体を動かすって素晴らしい! 運動がもたらす効果と正しい姿勢

青山剛

【青山剛】

 皆さん、はじめまして! ランニングやトライアスロン、ダイエットなどをコーチングしている青山剛です。これから「スポーツナビDo」でランニングを中心に、正しく、楽しく、体を動かしていくための指導をさせていただきます。よろしくお願いします。

 私が日々行っている「パーソナルコーチング(TeamAOYAMA)」のメンバーは、年齢、性別、仕事、生活環境がまったく異なり、皆さん同様、お忙しい方たちばかりです。年齢層は、20代後半〜40代後半の方が多く、仕事と家庭が最優先。

 ですから、いかに無理なく運動を組み入れて、メリットを生み出すかがポイントです。そのためには「正しく」「楽しく」でなければ、長続きしません。そして、運動がもたらすメリットも、はっきり分かっていなければいけません。

「疲れる」「お金がかかる」…運動のデメリット

【Getty Images】

 さて、運動がもたらすメリットとは何でしょうか?

 まずは、デメリットから考えてみましょう。
(1)時間が取られる
(2)多少、道具などでお金がかかる
(3)疲れる

 などが挙げられます。

 これらはよくよく考えると運動に限らず、さまざまな物事をスタートする時と同じ。しかし、そんなデメリットを吹きとばす、多くのメリットが運動にはあります。

メリットは「仕事もはかどる」「ポジティブ思考に」

【Getty Images】

 私が考えるメリットは
(1)体力がついて疲れにくくなり、仕事もはかどる
(2)体調が良くなり、自信が持てる
(3)病気、ケガが少なくなる、または、そうなっても治るのが早い
(4)汗をかいて気分爽快、ポジティブ思考になる
(5)困難な状況へ立ち向かう力がつく

 などです。このように運動には、本当に素晴らしいメリットが数多くあります。

 ただし、そのメリットを最大限に得るには、先にも言ったように「正しく」「楽しく」行うことが絶対条件です。
 さて、正しく、楽しく動き始めるには、その動き出す前の「スタートポジション」、すなわち「立ち姿勢」が大切です。大切というより、ここで正しい姿勢で立てていなければ、動き続けることもできなくなるばかりか、スタイルを崩したり、ケガをしてしまいます。

正しく立てれば、正しく走れる

 正しく立てれば、正しく歩けるし、正しく走れるようになって行きます。ちょうど駒回しと似ています。正しく軸ができていて、バランス良く作られた駒は、高速でも回りますし、何より長く回り続けることができます。

 では、正しい立ち姿勢とはどんな姿勢でしょうか? まずはご自身の立ち方について、以下の3つの定義に当てはまるかどうか、気にして立ってみましょう。
(1)楽である
(2)安定している
(3)持続できる


 いわゆる、学校体育で習う「気を付け」は、胸を張って、背筋を伸ばし、あごを引いて、手はびしっと指を伸ばして……など。結構「力む」意識が多くあり、実は3つの定義に当てはまりません。だから、気を付けの後は「休め」があります。個人的に言えば、正しい姿勢で立てていれば、休む必要などありません。

 この連載では、後々「ランニング」につなげていくことを目的としていますので、今回は、前に進む上での正しい立ち姿勢の方法を指導していきます。やりやすいように、順序よくいきましょう。

1.足の置き方

【青山剛】

 足を肩幅(こぶし2個分)に広げ、かかとも同じ幅にします。

2.重心

【青山剛】

 かかとを上げて親指に体重をかけた後、やさしくかかとを下ろします。

3.胸周り

【青山剛】

 胸を「開く」ために、鉄棒を首の後ろに引くイメージで、腕を3回上下してから静かに下ろします。

4.肩周り

【青山剛】

 肩を耳に付くぐらいまで上げて、そして下げてを3回行います。

5.首周り

【青山剛】

 首を左右に最大限大きく3回振り、前を向きます。

6.骨盤

【青山剛】

 最後に、手で骨盤を握って、やや前傾させます。

7.正しい立ち姿勢

【青山剛】

 手を下ろし、正しい立ち姿勢完成です。
 これで前に進む上での正しい姿勢が完成。この姿勢が普段と違う、違和感があるという方は、日ごろから悪い姿勢になりがちな証拠です。

 特に、現代人の生活は体の前方で手先を動かす姿勢が多く、背中が丸くなり、胸も閉じ、首も前に出ていることが多くなります。その代表格が、パソコン作業の姿勢です。特に4と5の動きは、座っている姿勢でも行うと効果的ですよ。

 正しい立ち姿勢はスタイルアップにもつながり、ケガの予防にもなるし、周りにも好印象を与えます。まずはこの姿勢をマスターして、次回からは正しく動き始めましょう!
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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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