ダビデンコがナダルを下し優勝 最終戦の出場争い続く=テニス・上海マスターズ

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上海マスターズ決勝、ダビデンコはナダルを下し、今シーズン4勝目を飾った 【Getty Images】

 中国の上海で開催されていたテニスのATPワールドツアーマスターズ1000上海大会(上海マスターズ)は、現地時間18日に決勝が行われ、第6シードのニコライ・ダビデンコ(ロシア)が第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)を7−6、6−3のストレートで下し、今シーズン4度目のATPワールドツアータイトルを獲得した。

けが人続出の非常事態 9人がリタイア

 上海マスターズでは世界ランク1位のロジャー・フェデラー(スイス)が疲労、世界3位のアンディ・マレー(スコットランド)が手首のけがで早々と欠場を表明していたが、さらに大会が始まると、試合途中での棄権が続出。第3シードのファンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)を始め、9人もの選手がリタイヤを申し出る非常事態となった。

 その中で最初に光を放ったのは世界ランク41位のフェリシアーノ・ロペス(スペイン)。スペイン選手には珍しく、サーブ&ボレーを得意とする選手で、ウィンブルドンから続いた初戦敗退に終止符を打つと、その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような小気味の良いプレーを見せる。
 準々決勝では全仏オープン準優勝のロビン・ソデルリング(スウェーデン)にも勝利し、準決勝では第1シードのナダルとの試合が実現。しかし、足首のけがに見舞われロペスはここで力尽き、第2セット途中でリタイアした。

ナダルは決勝進出も、未だ本来のプレーを取り戻せず

 第1シードとして出場したナダルは、2回戦でジェームズ・ブレーク(米国)の粘りに苦しむが、2度にわたる対戦相手の棄権により、5月のマドリッドマスターズ以来の決勝進出を果たしている。しかし今年のナダルは、ひざと腹筋のけがに見舞われ、全豪オープンでフェデラーを破った時のような彼本来のプレーを取り戻せていない。

 今回の決勝では、伏兵とも言えるダビデンコが相手であった。ダビデンコは準決勝で第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と壮絶なストローク戦を展開、ゲーム中盤からミスが多くなったジョコビッチをファイナルセットのタイブレークで振り切り、クアラルンプールで行われたマレーシアオープンに続くアジアサーキット2度目の決勝進出だった。

 試合は、終始攻撃的なプレーを見せるダビデンコが、ファーストセットでブレークバックされるも、タイブレークではミスのない完ぺきなテニスを展開。セカンドセットでも切れの良いストロークでナダルを追い込み、先にブレークを獲得。試合終了まで攻撃の手を緩めることはなく、ストレートでナダルを下した。

マスターズファイナル出場を懸けた戦いに注目

「セカンドセットではチャンスが来たと思ったよ。自分にどれだけのパワーが残っているか分からなかったけどね。ブレークできたときは、これで勝てるなって思ったよ」。
 試合後はスタンドで応援する奥さんに熱いキスの祝福を受け、いつもは冷静なダビデンコも興奮が抑えられないようだった。
「僕は決勝で5敗しているけど、18回もタイトルを獲得しているんだ」と28歳のダビデンコ。「決勝ではいつも良いプレーができるんだ。だからもっと決勝に進む必要があるね」

 一方のナダルは敗戦の中でも前向きなコメントを残している。「負けるのは好きじゃないよ。僕にもチャンスがあったんだけど、結果は彼が僕を倒したんだ。彼は勝利に値するよ。僕にとってはけがから復帰してトップ選手と初めての対戦で、100パーセントのプレーをした、それは僕にとって喜ばしいことさ」

 11月22日からロンドンで開催されるマスターズカップに出場できる選手はトップ8人のみ。全仏とウィンブルドンを制したフェデラー、全豪覇者のナダル、ジョコビッチ、マレー、全米覇者のデルポトロ。この5人はすでに出場権を獲得しているが、残りの3人はまだ決まっていない。
 ダビデンコは上海マスターズを制したことで、ウィンブルドン準優勝のアンディ・ロディック(米国)に次ぐ7位に順位を上げた。

 シーズン最終戦への出場権争いは、直前の大会となる11月8日からパリで始まるBNPパリバマスターズまで続きそうだ。

<了>

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