フェデラー、勢いのある若手を相手にどう戦う?=テニス・マスターズカップ見どころ

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マスターズカップ3連覇のかかるフェデラー。元世界ランク1位の実力を見せることができるか? 【Getty Images/アフロ】

 11月9日から16日まで、男子プロテニスツアーの頂点「ATPテニス・マスターズカップ」が開催される。会場となる上海での開催は今年で最後(来年はロンドン)。今シーズンの終わりを優勝という形で締めくくることができるのは、一体どの選手になるだろうか?

大会のシステム&組分け

 まずは大会のシステムを説明したい。この大会に出場できるのは、「ATPチャンピオン・レース」での獲得ポイント上位8人の選手のみ。「ATPチャンピオン・レース」は1月1日からのツアーでの獲得ポイントが対象となるため、純粋にその年に活躍した選手が選ばれる仕組みとなっている。選ばれた8人の選手は抽選により、レッドとゴールドと銘打った2つのグループに4人ずつ振り分けられる。通常のトーナメントとは違い、選手達はこのグループで総当たり戦を行い、上位2選手が決勝トーナメントへ進む。

 出場選手とグループ。(カッコ内数字はシード番号)

<レッドグループ>
ロジャー・フェデラー(スイス=1)
アンディ・マレー(イギリス=3)
アンディ・ロディック(米国=5)
ジル・シモン(フランス=8)

<ゴールドグループ>
ノバク・ジョコビッチ(セルビア=2)
ニコライ・ダビデンコ(ロシア=4)
ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス=6)
ホアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン=7)

勢いのある若手2人は結果を残せるか?

 現在世界ランク1位であるラファエル・ナダル(スペイン)は、ひざの負傷のため欠場となってしまった。しかし、ランク2位のフェデラーを始め、まさに世界のトップに君臨する8人が出場することになる。

 レッドグループの注目は、第3シードのマレー。フェデラーに敗れた9月の全米オープン決勝以降、14試合連続勝利を達成しており、今シーズン後半で最も勢いのある選手の一人である。様々な相手に対応できるメリハリの利いたテニスは、総当たり戦となるこの大会で優位に働くだろう。

 ゴールドグループでは、20歳のデルポトロに期待が集まる。全米オープンでの錦織圭(ソニー)との対戦が記憶に新しいが、今シーズン序盤には50位前後だったランキングが、一気に8位にまで大躍進し、周囲を驚かせている。198cmの長身と長い手足から繰り出される強烈なスピンボールは、上位の選手を苦しめるだろう。

フェデラーの連覇は? ダークホースはツォンガ

 では、今大会で3連覇、そして通算5度目の優勝を狙うフェデラーは?
 今年の序盤は、昨シーズンまでの偉業が信じられないような不調に陥っていたフェデラーだったが、全米オープンでは5連覇を達成し、あらためてその強さを証明した。
 しかし、これで完全復活かと思われた矢先、先日のパリ・マスターズでは、準々決勝で腰の痛みのため途中棄権。回復の度合いが気になるところだが、大会を盛り上げるためにも是非とも元気な姿を見せてもらいたいものだ。

 また、ダークホースとしてはツォンガを一押しする。今シーズンの全豪オープンでセンセーショナルなパワーテニスを披露したツォンガ。このマスターズカップの出場権争いでも、最後のパリ大会でダビド・ナルバンディアン(アルゼンチン)を決勝で下し、初のATPマスターズ・シリーズタイトルを獲得。そして、マスターズカップの最後の出場権を奪っているだけに、目が離せない存在である。

<了>
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