佐賀記念2着のシンメデージー(高知)と吉原寛人騎手が参戦!狙いは5番枠より外/佐賀・はがくれ大賞典データ分析
3月30日佐賀6レース 18時15分発走予定
全国各地から中長距離が得意な馬が集う一戦。東京ダービーやジャパンダートクラシックで地方最先着のほか、先月の佐賀記念でJRA馬に交じり2着だったシンメデージー(高知)が今年は参戦。さらにJBCクラシック4着のシルトプレや南関東からの遠征馬など豪華メンバーが揃った。
ここでは2015年~24年の過去10年のデータを元に分析する。
兵庫勢が最多6勝も、カラクリが
勝ち馬は4番人気以内から
一方で、単勝1倍台の1番人気が4着以下に敗れると3連単は万馬券となり、過去10回で最高額配当は23年20万3330円(3番人気→5番人気→4番人気)だった。
好位~中団で脚を溜められる馬
5番枠が絶好枠!内枠は要注意
内枠で唯一勝利を挙げる1番枠も実は一昨年までの過去9回では未勝利だった。それが、昨年は重賞4勝の実績を持つセイカメテオポリス(大井)が最内枠に入り勝利。鞍上・吉原寛人騎手(金沢)が好ダッシュをつけ、逃げ争いとその後続の間にわずかなスペースができるやいなや、馬に負担をかけることなくスッと外に誘導した騎乗もお見事だった。スタートしてからわずか12秒ほどでの場面。さすが全国各地の重賞で引っ張りだこな人気騎手という騎乗だったが、裏を返せばそれだけ人馬共に実力が抜けていないと内枠克服はハードルが高いということだろう。
4歳馬シンメデージーの可能性は?
ただ、はがくれ大賞典においては4歳馬の出走はそう多くはなく、過去10回は未勝利。前年の九州ダービー栄城賞を勝ったキングプライドと、前年の兵庫ダービー馬スマイルサルファーの2着が最高だった。しかし、ダートグレード競走で3着以内に入った実績のある4歳馬の参戦は今回が初めてで、単純にデータに当てはめるのは早計かもしれない。
なお、最も勝利を挙げ、勝率、連対率、3着内率いずれも高いのは5歳馬だった。
初の58kgを背負う馬
南関東馬を狙うなら直近5走に注目
まずは最も勝利を挙げる兵庫所属馬など西日本の実績馬を対象としたのが「白鷺賞3着以内」。白鷺賞は1~2月に姫路競馬場で行われる重賞で、当レースと同距離。1周半するコースも当レースと似ており、親和性が高いと思われる。20年に復活した重賞レースのため、過去5回のデータとはなるが、23年白鷺賞3着だったグリードパルフェ(高知)はその後、当レースを勝った。
地元馬を対象としたのは「前走・佐賀2000mで1着」。距離実績のあるのは一つのアドバンテージとなる。
そして一昨年から参戦が見られる南関東馬を対象としたのは「南関東の2000m以上で1着、または重賞2着以内(いずれも直近5走以内)」で、南関東馬で3着以内に入った全頭が当てはまった。
データからの推奨馬は?
②先行、差し馬
③5番より外枠(5番だとなお良し)
④5歳馬
⑤白鷺賞3着以内、前走・佐賀2000m1着、南関東所属馬で地元2000m以上で1着or重賞2着以内(直近5走)
まずは何と言ってもシンメデージー(高知)。昨年は東京ダービーJpnI4着、ジャパンダートクラシックJpnI5着とダート三冠でJRAや南関東の馬に混ざって地方最先着を果たすと、初の古馬戦となった暮れの名古屋大賞典JpnIIIでクビ+4分の3差の3着。さらに前走は佐賀記念JpnIIIで2着だった。名古屋大賞典は4コーナーから直線で望む進路を取れず砂の深い所を走らざるを得ず、佐賀記念はスローペースと展開が向かなかった面はあるが、直線では必ず伸びてくる。唯一不安点を挙げるとすれば、佐賀記念での走破タイム2分9秒1(重)で、過去のはがくれ大賞典の勝ちタイムとそう変わらないこと。ただ、今年の佐賀記念はいつも以上に内を大きく空けて走っており、その分の距離ロスを考えればタイムはそこまで気にしなくていいかもしれない。いずれにしても実績は出走馬中ズバ抜けている。①②③に当てはまる。
オディロン(兵庫)はJRA時代にリステッドで4着が3度ある馬。兵庫移籍後は2連勝中で、前走・白鷺賞を勝って重賞初制覇を果たした。長い距離での活躍が期待される馬で、兵庫所属馬も当レースは好成績。鞍上の吉村智洋騎手(兵庫)は大晦日のレース中に落馬し休養していたが、今週25日に復帰初戦で勝つと、翌日には騎乗機会4連勝を果たすなど早速活躍している。成績が芳しくない内の3番枠に入り、腕の見せどころだろう。①②⑤に該当。
地元大将格はシルトプレ。JBCクラシックJpnI4着までは北海道所属だったが、レース後にそのまま佐賀に移籍し、年末のファン投票重賞・中島記念を制覇した。前走・佐賀記念ではスローペースを嫌ってか後方から早めに動く形になり6着だったが、地方馬同士ならある程度前目のポジションを取れるし、昨夏のJRA札幌で4着だったエルムステークスGIIIのように後方から末脚を伸ばすこともできる。①②に該当。
好枠の5番枠に入ったのはデルマルーヴル。メンバー中、唯一の58kgを背負うが、2走前に経験した斤量だ。移籍初戦は後述するコスモファルネーゼから5馬身差の2着だったが、実績から巻き返しも十分あり得る。
「前走・佐賀2000m以上で1着」に唯一当てはまるのはコスモファルネーゼ。ただ、2走前の白鷺賞は12着に敗れており、そこから考えるとどうか。
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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