いま最も勢いのあるフレッシュマン。その姿、壮大で颯爽と走る馬のよう
いま、リーグワンで最もフレッシュで勢いのある選手と言って異論はないだろう。
アーリーエントリーながらすでに5試合に出場している松本壮馬が、チームに新風を吹き込んでいる。前々節・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦で挙げた初トライは衝撃的であった。右サイドを駆け抜けて渾身の雄叫びを挙げた直後、秩父宮ラグビー場の大型ビジョンに映された14番の顔からは、大量の血が流れ出ていた。
「その前のプレーのラックの中で誰かのひざあたりが当たって切れてしまったと思います。だから、トライのシーンはあまり覚えていないです。血が出ていて『ヤバい』と思ったらボールがきた感じだったので。でも、トライの瞬間は『よっしゃー!』と思いました」
そして、傷も完全に癒えぬまま出場した前節・三重ホンダヒート戦では2トライを奪い、逆転勝ちの立役者となる。「めっちゃうれしかったです」と、リーグワンで初めて勝利の瞬間を味わった。
プレースタイルは、まさに壮馬の名前そのものと表現するのが相応しい。ボールを持てば、大胆に颯爽とグラウンドを駆け抜け、ディフェンスとなれば力強いタックルで相手を止める。本人は「由来は聞いたことないですけど、“壮大な馬”みたいな感じですかね」と笑った。その歩みは、まだまだ学びの連続だという。
「手ごたえというよりも勉強の毎日です。でも、そうやっていろいろと新しいことを学べて楽しいです。いい時間を過ごせていると思います」
ウイングを務めていたこれまでの5試合とは異なり、今節は本職のセンターでの出場となる。
「ウイングをやったからこそ分かることもあるので、フィジカルを押し出すスタイルは変えずに、センターではスマートに周りを生かすプレーをしていきたいです」。
いまかいまかと、杜の都での一戦を松本壮馬は爪を研いで待っている。
(須賀大輔)
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