栗原あゆみ&松本浩代のくりまつタッグ、王座奪取ならず=敗戦もファンから「プリーズ・カムバック」の大コール!!

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2人は手書きでメッセージを書いた日の丸を手に入場。栗原は「ガンバロウニッポン!」、松本は「Keep Smile LIVE HAPPY.」と記入 【(C)RINGSTARS】

 米国の現地時間4月2日、ジョージア州アトランタ センター・ステージ・シアターで開催されたROH主催大会に、日本から栗原あゆみ、松本浩代がタッグで参戦。米国女子プロレス「SHIMMER」のタッグベルトを持つデイジー・ヘイズ&中川ともか組に挑戦した。

 前日の大会で“米国でもっとも人気の高い日本人女子レスラー”として不動の人気を確立した栗原あゆみは、この日も米国ファンの大歓声を浴びて王者組に挑む。即席ながら好連携を見せた“くりまつタッグ”は、相手を後一歩のところまで追い込むが、中川の悪賢さにはばまれた。最後は松本がデイジーにタイガースープレックスで3カウントを奪われ、王座奪取とはならなかった。

 敗れたものの栗原と松本は、米国ファンから「プリーズ・カムバック」コールが大発生。結果以上に実りの大きい試合となった。

 以下は試合詳細リポート。

くりまつが王者・中川&デイジー組と激突!

3人分の体重が一度に中川に乗るとファンは大歓声 【(C)RINGSTARS】

 まずは挑戦者組の栗原あゆみ&松本浩代組、“くりまつ”(本人たちが命名)が元気に登場。
 2人とも日の丸国旗にメッセージを書き込み、観客席に誇示。松本は今回の遠征限定のマスク姿でリングイン。一方のデイジー・ヘイズ&中川ともか組は不気味な笑みをともに浮かべながら登場。時折、ブーイングの方向に目を向けるが特に反応は示さない。対照的な入場となった。
 栗原と松本は日の丸をかざしてコーナーへ立つ。すると、王者組は堂々とベルトを掲げてコーナーへ上がった。試合前のセレモニー、まずは王者組がベルトを返上。挑戦者組は握手を求めたが、中川は首を横にかしげ、デイジーは「リングベル!」とゴングを鳴らすよう要求し握手を拒否。

 スタートは松本と中川。日本ではまず見られない対決だ。まずは松本がリングを大きく回り観客へアピール。早くもROHのファンはスタートから「JOSHI(女子)」コールで迎え入れた。松本はまず豪快なタックルを3連発、その都度中川が吹っ飛ぶ。チャンスと見た松本が4発目を狙った際、中川は両手を広げて「ちょっと待った」のポーズ。思わず松本の動きが止まる。すると背後からデイジーが一撃。中川は指をさして高笑いだ。

後一歩まで追い込むも、逆転されベルト奪取ならず

ベルトが王者組に戻り、中川はデイジーにこの表情 【(C)RINGSTARS】

 今度はデイジ―と中川がダブルの連携、クロスラインを狙うが、松本はそれをかいくぐって、2人に対してフライングボディアタック。ここで満を持して栗原が登場すると、早くも「アユミ」コールが爆発。今回の遠征で米国国内において“米国でもっとも人気の高い日本人女子レスラー”という不動の人気を獲得した。

 まずは初っ端にフライングのネックブリーカー。さらにデスロックを決めるが、すぐさまデイジーがカットに入る。続いてはデイジーと栗原の展開になり、コーナー上の攻防が続く。そして、栗原が雪崩式腕ひしぎを決めると、観客が興奮度MAXに。「アンビリーバブル!」の声があふれ出た。場内は再び「アユミ」コール。これに手を広げて栗原も応える。栗原は流れに乗って、場外のデイジーめがけてトップロープへ上がると、中川が水を吹きかけてカット。リングインした中川がデッドリードライブで栗原をリング中央に放り投げる。さらに低空キックを決めるがカウント2。しかしすぐさま栗原も飛びつきのエビ固めでお返し。これもカウント2で返す。

