元女王エナンの復帰、39歳のクルム伊達らに注目=全豪テニス女子見どころ

テニスネットPro
 テニスのグランドスラム(四大大会)今季初戦となる、全豪オープンが今月18日に開幕する。15日には男女シングルスの組み合わせが決まり、女子1回戦でクルム伊達公子(エステティックTBC)がヤロスロワ・シュウェドワ(カザフスタン)と、森田あゆみ(キヤノン)はカルラ・スアレスナバロ(スペイン)と対戦することが発表された。

3人の新旧女王の熱き戦い

今季復帰した元女王のエナン。久々の大舞台でかつての輝きを見せることはできるか!? 【Getty Images】

 女子シングルスの優勝候補筆頭は、大会連覇を狙う現女王のセリーナ・ウィリアムズ(米国)だ。2008年にジュスティーヌ・エナン(ベルギー)が世界ランク1位のまま引退を発表して以来、WTA(女子テニス協会)ツアーのナンバーワンは何人も入れ替わる事態となったが、実質的なナンバーワンはセリーナだったと言っていい。実力は頭一つ抜け出ており、一時的にほかの選手がナンバーワンの座に付こうとも、全豪、ウィンブルドンといったメジャー大会でトロフィーを掲げていたのはやはりセリーナだった(全仏はスベトラーナ・クズネツォワ=ロシアが優勝)。

 その対抗馬となるのが、昨年8月、約2年ぶりにツアー復帰した元世界ランク1位のキム・クライシュテルス(ベルギー)だろう。クライシュテルスは復帰3戦目となった全米の準決勝でセリーナを破ると、決勝ではキャロリーン・ウォズニアッキ(デンマーク)を下し、一児の母として2つ目のグランドスラムタイトルを獲得。現女王のセリーナを破ってメジャータイトルを手にしたクライシュテルスの完全復活は、女子ツアーに大きな衝撃を与えた。

 そして、忘れてならないのがエナンの存在だ。今月初旬に行われたブリスベン国際で現役復帰を果たした元女王は、1回戦で第2シードのナディア・ペトロワ(ロシア)に7―5、7―5で競り勝ち、1年8カ月ぶりの公式戦で白星を飾った。その後も順当に勝ち進み、最終的には決勝で第1シードのクライシュテルスに敗れたものの、未だに実力が衰えていないことを証明して見せた。
 今大会はもちろん、2010年シーズンのWTAツアーは、この3人の新旧女王を中心に回っていくことは間違いなさそうだ。

クルム伊達は初戦突破なるか!?

昨年は惜しくも初戦敗退したクルム伊達。今年こそ、本戦での勝利を期待したい 【Getty Images】

 また、今大会では3人の新旧女王以外にも、活躍が期待される選手は非常に多い。
 日本勢からは、クルム伊達の名前を挙げないわけにはいかない。昨年、韓国で復帰後ツアー初タイトルを獲得した39歳は、年明けのメディバンク国際で予選を勝ち上がり、本戦1回戦で元世界ランク3位の強豪ナディア・ペトロワ(ロシア)を撃破。2回戦で現在世界ランク7位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に敗れたものの、互角の戦いを繰り広げた。彼女のライジングショットは、今年の女子ツアーに新たな風を巻き起こすかもしれない。

 ロシア勢では、マリア・シャラポワの復活が待たれる。昨年はまだ手術直後ということもあり、100パーセントのプレーができずに終わった。しかし、今年はタイでのエキシビションでビーナス・ウィリアムズ(米国)を、香港ではウォズニアッキを破り、完全復活ののろしを上げている。

 そのほか若手で期待されるのが、全米ファイナリストのウォズニアッキ。弱冠19歳の彼女は昨年のシーズンエンドチャンピオンシップでも執念の準決勝進出を果たし、ランキングでもキャリア最高の4位に上り詰めた。
 また、全米でベスト4に入った20歳のヤニナ・ウィックマイヤー(ベルギー)も、今年のニュージーランドでタイトルを獲得し、すでに臨戦態勢モードに突入している。

<了>
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