栗原あゆみ&松本浩代のくりまつタッグ、王座奪取ならず=敗戦もファンから「プリーズ・カムバック」の大コール!!
2人は手書きでメッセージを書いた日の丸を手に入場。栗原は「ガンバロウニッポン!」、松本は「Keep Smile LIVE HAPPY.」と記入 【(C)RINGSTARS】
前日の大会で“米国でもっとも人気の高い日本人女子レスラー”として不動の人気を確立した栗原あゆみは、この日も米国ファンの大歓声を浴びて王者組に挑む。即席ながら好連携を見せた“くりまつタッグ”は、相手を後一歩のところまで追い込むが、中川の悪賢さにはばまれた。最後は松本がデイジーにタイガースープレックスで3カウントを奪われ、王座奪取とはならなかった。
敗れたものの栗原と松本は、米国ファンから「プリーズ・カムバック」コールが大発生。結果以上に実りの大きい試合となった。
以下は試合詳細リポート。
くりまつが王者・中川&デイジー組と激突!
3人分の体重が一度に中川に乗るとファンは大歓声 【(C)RINGSTARS】
2人とも日の丸国旗にメッセージを書き込み、観客席に誇示。松本は今回の遠征限定のマスク姿でリングイン。一方のデイジー・ヘイズ&中川ともか組は不気味な笑みをともに浮かべながら登場。時折、ブーイングの方向に目を向けるが特に反応は示さない。対照的な入場となった。
栗原と松本は日の丸をかざしてコーナーへ立つ。すると、王者組は堂々とベルトを掲げてコーナーへ上がった。試合前のセレモニー、まずは王者組がベルトを返上。挑戦者組は握手を求めたが、中川は首を横にかしげ、デイジーは「リングベル!」とゴングを鳴らすよう要求し握手を拒否。
スタートは松本と中川。日本ではまず見られない対決だ。まずは松本がリングを大きく回り観客へアピール。早くもROHのファンはスタートから「JOSHI(女子)」コールで迎え入れた。松本はまず豪快なタックルを3連発、その都度中川が吹っ飛ぶ。チャンスと見た松本が4発目を狙った際、中川は両手を広げて「ちょっと待った」のポーズ。思わず松本の動きが止まる。すると背後からデイジーが一撃。中川は指をさして高笑いだ。
後一歩まで追い込むも、逆転されベルト奪取ならず
ベルトが王者組に戻り、中川はデイジーにこの表情 【(C)RINGSTARS】
まずは初っ端にフライングのネックブリーカー。さらにデスロックを決めるが、すぐさまデイジーがカットに入る。続いてはデイジーと栗原の展開になり、コーナー上の攻防が続く。そして、栗原が雪崩式腕ひしぎを決めると、観客が興奮度MAXに。「アンビリーバブル!」の声があふれ出た。場内は再び「アユミ」コール。これに手を広げて栗原も応える。栗原は流れに乗って、場外のデイジーめがけてトップロープへ上がると、中川が水を吹きかけてカット。リングインした中川がデッドリードライブで栗原をリング中央に放り投げる。さらに低空キックを決めるがカウント2。しかしすぐさま栗原も飛びつきのエビ固めでお返し。これもカウント2で返す。
ここで中川がデイジーを呼び込むとフェイスバスターとドロップキックの合体攻撃。それでも栗原はドロップキックでやり返すと、今度は松本が出てきてデイジーと中川へタックルを連打。松本はバックドロップを狙うが、中川が耐えたため、反る形の持ち味あふれる一撃にはならず。それでも中川をダウンさせると、デイジーのカットをおんぶの態勢で持ち上げる。正面から栗原も飛び乗り、2人の体重を生かして中川へニ―を落とす。3人ぶんの体重が一気にのしかかった。
このチャンスに栗原と松本は中川をホイップすると、栗原は串刺しのニー、松本がタックルで襲いかかる。さらに栗原は低空ドロップキックで米国のファンの度肝を抜く。そして、飛びつきのエビ固めを決めようとするが、回転の反動を生かして中川がデイジーにジャンピングタッチ。デイジーは栗原にチョップを連打、しかし栗原も身体を入れ替えると、ニーを背後からデイジーに当てていく。ここで松本が出ると、デイジーと中川にタックルで吹き飛ばす。さらに栗原がカットに入った中川をミサイルキックでアシスト。ここで栗原の裏投げから松本のバックドロップという“くりまつ”の必勝パターンで勝負に行った。カウント3かと思われたが中川がレフェリーの足を引っ張って3ウカウントを奪うことはできず。この隙をついて、デイジーが松本の腕を取って身動きとれなくしてからパンチを決めると、さらに中川が延髄蹴りを決める。ここで動きが止まった松本に間髪いれずデイジーがタイガースープレックス。これには松本も返す余力が残っておらず、ついに3カウントを聞き、デイジー&中川組が初防衛に成功した。
新たなオファーも届き、日本と海外をつなぐ架け橋に
栗原はひとさし指を突きだして「プリーズカムバック」に応えた 【(C)RINGSTARS】
敗れた栗原は「初タッグだったんですけど、ぴったり行きました。今回の遠征は日本で地震が来た直後で、米国へ行くことも自分の中で葛藤がありましたけど、募金とかもたくさんしていただいて、米国の方が日本を応援してくれているとすごく感じたし、試合に出てもすごくたくさんの方に応援してもらえて、来てよかったです」と言い、松本も「悔しいけど、楽しかった。初めて来てこれだけ応援してくれたし、最後にスタンディングオベーションしてくれて楽しかったです。ROH最高です。アイム・ハッピー!」と振り返った。
JOSHI4HOPEツアー第3弾は残すところ明日のレッスルリユニオン(ジョージア州アトランタ「アトランタホテル」)へ3選手が参加して終了、日本へ帰国する。
中川がSHIMMERのベルトを持ち帰ることになったのは大殊勲。さらに松本&大畠もSHIMMERタッグを巻き、栗原の人気も最高潮に達し、実りの多い遠征となった。
なお、今回の遠征で新たな国から彼女たちへオファーが届き、早ければ今秋にも実現の可能性がある。JOSHI4HOPEは日本と海外をつなぐ架け橋となりそうだ。
■ROH
現地時間4月2日(土)米国ジョージア州アトランタ センター・ステージ・シアター
<SHIMMERタッグチャンピオンシップ 30分1本勝負>
○デイジー・ヘイズ、中川ともか
(11分25秒 猛虎式原爆固め)
栗原あゆみ、●松本浩代
※王者組が初防衛に成功。
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