ロナウジーニョは終わってしまったのか?=ミランで輝けない2つの理由
今のミランにロナウジーニョの居場所はない
年明けあたりから、ベンチを温めることが多くなったロナウジーニョ(右) 【Photo:BFP/アフロ】
先の第34節カターニア戦――インザーギとカカのゴールで快勝。ロナウジーニョはベンチ入りするも出場機会は与えられず――を終えた直後、いみじくも投げかけられた同様の問いに対し、ミランのカルロ・アンチェロッティ監督は次のように答えている。
「今季前半のような形をわれわれ(首脳陣)も望んでいる」
正確なやり取りは、まず記者が「ミランは来季もロナウジーニョをベンチに置き続けるつもりなのか?」と問うと、アンチェロッティが「あり得ない」と即答。そして以下のように続いている。
記者 「『あり得ない』では答えにならない。あれだけの選手、あれだけのサラリーを手にする選手である以上、仮に一言で片付けるのであれば、むしろ『できない』と言うべきところだと思われるが。しかし、現実には今のミランに彼の居場所はない」
アンチェロッティ 「期待の大きさを自ら知る以上、彼にはプロとしてそれに応える義務がある。大切なのはチームのバランス。そもそも、バランスを崩すようではそれを戦術とは呼ばない」
記者 「今季の後半、ロナウジーニョはほとんどスタメン出場していないが、つまりそれは彼がバランスを崩す存在であるということの証しなのか? だとすれば、来季以降のミラン残留も確実とは言えなくなるということか? もっとも、監督自身の残留も定かではないと報じられているが……」
アンチェロッティ 「わたしは間違いなく来季もミランの監督であり、ロナウジーニョも間違いなくミランの選手であり続ける」
継続性の欠如、これでは計算できない
上記アンチェロッティのコメントにある「期待の大きさを自ら知る以上〜」のくだりを厳しい言い方で意訳すれば、『もっとマジメにトレーニングしてコンディションを高め、ほかの選手と同様に走ってくれないと使えない。今のままではチームのバランスを崩すだけの存在でしかない。そもそも、イタリアではバランスを崩すようでは選手とは呼べない』といったところか。
ロナウジーニョは、ウインターブレーク期間中のドバイキャンプで懸命に調整し、体力測定である程度の数値を出すと、それ以降は継続したトレーニングを怠ったと言われている。35歳にしてゴールを量産し、その要因を徹底した自己管理とするインザーギとは両極端。プロ意識の差は歴然である。