ゲガール・ムサシ インタビュー「泉を絶対に甘く見たりしない」=DREAM

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泉浩を挑戦者に迎え7.16有明コロシアムでDREAMライトヘビー級王座防衛戦に臨むゲガール・ムサシにインタビュー 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】

 7・16FIGHT FOR JAPAN『DREAM JAPAN GP FINAL −2011バンタム級日本トーナメント決勝戦−』(有明コロシアム)で泉浩を挑戦者に迎えDREAMライトヘビー級タイトルマッチ防衛戦に臨む同級王者、ゲガール・ムサシにインタビュー。

【取材日:2011年5月27日/記事提供:(C)DREAM】

■「一日も早く立ち直ることを信じています」

──昨年大晦日以来の来日ですね。

ムサシ「そうですね。2005年にDEEPに出場するために初来日してから、今回でかれこれ15回目くらいの来日になります。私にとって日本はもう第二の故郷という感覚です」

──その第二の故郷である日本が3月11日に未曾有の大震災に見舞われました。

ムサシ「以前から日本は地震が多い国だということを聞いていましたので、一報を聞いたときはそこまでの惨事になっているとは思っていませんでした。しかし、その後、津波や原発問題のニュースが次々にテレビで報じられて、『これは大変な事態になっているんだ』と理解しました。私は、何回も来日しているからという理由だけではなく、文化、歴史、人間性も含めて、日本のことが大好きです。その日本が困難な状況に立っていることを知り、非常にショックでした。家族を亡くされた方、財産はもちろん、大切な思い出の品などもなくされた方もいると思います。悲しい出来事に遭遇した方がたくさんいらっしゃると思いますが、私は日本の皆さんならば、この困難から立ち直れると信じています。日本の皆さんは強い精神を持った人たちばかりですし、困難から立ち上がれることは日本の歴史が証明しています。一日も早く立ち直ることを信じています。

──さて、ムサシ選手は現地時間4月9日に行われたストライクフォースに出場しました。その大会でのキース・ジャーディン戦を振り返ってみていかがですか?

ムサシ「試合直後は相手を仕留めきれなかったことがとにかく残念でした。『KO勝ちしてくれるだろう』という期待にも応えられなかったので、非常に落ち込みました。その後、ビデオでその一戦を何回か見直してみたのですが、自分は常に前に出て試合を終わらせようとしていたのに対して、ジャーディン選手はテイクダウンを狙って、どちらかというと試合を終わらせないように、とにかく生き残ることをしていたんだなと思いました。そういった意味では、仕留められなかったことはしょうがない部分もあったんだなと思ったんですけど、残念さは変わりませんでした」

──ドローという結果でしたが、勝利をたぐり寄せられなかった要因については、ご自身、どう分析されているのですか?

ムサシ「ゲームプランを立てていなかったことが原因だと思います。これまでのジャーディン選手の試合を見て、私は彼に対して、打ち合いを好むストライカーという認識を持っていました。ですから私は、試合はスタンドでの打撃戦になると想定していたのですが、あの日のジャーディン選手から勝利を収めるには、こっちもテイクダウンを狙うとか、そういったゲームプランが必要だったなと感じています」

──ゲームプランを立てなかったというのは、対戦相手が直前に変更になったことも影響していたのですか?

ムサシ「直前に相手が変更になったことは関係ありません。ジャーディン選手がストライカーだという先入観に囚われていただけです。ゲームプランを持って試合をするということは、DREAMミドル級GPのときくらいまではやっていたことなんです。しかしその後、『ゲームプランを立てても、試合になったら変わる。試合は試合だ』と考えがちになっていました。油断していたんでしょうね。これからはしっかりゲームプランを立てて賢く闘いたいと思います」

「どんなことにも表があれば裏もあります」

泉(左)が五輪銀メダリストと知らなかったムサシだが、王座防衛へ油断はない 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】

──7・16FIGHT FOR JAPAN『DREAM JAPAN GP FINAL −2011バンタム級日本トーナメント決勝戦−』(有明コロシアム)で泉浩選手を挑戦者に迎え、DREAMライトヘビー級タイトルマッチ防衛戦を行うことが決定しました。今の心境から聞かせてください。

ムサシ「まず、2〜3カ月に一回のペースで試合ができることを嬉しく思います。なぜなら、私は常にそのくらいの間隔で試合をしていきたいと思っているからです。タイトルマッチができることも嬉しいです」

──対戦相手の泉選手の印象を聞かせてください。


ムサシ「まだ1試合しか彼の試合を見たことがないので、彼に関する知識はほとんどありません。これから研究していきたいと思います」

──その1試合とは?

