クラブを彩ってきた象徴的な番号の足跡 横浜FMの背番号にまつわるストーリー
伝統の背番号10
中村俊輔の10番など、横浜FMの歴史を象徴する番号がいくつか存在する 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】
オールドファンならば、木村和司の10番、水沼貴史の8番、金田喜稔の7番など、その印象は今でも強烈に残っているはずだ。
中でも木村和司は、その後の10番の伝統を作ったと言っても過言ではない選手だった。現在の横浜FMで背番号10を背負う、言わずと知れた中村俊輔をはじめ、高卒新人ながら10番を託された現スタンダール・リエージュ(ベルギー)の小野裕二、日本代表でも10番を背負った山瀬功治(現京都サンガF.C.)、1996年のアトランタ五輪で“マイアミの奇跡”を起こしたチームで10番をつけた遠藤彰弘、ボリビア代表の司令塔だったフリオ・セサル・バルディビエソ(現ボリビア代表監督)と、横浜FMの10番は、武器は違えど、そのプレーでチームとサポーターを鼓舞できる推進力を備えた選手がつけてきた。
横浜FMの背番号10の重要性を垣間見られるまことしやかなエピソードがある。95年、まだ背番号が変動制だったころ、ある試合で弱冠18歳で加入1年目だった松田直樹が、たまたま空いていた10番をつけた。憧れの番号を手にして上機嫌だった松田に向かって、木村和司が「マリノスの10番も軽くなったもんだ」とチクリと言うと、松田はその場で震え上がったという。
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