柳本ジャパンが試すべき策とは=ヨーコ・ゼッターランドが語るバレーW杯
北京五輪出場権を懸けたW杯が開幕 【坂本清】
この2〜3年は、各国とも新旧選手の交代によるチームづくり、中国の司令塔である馮坤を除いて安定したセッターの養成に悩みを抱える様子が見受けられたが、さすが、五輪前年のこの時期までには7〜8割方の仕上がりを見せてきている。アテネ五輪後の試行錯誤の形跡がまだとれていない部分もあるが、来年までにはそれも解消されそうな気配が漂っている。
さて、日本はここまでドミニカ共和国、韓国、セルビア、タイそしてイタリアと戦い、3勝2敗。セルビアとイタリアに黒星、韓国には勝ったものの1セットを奪われた。またドミニカとタイにはストレート勝ちを収めている。現在のところ一つ白星が先行しているが、今後強豪国との対戦が控えていることを考えると、不安な気持ちをぬぐい去ることができない。
第1戦:白星発進のドミニカ戦
ベテランと若手で構成されたドミニカは、高い位置(レベル)での安定性は望めないが、突如として17〜18歳の選手が大爆発して金星につながる試合をすることがある。しかし大会序盤では、それはあまり期待できない。日本は立ち上がりで苦戦したが、第2、第3セットは無難に収めた。分析はしていても未知の部分を残すドミニカを封じ込め、白星スタートできたことは全体的な戦略として良かったと考えられる。ただ長期的なスパンで両チームを比較した場合、北京五輪後のドミニカは日本にとって今日以上に警戒しなくてはならない要素を多分に秘めているという印象を強めた1戦だった。
第2戦:ストレート勝ちがほしかった韓国戦
厳しい見方かもしれないが、日本はこのW杯で白星を挙げられる相手に対しては、ほぼ完ぺきな試合内容でいくことが必要だ。どのチームでもどんな時でも必ず課題は残る。しかし、その課題には不安が含まれないことが重要だ。