泉浩インタビュー 7.16DREAMライトヘビー級王座戦へ
DREAM初参戦でライトヘビー級王座に挑戦する泉浩(右)にインタビュー 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】
【取材日:2011年6月10日/記事提供:(C)DREAM】
■「相手より身長が低いと、不利な点はありますけど、利点もあります」
──約1カ月後にタイトルマッチを控えた今の心境から聞かせてください。
泉「タイトルマッチというフィールドに上がれる準備を一生懸命やっているところなので、『余裕がない』というのが今の率直な心境です」
──今回の相手がムサシ選手で、しかもDREAMライトヘビー級のタイトルが懸かっていると聞いたときはどんなことを思いましたか?
泉「ビックリですよね。こんなに早くタイトルマッチという舞台で試合をさせてもらえるとは思っていなかったですから。ビックリしましたけど、その期待に応えたいという気持ちもあります」
──09年9月のMMAデビュー以来、5戦4勝1敗という好成績。しかも現在4連勝中です。これまでMMAの世界に飛び込んできた柔道の選手と比べて、泉選手はMMAファイターとしての成長度が早いと思うのですが、その点についてご自身ではどう感じていますか?
泉「これが早いか遅いかは分からないですけど、早いのであれば(コーチの)安生(洋二)さんの教え方が上手いからだと思います。安生さんは僕の性格を良く知ってくれているんです。僕は物事を自分なりに考えて理解しないと気がすまない人間なんですけど、それを安生さんは知っているので、教えるときにも、敢えて考えさせるような教え方をしてくれるんです。そういった教え方が戦績として出ているんだと思います」
──安生さんから見て泉選手の成長度というのをどう感じていますか?
安生「やっぱり伸びが早いです。びっくりしますよ、ほんとに。総合の練習を初めて2年で、しっかりパンチも見えて、自分なりに考えた通りの試合展開を作れるんですから。普通の人は、動きを覚えるためにはとにかく体を動かして動かしてっていうタイプが多いと思うんですけど、彼の場合は、練習が終わって、家に帰って、飯を食って、テレビを見て、ちょっとボーッとして、このボーッとしている間に成長しちゃうんですよ。頭の中でその日に覚えた動きを整理しているからだと思うんですけど、次の日会うと『アレっ? 何か成長してない?』っていう。そういう成長の仕方なんですよね。やっぱりオリンピックでメダルを取るほどのトップアスリートは違うなと。それは接してみて実感します」
──泉選手は今回がDREAM初参戦となりますが、『Dynamite!!』には2度出場されていますし、あまり初参戦という気はしないんじゃないかと思うのですが?
泉「いや、やっぱり初参戦という気持ちですね。それまでは『Dynamite!!』という大会名で、『DREAM』という大会名ではなかったですから。そういう大会名の響き一つにしろ、初めてのところに上がるんだという感覚があります」
ムサシ攻略のヒント「何点かは見つけました」
身長差は一見不利だが、利点もある 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】
泉「寝てもよし、立ってもよし、それがともに高いレベルにある選手ですよね。世界のトップで活躍できるファイターだと思います」
──5月29日の『DREAM JAPAN GP』のリング上でムサシ選手と並んで挨拶をされましたけど、近くで対峙してみて感じたことはありましたか?
泉「『この人と闘うんだな』という気持ちだったので、身長差だったりを間近で感じました」
──身長差のある試合は柔道時代も多くあったと思いますが、身長差のある相手との対戦についてはどう感じていますか?
泉「組み合うだけだったら柔道のときと感覚はあまり変わらないと思うんですけど、MMAには打撃がありますからね。そうなると間合いが違いますから、柔道のときの経験はあまり関係ないと思います。相手より身長が低いと、不利な点はありますけど、利点もありますから。そこは活かしていきたいと思っています」
──対戦が決まってからムサシ選手の試合はご覧になりましたか?
泉「何試合か見ました。水野(竜也)さんとの試合だったり、ゲーリー・グッドリッジとの試合を見たんですけど、やっぱり形にハマったら強いですね」
──攻略のヒントは掴めましたか?
