プロバスケット「bjリーグ」 東は浜松が独走 西は混戦模様=2010−2011シーズン前半戦を振り返る
団子状態の西カンファレンス、僅差でチームがひしめき合う
日本人屈指の得点力で滋賀を引っ張る城宝匡史 【写真:Atsushi Tomura/アフロスポーツ】
現在首位の滋賀は、参入2年目の昨シーズン4位に入り、初のプレーオフ進出を果たした。今年は「ハイスコアな試合ができるチーム」と石橋貴俊HCが自信をのぞかせるように、高いオフェンス力が売り。チームスコアの大半を外国籍選手が稼ぐチームは多いが、滋賀は城宝匡史や岡田優など日本人選手の得点能力が高い。特に城宝は1試合平均13.8点を稼ぎ、日本人プレーヤーではリーグトップ。土壇場での勝負強さもあり、アウトサイドの要といえる。また、滋賀は後半戦に入ると、ジョシュ・ペッパーズを補強。昨シーズンもシーズン途中で仙台に加入したペッパーズ選手は、すぐさまチームの得点源になるなど、その得点力には定評がある。インサイドに大きな柱が加わることで、さらに滋賀の攻撃に厚みがますことだろう。
しかし不安要素となるのがディフェンスだ。開幕当初から石橋HCは「ディフェンス面で昨季のリバウンド王、ハミルトンがファウルアウトしてしまうと、インサイドで柱を失ってしまう」と課題を口にしていた。その言葉どおり、前半戦はリバウンド勝負で競り負けると、そのまま得意の展開にもっていけないことも多く、ディフェンスの強化は後半戦でも課題となりそうだ。最強の助っ人、ペッパーズを迎え、オフェンス力がさらにアップした滋賀が、混戦状態の上位争いから一歩抜け出すことができるだろうか。
連勝で勢いをつけたい福岡、上位進出の鍵はディフェンス
また得点力はあっても、失点が多いのが福岡のウィークポイントだ。1試合チーム平均得点は87.4でカンファレンス2位につけるが、平均失点も85.9とカンファレンスで2番目に多い。西カンファレンスはサイズのあるチームが多いだけに、高さで劣る福岡はリバウンド勝負でどこまで踏ん張れるかが勝敗の鍵を握る。攻守のバランスの悪さが現在4位という結果につながっており、今後失点を抑えられれば、一気に上位へと躍り出るだろう。
ここまで両カンファレンスの順位を見てみると、昨シーズンとほぼ同じ顔ぶれが上位に並ぶ。だが、毎年プレーオフ争いで台風の目となるチームが出てくるのもbjリーグの面白さだ。昨シーズン、下位に沈んでいた東カンファレンスの埼玉や、西カンファレンスでは大分ヒートデビルズがシーズン終盤で勝率を上げ、プレーオフ争いを大いに盛り上げた。後半戦は始まったばかり、プレーオフ進出に向け、新たな新興勢力が出てくることを期待したい。
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