李忠成の楽しみ方=文字情報で見えてくる真の存在価値
新聞報道、出場データ……そこから見えるクラブからの期待
ちなみに、サウサンプトンは来季プレミアリーグへの自動昇格権が与えられるリーグ2位につけており、対戦相手のカーディフは1ポイント差の3位である。俗に6ポインター(※勝ち点6の価値がある試合)と言われる直接対決で、加入間もない日本人ストライカーが、もう1点取りに行く場面での交代要員として使われ、しかも30分ものプレータイムを与えられたのだから、既に一定の信頼を勝ち得ているのではないかという見方もできないでもない。第一、サウサンプトンは今シーズン、リーグトップの51ゴール(※1月31日時点)と、得点力には何ら問題を抱えていないのであって、この李の移籍は、今季2位以上を確かなものにするだけでなく、既に来季のプレミアリーグ昇格後の選手層増強も視野に入れての動きではないかと、クラブ関係者でもファンでもないのに、うまく行けば、来季のプレミアリーグには宮市亮(ボルトン)と李、二人の日本人FWがそろうことになるぞ、と何となく遠大なぬか喜びまでしてしまうのである。
強力なライバルに打ち勝てるか
サウサンプトンの次回対戦は、2月4日に行われるアウエーゲーム。対戦相手はきん差でリーグ4位につけるバーミンガムだ。1年でのプレミアリーグ復帰を目指し、知将ヒュートン監督が率いる相手にまたしても6ポインター。これは文字情報が楽しみである。開高先生も草葉の陰で微笑んでいるに違いない。
<了>