泉「そうですね。自分の中で何点かは見つけました。 『ここでこうしたらいけるかな?』という感触を掴んだところがあるので、その感触をこれから練習で煮詰めていきたいと思います。あとはもう、策は安生さんに預けていますので。お客さんにも『安生がついているから大丈夫だ』って言われていますから」
「これまでの経験を出し切ることができれば、そこには勝利があると確信しています」(安生)
泉が王座奪取で日本に元気をもたらすか 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】
安生「今までSRCのリングで経験してきたものを全部相手にぶつけられれば、いい結果が生まれるんじゃないかなと思っています。下馬評的には『泉は厳しいだろう……』と思われていると思うんですけど、僕はこの男はムサシ選手が相手でもやれると信じて、この試合に向かっていますから。ムサシ選手は今まで泉が闘ってきた中で最強の相手ですけど、これまでの5戦で積み重ねてきた経験をすべて出し切ることができれば、そこには勝利があると確信しています」
──泉選手は来年のロンドン五輪出場を目指して7月2日に行われるレスリングの全日本社会人選手権に出場されますが、それは泉選手の希望で?
泉「そうです。自分の希望です」
──レスリングへの挑戦には、どんなテーマがあるんですか?
泉「自分の中で今年一年は『チャレンジ』をテーマとして掲げていて、プロでもレスリングの試合に出てもいいっていうことなので、ならチャレンジしてみようと。MMAをやるにあたっても、レスリング技術というのはすごく大切な要素ですしね。MMAをする一環でレスリングを取り入れて、その延長上でレスリングの試合も出てみたいと思ったんです」
──今、レスリングの練習はどこで?
泉「日体大レスリング部とか全日本の合宿にも参加させていただいて、いい環境で練習できています」
──レスリングの大会に出ることはムサシ戦への障害にはなりませんか?
安生「レスリングの練習はムサシ戦に向けての練習でもありますから障害にはなりませんね」
──ムサシ攻略のポイントはレスリングにある、と?
安生「レスリングが大事な部分となるのは間違いないと思います。まあ、レスリングの大会とムサシ選手とのタイトルマッチ、この2つで結果を残すというのは普通では成し得ないことですけど、泉は普通じゃないことをやりたくて柔道の世界からプロの世界に来たわけから。彼ならやり遂げてくれると思います」
──有明コロシアムに集まるファンにどんな試合を見せたいですか?
泉「ガッチガチに打ち合いたいです。盛り上がる試合をやりたいですね。『日本の格闘技界は低迷している』と言われているこの時代で、少しでも元気を与えられるような、そんな試合をしたいです。僕とムサシ選手の身長差を見て『無理だろう……』と思った人もいると思うんですけど、それでも頑張る姿を見せて、それを見た人が元気になるような試合をしたいと思います。
7月16日(土)東京・有明コロシアム 開場16:00 開始17:00
【決定対戦カード】
<バンタム級(−61キロ)日本トーナメント 決勝戦>
所 英男(日本/リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
今成正和(日本/チーム・ローケン)
<バンタム級(−61キロ)日本トーナメント 3位決定戦>
藤原敬典(秋本道場ジャングルジャンクション/チームZST)
大沢ケンジ(日本/和術慧舟會HEARTS)
<DREAMライトヘビー級(−93キロ)タイトルマッチ>
ゲガール・ムサシ(オランダ/チーム・ムサシ)
泉 浩(日本/プレシオス)
<DREAMフェザー級(−65キロ)タイトルマッチ>
高谷裕之(日本/高谷軍団)
宮田和幸(日本/BRAVE)
<ライト級(−70キロ)ワンマッチ>
川尻達也(日本/T−BLOOD)
ヴィラミー・シケリム(ブラジル/ノヴァウニオン)
<ライト級(−70キロ)ワンマッチ>
光岡映二(日本/フリー)
ブルーノ・カルバーリョ(ブラジル/CM SYSTEM)
<ヘビー級(+93キロ)ワンマッチ>
トッド・ダフィー(米国/グラッジ・トレーニング・センター)
ニック・ガストン(米国/8+8 Striking System(エイトプラスエイト・ストライキング・システム))
<DREAMウェルター級(−76キロ)ワンマッチ>
マリウス・ザロムスキー(リトアニア/LONDON SHOOT FIGHTERS/MMA Bushido)
桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)
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