インタビュー：高須基一朗　Interview By Motoichiro Takasu
写真：佐久間立秋

「HEROS」であった二人が二人、専門誌で初対談！！
「HEROS」時代の今だから語れる話から「DREAM」について、はたまた話は大きく膨らみ、日本代表SAMURAI　JAPAN　MMAチームの話に！？　前田氏は、先々の未来で日本代表監督就任となるか！？

―――今日はまずＨＥＲＯ‘Ｓの話をベースに聞いていきたいと思います。ＨＥＲＯ’Ｓのとき、一番最初に秋山選手と前田さんがお会いしたのは？

前田　最初、ＨＥＲＯ‘Ｓをやるって言ったときに、谷川君に秋山っていう、柔道出身のすばらしい選手がいるって聞いていたんですよ。でね、国籍問題で在日っていうのは苦労するんですよ。オリンピックでようと思ったら、お前は日本人じゃないからって、本人からしてみたら日本人のつもりなの。で、俺は3世で秋山は4世でしょ？　よくマスコミでは在日だって言われるんですけど、本当はそういう感覚全くないんですよ。で、周りに言われてそうなのかな、って。押し込められていると何でもいいやってなっちゃうの。

―――在日といわれることに対して秋山選手をどうなんですか？

秋山　国籍の問題だけじゃないけど、色々あるけど、難しいことは難しいけどそこまで深く考えてないです。日本人だ、中国人だ、韓国人だからどうとか、僕等ずっと狭間で生きてたから日本にいれば韓国人って言われるし、韓国行けば日本人って言われるし、居場所がない状態だったので。確かにこういう面で苦しんでいる人って多かったと思うんですよ。けどみんな韓国が好きだけど住んでいる日本も大好きで、っていうそういう人たちばかりなんですよね。だから２つとも愛しています。先ほど前田さんが言っていたように投げやりになってしまう人たちが多くなってしまうんだと思います。

―――最初にお会いしたのは…ＨＥＲＯＳ旗揚げ前ですか？？　谷川さんを通じて一度お会いしているんですか？

秋山　会ってないですよね。前田さんがスーパーバイザーになってからですよ。その記者会見のときに初めてお会いしました。

前田　その前にジムで会っているよ。

秋山　韓国の選手をゴールドジム大森に連れてこられたときに、たまたま僕がそこでトレーニングしていたんですよ。そこで挨拶したのがはじめてです。そこから記者会見でお会いするようになって。僕も前田さんが在日だって言うことは知っていたので。僕は在日だって聞くだけですごく親近感が沸くんです。だから親戚のおじさんみたいな感覚で話しかけていたし、すごく前田さんも面倒見がよくて“オウ！！”、見たいな感じで。

前田　HEROSの時は一緒にいい思いしていましたよ。ね！！！　していたよね、秋山君？

秋山　(笑)

前田　その節はどうもお世話になりました。（笑）

秋山　いえいえ、とんでもないこちらこそ。（笑）

―――じゃあ秋山選手のＨＥＲＯＳでの活躍っていうのは前田さんもうれしかったですか？

前田　彼の柔道時代の色んな話も聞いているし見ているし、想像つくんですよ。自分だって、あいつは韓国人だからってつらい思いした。何かあるたびにしょっちゅう言われていたんですよ。いったい俺が仲間と思った奴は何だったの？って。そういう差別って言うか偏見あるしね。在日って事で応援はしていましたよ。

―――あともう1つ。大阪という街が一緒だということでさらに親近感がわきますか？

秋山　どこだったんですか？

前田　生まれたのは大正区だけど、弁天町とかそっちのほうで育った。

―――大阪と言っても広いですからね。

前田　鶴橋って言えば、韓国人商店街。

秋山　僕はそこで生まれ育ったんです。

―――前田さんのお父さんはすごく恐い方だったんですよ。

前田　うちの親父は、うちの家の前が学会。集会があると、“あきら、この前買ってやったバット持って来い！！”って言って、それもって隣の家に乗り込んでいってガチャーン！　バチャーンって…パトカー10台くらいきて凄いことになったんですよ。激しい父親でしたね。

秋山　昔の時代って感じですよね。今そんな熱い人いないですからね。

―――大阪時代に、やんちゃな話って秋山選手の時代はありました？

秋山　地域自体がヤンチャな地区でしたからね。生野区って言ったら、昔からやんちゃな子が多かった。でも、競っていたっていうか、そういうぶつかり合いはなかったですね。時代も時代ですからね。とくに今は皆おとなしくて。

―――元気があんまり感じられない？

秋山　景気にもよるのかなって思ったりしますけどね。比較的に大阪めっちゃ寒いですもんね。帰ると寂しいですよ。周りにも美味しいご飯屋さんがたくさんあったんですけど、移転したり閉店しちゃったり。

―――お二人は久々にお会いするんですよね？　前田さんの六本木での結婚式以来ですか？

秋山　そうですね。結婚式は会ったうちに入らないから。

―――こうやってゆっくり二人で話をするのは久々ですか？

秋山　はい。こうゆう形で話すのは初めてですね。

前田　去年、秋山にリング上で時計くださいって言われてドキっとしたんだよ。何年か前に俺から秋山に“試合に勝ったらロレックスの腕時計を買ってやるからな”って言っちゃって。

秋山　試合に勝ったら買ってくれるのかと思って、勝った後に前田さんのところに電話して、“買ってくださいよー”って(笑)そしたら“吉田（秀彦）とやったらな！”って言ったじゃないか！って言われて。で、また次の試合に勝って電話すると“吉田って言ったじゃないか！”って(笑)

前田　いつも会うたびに言われるの。昨年、“吉田先輩、僕と戦ってください”って秋山がリングで宣言したときに内心、ドキってしたんですよ。

―――ただ、秋山選手が「UFC」への参戦を決断されたので実現は数年先に見送りですね。

続きは本誌『リアル・バトルトーク』４号をお読みください

リアルバトルトークREAL BATTLE TALK
定価５００yen
no.04
コンテンツ
第1弾！！
前田日明＆秋山成勲CROSS INTERVIEW
激白！！　HEROS時代の思い出と今の日本国内MMAに迫る！！
第2弾！！
人気急上昇！！
長島☆自演乙☆雄一郎＆電通マン大渡博之
長島選手の初電通訪問秘話に迫る！！
D7フェザー級トーナメント
ついに開幕！！
INTERVIEW
高谷裕之　今成正和　所英男　前田吉朗
戦極フェザー級快進撃スタート！！
日沖発　
THE OUTSIDER第5戦
出場選手大特集！！
アマがプロを凌駕するパフォーマンス集団！！
ケージフォースライト級タイトルマッチ無念のドロー
井上克也
エンセン井上激白
今の格闘技事情と彼が関わる今後の展望！！

次号予告！！
リアル・バトルトークVOL.05（モッツ出版刊）
5月25日発売（予定）
なんとなんと、格闘技専門誌に世界の北野武登場！！
前田日明×北野武
戦極 DREAMフェザー級特集
etc

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