 ここで中川がデイジーを呼び込むとフェイスバスターとドロップキックの合体攻撃。それでも栗原はドロップキックでやり返すと、今度は松本が出てきてデイジーと中川へタックルを連打。松本はバックドロップを狙うが、中川が耐えたため、反る形の持ち味あふれる一撃にはならず。それでも中川をダウンさせると、デイジーのカットをおんぶの態勢で持ち上げる。正面から栗原も飛び乗り、2人の体重を生かして中川へニ―を落とす。3人ぶんの体重が一気にのしかかった。

 このチャンスに栗原と松本は中川をホイップすると、栗原は串刺しのニー、松本がタックルで襲いかかる。さらに栗原は低空ドロップキックで米国のファンの度肝を抜く。そして、飛びつきのエビ固めを決めようとするが、回転の反動を生かして中川がデイジーにジャンピングタッチ。デイジーは栗原にチョップを連打、しかし栗原も身体を入れ替えると、ニーを背後からデイジーに当てていく。ここで松本が出ると、デイジーと中川にタックルで吹き飛ばす。さらに栗原がカットに入った中川をミサイルキックでアシスト。ここで栗原の裏投げから松本のバックドロップという“くりまつ”の必勝パターンで勝負に行った。カウント3かと思われたが中川がレフェリーの足を引っ張って3ウカウントを奪うことはできず。この隙をついて、デイジーが松本の腕を取って身動きとれなくしてからパンチを決めると、さらに中川が延髄蹴りを決める。ここで動きが止まった松本に間髪いれずデイジーがタイガースープレックス。これには松本も返す余力が残っておらず、ついに3カウントを聞き、デイジー&中川組が初防衛に成功した。

新たなオファーも届き、日本と海外をつなぐ架け橋に

栗原はひとさし指を突きだして「プリーズカムバック」に応えた 【(C)RINGSTARS】

 涼しい顔でベルトを受け取るデイジー&中川。当然自分たちのものだと言わんばかりの表情で受け取るとそそくさと引き上げた。その後、リング上には栗原と松本が残ったが、ここで「プリーズ・カムバック」コールが大発生。米国のファンは栗原と松本を、そして日本の女子プロレスを大いに受け入れた。

 敗れた栗原は「初タッグだったんですけど、ぴったり行きました。今回の遠征は日本で地震が来た直後で、米国へ行くことも自分の中で葛藤がありましたけど、募金とかもたくさんしていただいて、米国の方が日本を応援してくれているとすごく感じたし、試合に出てもすごくたくさんの方に応援してもらえて、来てよかったです」と言い、松本も「悔しいけど、楽しかった。初めて来てこれだけ応援してくれたし、最後にスタンディングオベーションしてくれて楽しかったです。ROH最高です。アイム・ハッピー!」と振り返った。

 JOSHI4HOPEツアー第3弾は残すところ明日のレッスルリユニオン(ジョージア州アトランタ「アトランタホテル」)へ3選手が参加して終了、日本へ帰国する。
 中川がSHIMMERのベルトを持ち帰ることになったのは大殊勲。さらに松本&大畠もSHIMMERタッグを巻き、栗原の人気も最高潮に達し、実りの多い遠征となった。
 なお、今回の遠征で新たな国から彼女たちへオファーが届き、早ければ今秋にも実現の可能性がある。JOSHI4HOPEは日本と海外をつなぐ架け橋となりそうだ。


■ROH
現地時間4月2日(土)米国ジョージア州アトランタ センター・ステージ・シアター


<SHIMMERタッグチャンピオンシップ 30分1本勝負>
○デイジー・ヘイズ、中川ともか
(11分25秒 猛虎式原爆固め)
栗原あゆみ、●松本浩代

※王者組が初防衛に成功。
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