青年から“成年”へ リリーフ陣に奮起促す埼玉西武

埼玉西武ライオンズ

目指すは“サンフレッチェ”に匹敵する救援リレー

始球式でソフトバンク・秋山監督と対戦する渡辺監督。黄金時代の復刻ユニホームで躍進なるか!? 【写真は共同】

 ライオンズ・クラシックが開幕し、2003年まで着用していた復刻ユニホームで黄金時代の勢いそのままに首位奪取といきたい埼玉西武ライオンズ。4番に座る中村剛也はホームランキング独走状態で、チームの本塁打数も80本以上とリーグ一を誇る。涌井秀章、岸孝之の両投手も二人で15勝と大車輪の活躍でチームを支える。しかし、チーム打率は2割5分台、防御率は4点台と心もとなく、まだまだ課題は山のように積み重なっている。

 その中でも最も重要視されているのが中継ぎ陣の組み立て。「グラマンは今シーズンはいないものとして考えている」という渡辺久信監督だが、ブルペンの台所事情は思った以上に厳しく、一日たりとも気を緩められない。交流戦の終盤からは、中継ぎ陣が逆転を喫し敗戦というパターンが目立った。
「一人一人がしっかり持ち場を責任持って投げないと、こういう結果になってしまう」  
 6月27日の福岡ソフトバンク戦ではリリーフ陣が総崩れし、ついに「責任感がなさ過ぎる」と怒りを隠せなかった渡辺監督。9回のマウンドを任された守護神候補の小野寺力に至っては、被安打3、2四球で3点を失う大乱調でチームの追い上げムードを断ち切ってしまった。渡辺監督は試合後、同投手と個人面談の時間を設け「お前が今のチームの最後の砦なんだよ」と奮起を促した。
 常日ごろ、「うちは青年のチーム。大人、“成年”のチームになるまでにはまだまだかかるよ」と口にする渡辺監督がともに戦った黄金時代の象徴である潮崎哲也、杉山賢人、鹿取義隆の“サンフレッチェ”トリオに匹敵する救援リレーをつくり上げることはできるのか?

変革へ期待がかかる新企画

 チームは青年段階にいるライオンズだが、ファンサービスの面では7月を“成年”、大人の平日シリーズと題したイベントの強化月間とし、活性化を図っている。木曜日のサラリーマンナイトや火曜日のやきゅウーマンナイトに加え、今回新たに仲間入りを果たす水曜日の「お酒がナイト」では、ドーム前広場ステージ付近にビアガーデンが設立される。自然と一体化した西武ドームならではのこの企画では、暑い夏を乗り切るためにキリっと冷えたビールにマッチしたスペアリブなどの提供も予定されており、ベースボールタウンへの変革を目指すライオンズの積極的な取り組みの一つとして大きな期待が寄せられている。

<text by 稲葉真由美>

<了>
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