伝統と格式を誇る“テニスの聖地”で栄冠を手にするのは!? =ウィンブルドン展望

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優勝候補はシャラポワ 対抗馬となるのは!?

生涯グランドスラムを達成し、女子の優勝候補筆頭に挙げられるシャラポワ。好調を維持し、芝でも勝利をつかめるか 【Getty Images】

 女子の見どころといえば、もちろんマリア・シャラポワ(ロシア)だ。17歳だった彼女が、3連覇のかかっていたセリーナ・ウィリアムズ(米国)を圧倒して華々しく優勝を飾ったあの2004年の決勝から今年で8年。先日の全仏オープンで生涯グランドスラムを成し遂げたシャラポワは、会見で「幼いころからテニスを始めて、これまでとても長い道のりだった。けれどもこれは終わりじゃない。まだまだ成し遂げたいことがたくさんあるの」と語ったように、彼女のテニスに対するモチベーションは下がるどころか、さらに上昇しているように感じられる。
 
 かつては強打一辺倒と言われていたシャラポワも、この8年でさまざまな技や戦術を覚え進化を遂げている。もはや8年前の彼女とは比べものにならないくらい“強い”。全仏オープンとウィンブルドンを同じ年に続けて勝利するのは非常に難しいと言われるが、今のシャラポワならそれすらも不可能ではないように思われる。

 絶好調のシャラポワに対抗できるプレーヤー、その一人はセリーナかもしれない。先日の全仏オープンでまさかの自身初グランドスラム1回戦敗退という屈辱を味わったセリーナ。あの時流した涙には、自らが全仏オープンにかけていた期待の大きさ、そしてそれが打ち砕かれた落胆の深さが感じられた。前哨戦を含め、彼女のテニスの完成度はかなり高かっただけに、敗戦のショックからどれだけ気持ちを立て直し、ウィンブルドンに向かうことができるか、そのあたりが鍵となるだろう。

 そして忘れてはならないのが、前年度優勝のぺトラ・クビトバ(チェコ)だ。全仏オープンではフィットネスの状況が気になったが、芝で威力を増すサービスを武器に連覇を狙う。全仏オープン敗戦時に「ちょっと休養が必要だわ」と落胆気味に語ったビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、そしてトップ10では唯一のアグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド)にもウィンブルドン初優勝の期待がかかる。

 日本勢では昨年、ビーナス・ウィリアムズ(米国)相手に世界を驚愕(きょうがく)させる戦いを見せたクルム伊達公子(エステティックTBC)、そして日本の将来を背負う森田あゆみ(キヤノン)の活躍にも期待したい。

<了>

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