【オリックス】キャンプで奮闘中! 安達了一コーチが描く指導者像 「選手の安心材料に」
◆くたくたの毎日
選手の時とは全然違うキャンプです。考えていることも、ものごとの見方も全く違います。
自分の脳内のハードディスクを限界まで使っていて、毎日疲れてくたくたです。それでも自分はまだまだだと感じています。
――特にどんなところが大変ですか?
選手時代は自分のことだけを考えていれば良かったんですが、当たり前ですがコーチは選手とチームのために動かないといけません。
直近の練習スケジュールを完全に頭に入れた上で、次はどんな練習メニューを取り入れるべきかを考えたり、常に先を見据えて行動したりしないといけないですから。周りのコーチの話を聞いて、勉強しながらの毎日ですね。
――今一番難しいと感じているのはどんなことですか?
一番は伝えることだと思います。中嶋前監督も僕に発信力が必要だとおっしゃっていたのですが、言葉のチョイスとか伝え方とかがすごく難しいです。
――どんなことを伝えるのが難しいですか?
選手に細かいプレーの動きを伝えるにしても、どう説明すればうまく伝わるのかを考えないといけないです。
こう言ったらわかりやすいんじゃないかと思っても、選手によって捉え方が違いますし。この選手、全然話わかってないかも!みたいに感じるときもあります。
それこそ、個人の気質や性格を理解した上で伝えられると良いんですけど。そこはまだまだですね。いやー、考えすぎるとしゃべれなくなってきますけどね(笑)。
◆寄り添えるコーチに
率直にすごく難しい仕事だろうなと思いました。去年1年間兼任コーチとしてコーチ業に携わってきて、それをすごく感じていたので。
それでも声をかけていただいたからには、やらせていただこうと思いました。病気になった時に守ってくれたのも球団ですし、助けてくれたこの球団で恩返ししたいと思いました。
――理想とするコーチ像はありますか?
選手にとって頼りになる、安心材料になるコーチが理想です。「ここに安達さんがいたら安心だな」と思ってもらいたいです。
現役時代、自分がお願いしたら練習に付き合ってくれるコーチの方がいて、すごくありがたかったんです。僕は病気のこともあったので一人で動くことも多くて。そんな時に何も言わずにバッティング練習や守備練習のサポートをしてくれた方に本当に感謝しています。そんな風に選手に寄り添えるコーチになりたいです。
今の僕は、選手目線とコーチ目線の両方がわかります。距離感にメリハリをつけながら、うまく選手の力になっていきたいです。
――引退セレモニーの時には、紅林弘太郎選手に「自分がチームを引っ張ってくれ」とエールを送っていました。あの言葉にはどのような思いがありましたか?
早いうちから「チームを引っ張っていくぞ」という意識を持っておいた方が、視野が広がるし試合の見方も変わると思うんです。
これから中堅、ベテランになるにつれて、周囲も自然とそれを求めるようになってくる。その時にそれがすでに身についているとすごく楽です。
僕は現役最後の方に意識したのですが、今の立場になって改めて大事なことだと実感しています。紅林には早い内から気付いてもらえたらいいなと思って言いました。
――キャンプでの紅林選手を見ていていかがですか?
少し変わってきたように思っています。ノックの時の姿勢も良いですし、ちゃんと集中している感じがありますね。
◆コーチャー「責任の重い仕事」
これもまたむちゃくちゃ難しい。今までノックは全く打ってこなかったので。秋のキャンプの時に初めて打ちました。実戦みたいな打球にしたり、取りやすい打球にしたり、状況によって勢いや打ち方を変えることも意識してみてはいるのですが…、まだまだですね。試行錯誤しながらです。
――試合ではランナーコーチャーも務めますね。
はい。コーチャーって皆さんご存じの通り、すごく大事なんです。当たり前ですけど、正確な打球判断をしないといけないですし、選手の走力もわかっておかないといけない。盗塁も踏ん切りをつけないといけないですし…。難しくて、責任の重い仕事です。
正直不安しかないのですが、自分のできることを精いっぱいやるだけです。選手の時とは全く違う試合の見方をすることになると思います。
◆キャンプでリフレッシュ
ゴルフですね。 鈴木(鈴木昂平コーチ)、比屋根(比屋根彰人ブルペン捕手)たちと行きました。僕は全然上手くないんですけど(笑)。楽しかったですね。また行くつもりです。
――他にも楽しみはありますか?
宮崎にはシャン鍋や洋食系のおいしいお店があります。宮崎グルメも味わいつつ、適度にリフレッシュしながらコーチの仕事を頑張りたいと思います。
――最後にバファローズファンにメッセージをお願いします。
コーチとして少しでもチームを強くできるように頑張ります。これからもバファローズの応援をよろしくお願いします!
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コーチ業の難しさを感じながらも、現役時代と変わらない熱い思いで選手を後押しする安達了一コーチでした。キャンプ地でチームのために汗を流す安達コーチにもご注目ください。
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