充実のリオン、DREAM王座獲りで2011年締めくくりだ=インタビュー

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破竹の4連勝と勢いに乗るリオン武志、充実の2011年締めくくりとしてDREAM王座奪取を狙う 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】

 12.31FIGHT FOR JAPAN『元気ですか!! 大晦日!! 2011』(さいたまスーパーアリーナ)にて行われるDREAMフェザー級タイトルマッチ、王者・高谷裕之に挑戦するリオン武が意気込みを語った。

[提供:DREAMオフィシャルウェブサイト]

「大晦日を見据えていたからこそ『SHOOT the SHOOTO 2011』に出たんです」

──去年は修斗での日沖発戦、DREAMでの宮田和幸戦と悔しい思いをされましたけど、今年は11月のSBルールを含め怒涛の4連勝。一年前の時点で大晦日にタイトルマッチを控えていることは想像できましたか?

リオン いや、まったく想像してなかったですね(笑)。あの時は「このまま終わっちゃうのかなぁ?」って思いましたから。去年の苦しい思いが今に活きていると思います。

──11月17日の記者会見では9月の宇野薫戦に勝利した時点で大晦日参戦を確信していたとおっしゃっていました。大晦日参戦を確信する中、11月6日の『SHOOT the SHOOTO 2011』で初のシュートボクシング(以下、SB)ルールに挑戦されていますけど、あのタイミングでSBルールに挑戦したというのはどういった狙いがあったんですか?

リオン おっしゃるとおり、宇野さんを倒した時点で「大晦日は絶対にある。相手は高谷さんか川尻選手のどっちかだろう」と思っていました。ですから、大晦日を見据える状況の中で、11月は無理して出なくてもよかったと思うんですね。

──ええ。

リオン だけど、大晦日を見据えていたからこそ出たんです。

──と言いますと?

リオン やっぱり試合に向けての練習が一番強くなるんですよね。9月の宇野戦を終えて大晦日まで微妙に期間もあきますし、ぼんやりと「大晦日は試合があるんだよなぁ」って過ごすよりも、初めてのルールで、慣れないグローブで、しかも相手はチャンピオン、という追い込まれた状況での練習のほうがいい練習できると思ったんです。試合は試合なんで絶対に負けられないんですけど、大晦日を見据えての実力アップという狙いはありました。

「打撃に対する考え方がまたちょっと進化した」

宍戸(左)とのSBルール激突は精神面でも大きな成長の糧となった 【t.SAKUMA】

──会見でも質問が飛んでいましたけど、SBの練習、試合をしてみて、MMAのほうに活かせる部分はありましたか?

リオン 試合に関しては特にないですね。やってみて「まったく別物だな」と思いましたから。でも、11月のSBに向けてやった10月の練習はMMAにすごく活きると思います。打撃に対する考え方がまたちょっと進化したというか、再確認したというか、「やっぱり固定観念はいらないんだな」と思ったんですよね。打撃だけに集中する期間だったのでいろいろなことを試して、「ああ、やっぱりてめえのやりたいようにやればいいんだな」と。「ボクシングはジャブから入って……」とか「キックボクシングは対角線のコンビネーションで……」とか、そんなのはいらないなって。総合なんだからまったく別物での話だし、要は最短で自分の拳が相手の顔面に当たればいいだけですから。そういった考えがより強くなりましたね。あと、追い込まれた経験が大きかったです。

──精神面ですか?

リオン はい。修斗vs.シュートボクシング対抗戦の大将戦だったんですけど、その前の修斗勢の4人がバンバン負けて……っていう中で闘って勝ったという。その経験による精神面のアップは大きかったです。

──とは言っても相手の専門分野での試合だったわけですし、はたから見ると「負けてもしょうがないんじゃないか?」って見方もできると思うんですね。それでも精神的に追い込まれるところがあったと?

リオン 確かに、「だってSBルールじゃん」って見方はできますよね。だけど、客観的に見たら、ここで僕が負けたら「修斗が負けた」って言われちゃうなと思ったんです。例えば、初めてあの大会で格闘技を観たお客さんならばルールとか分からない人が多いだろうし、そうなると「ああ、あっちの団体のほうが弱いんだな」ってなると思うんですよ。

──確かに。

リオン そう考えると、絶対に負けられない。ましてや修斗とSBの合同イベントだから、そういったお客さんも多かったと思うんですよ。それは修斗の関係者も分かっていて、試合前に結構言われたんです。坂本さん(※坂本一弘サステイン代表)なんか眉毛をへの字にしながら「(ドスをきかせた声で)頼んだぞ!」って(笑)。

──への字になっていましたか(笑)。

リオン 確かに5連敗ってありえないですからね。バックステージで試合を待っている時には、ウチの会長(※川口健次シューティングジム横浜会長)も「これで負けたら死ぬくらいの覚悟で行けよ!!」ってマジ顔ですからね(笑)。僕もテンション上ってますから「分かりました!! 死ぬ覚悟で行きます!!」って言って。でも、そういうのってありがたいんですよね。フワ〜ってリングに向かうより。あと、総合格闘技全体としても、ねえ?

──ちょっと体裁が悪いかもしれませんね。

リオン 「あっ、こんなに負けたんだぁ……。総合用の打撃って、結局そんなもんか」って言われちゃうのは嫌ですから。

──実際に試合をしてみてどう感じましたか?

リオン ルールはよかったんですけど、あのグローブですよね。殴る、投げる、すべてにおいていつもとは違いました。オープンフィンガーグローブで慣れていると、ちょっとしたところで手の平を使うんですよ。例えば、クリンチとか。それを全部グーの状態でやるから、思っていた以上に難しかったというのと、あと効かせ方ですよね。僕は一切ボクシングを習ったことがなくて、完全に総合で覚えたパンチなんですよ。それは総合のグローブで効かせるパンチなので、あれが大きくなったら全然打ち方が違って効かせられない。「おっ、入った! これで倒れたろ……あっ、倒れてない」みたいな(笑)。「全然元気なんですけど〜!!」みたいな(笑)。いや〜、全然違いましたね。ただ、あのルールは得意です。あのルールで総合用のグローブだったらめちゃくちゃ得意です。寝技がないなんて、これほど嬉しいことはないですから。

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