「強化」「普及」「環境面」の3本の柱を並行して確立していくことが必要です。

 その一方で、女子バレーボール代表がロンドン五輪で銅メダルを獲得しました。ロンドン五輪の選手村ではコーチ陣と同じ部屋だったのですが、そこでチームの組織力を見させていただきました。データ収集や選手の管理をしっかり行っていて、ビーチバレーと比べてもアプローチの仕方が違いました。ビーチバレーはパートナーと監督とコーチとほんの3、4人で行動して強化を行ってきましたが、今後は組織力を上げていかないと世界と対等に戦うことはできないし、未来はないと感じています。その辺りはどんどん提案していきたいと思っています。

──ビーチバレーに転向して10年。朝日選手にとってビーチバレーとは何でしょうか?

 挑戦しがいがあるもの。ビーチバレーは、挑戦していることが常に自分の活力になるということを教えてくれました。それは6人制をやっていた時にはなかった感覚で、ビーチバレーに転向したのも、新しいものに挑戦したいという気持ちが大きかったから。この10年間は挑戦のしっぱなしで、そういった意味では楽しかったし、今は清々しい気持ちです。そして今、また新しいことを始めようとしている自分がいるし、常に自分はそうありたいと思っています。

──ペボニアアップに向けて意気込みをお願いします

 最後は、花道を飾りたいですね。優勝で終わりたいですけれど、こればかりは勝負ごとなので、なんとも言えません。ただ、これだけは言っておきたいのは、これまで「ライジングサン」「サンライズブロック」とか皆さんにニックネームをつけて陽が上るイメージで明るい選手を演じてきましたので、最後はお台場のレインボーブリッジ越しに朝日を昇らせてお台場の海にサンセットしたいと思います!

<了>

BeachVolleyballPhotoBook 〜2009〜2012 時代を築いてきた者たち〜

『BeachVolleyballPhotoBook 〜2009〜2012 時代を築いてきた者たち〜』表紙 【写真/ビーチバレースタイル】

ビーチバレーの一時代を築いてきた浅尾美和、西堀健実、浦田聖子、朝日健太郎、白鳥勝浩、西村晃一…。彼ら、彼女たちのシンボルである、砂の上を華麗に舞う肉体美をここに凝縮。男女合わせて1冊の写真集、勝負のシーズンに向けてインタビューも収録。

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著者プロフィール

ビーチバレースタイル/2009年4月創刊。国内トップ選手の情報、大会レポート、技術指導、トレーニング論など、ビーチバレーを「見る」「やる」両方の視点から、役立つ情報が満載。雑誌のほかに、ビーチバレースタイルオンラインとして、WEBサイトでも大会速報、大会レポートなど、ビーチバレーに関する報道を行っている。

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