今季ベストゲームの背景に、それぞれが意識した“激しさ”というトヨタVらしさ
怒とうのアタックだった。キックオフから1分足らずでラインアウトの流れから中央を切り裂き、ジョシュ・ディクソンが先制トライを奪うと、前半5分と同11分には彦坂圭克が連続トライ。すべてのコンバージョンゴールも成功させ、わずか12分で21点のリードを奪った。結果的にこの電光石火のトライラッシュが、約1カ月半ぶりの勝利を手繰り寄せた。
試合後の会見、スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ/D.O.Rは開口一番に選手たちを称えた。「特に前半の20~30分間は3トライを獲得し、ボールを大事にして、いいディフェンスもできていました。今季の中でも非常にいいラグビーができたのではないかなと考えております」。そして、勝つために重要としていた、“ボールを大事にすること”と“ボールを奪い返すこと”に対しては「今季の中でもベストでした」と目を細めた。
その“舞台裏”を明かすのは、この苦しい期間、負傷離脱する姫野和樹に代わりゲームキャプテンを務めることが多かった彦坂だ。会見中、真横でヘッドコーチの言葉を聞いていた2番は「この1週間、『トヨタVのラグビーをしっかりと自分たちで体現しよう』『(特定の)誰かではなく、一人ひとりがトヨタVのラグビーである激しさを出していこう』と言っていました」と語り、自らが先頭に立ってその言葉を体現するかのように今季初の1試合2トライでプレーヤー・オブ・ザ・マッチにも輝いた。
「うまくいかないことが続いていたので(この勝利は)本当にうれしいです。これを1回で終わらせずに積み重ねていけるように頑張っていきたいです」
後半戦の巻き返しへ。JヴィレッジスタジアムでトヨタVの反撃への号砲が確かに鳴り響いた。
(須賀大輔)
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