ムサシ「ミノワマン選手との試合です。あの試合での彼に対する印象は、タフな選手だなということです。難しい対戦相手になることは間違いないでしょう。ですから、今度はちゃんとゲームプランを立てて闘います(笑)」

──泉選手は2009年9月にMMAデビューして5戦4勝1敗の戦績。現在は4連勝中と好調の選手ですが、キャリア5戦の選手がタイトルに挑戦してくるということについてはどう感じていますか?

ムサシ「たしかにMMAでの経験は少ないかもしれませんけど、彼は柔道でも活躍したんですよね?」

──2004年のアテネ五輪柔道の銀メダリストです。

ムサシ「……えっ? シルバーメダリストなんですか?」

──あっ、知りませんでしたか。

ムサシ「知りませんでした(苦笑)。その柔道での成績も大きく加味されて、主催者は彼がチャレンジャーに相応しいと判断したのでしょう。私は何も文句はありません。オリンピックでメダルを獲るほどの選手ですから、アスリートとしての能力は一級品です。MMAへの適応も早いと思いますから、前回の試合で見せた以上のパフォーマンスを発揮できる選手になっていると考えるのが普通でしょう。それにタイトルマッチとなるとモチベーションも上がるので、いつも以上の力が発揮されることもあります。キャリア5戦の選手だからといって、絶対に甘く見たりはしません」

──身長、リーチもムサシ選手が大きく上回っていますが、これは大きなアドバンテージになると思いますか?

ムサシ「その差は優位な点になると思うので、そこは活かしていきたいと思います。しかし、優位な点があるということは、裏を返せば、必ず不利になる点があるということです。例えば、彼は私より小さいですが、ドッシリしている分、バランスがいいと思います。どんなことにも表があれば裏もあります。その点は注意してゲームプランを立てたいと思います」

8・9月はSF、大みそかにはまた日本で

ムサシ(右)は今後も日本、米国を股にかけて試合を展開していくと約束 【(C)DREAM OFFICIAL WEB SITE】

──『DREAM JAPAN GP FINAL』以降のスケジュールは決まっているんですか?

ムサシ「具体的にはまだ決まっていませんが、8月か9月にはストライクフォースで試合をすると思います。そして、大みそかはまた日本に来て闘いたいです」

──ムサシ選手が日本で闘い続ける理由はどこにあるのでしょうか?

ムサシ「忠実でありたいということです。私は、私が若いときにチャンスをくれた人たちに恩返しをしたいのです。日本のスタッフ、そして応援してくれるファンに私は心から感謝しています。ただ一方で、自分がベストファイターだと証明するためには、アメリカでも試合をする必要があると考えています」

──最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

ムサシ「皆さんの応援にはいつも感謝しています。今、日本は困難な時を迎えていると思いますが、私は必ず皆さんがその困難を乗り越えられると信じています。私は7月のDREAMで一生懸命闘います。皆さん、一緒に頑張りましょう」
■FIGHT FOR JAPAN『DREAM JAPAN GP FINAL −2011バンタム級日本トーナメント決勝戦−』
7月16日(土)東京・有明コロシアム 開場16:00 開始17:00(予定)

【決定対戦カード】

<バンタム級(−61キロ)日本トーナメント決勝戦>
所英男(日本/リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
今成正和(日本/チーム・ローケン)

<バンタム級(−61キロ)日本トーナメント3位決定戦>
山本篤(日本/KRAZY BEE)
大沢ケンジ(日本/和術慧舟會 HEARTS)

<DREAMライトヘビー級(−93キロ)タイトルマッチ>
[王者]ゲガール・ムサシ(オランダ/チーム・ムサシ)
[挑戦者]泉浩(日本/プレシオス)

<DREAMフェザー級(−65キロ)タイトルマッチ>
[王者]高谷裕之(日本/高谷軍団)
[挑戦者]宮田和幸(日本/BRAVE)

<ライト級(−70キロ)ワンマッチ>
川尻達也(日本/T−BLOOD)
ヴィラミー・シケリム(ブラジル/ノヴァウニオン)
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