【物語りVol.134】リーグワン第8節プレビュー「赤と青を身にまとい、秩父宮で会いましょう」
「ビッグゲームのプレッシャーとどう向き合うか」
2月15日に秩父宮ラグビー場で行なわれるNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2024-25 第8節、東京SGとの府中ダービーを2日後に控えた13日、トッド・ブラックアダーHC、リーチ マイケル主将、リッチー・モウンガ選手がメディアの取材に応じました。
トッドHCは、この日午後に開かれた定例記者会見に登壇しました。
「サントリー戦をチーム一同楽しみにしています。府中ダービーは毎年毎年、お互いのベストを出し切れる戦いになります」
前節の埼玉WK戦は、28対28で引分けました。結果をどのように受け止めているか問われると、トッドHCは「ビシッ」という音がするような口調で答えました。
「コーチ陣も選手たちも全員がまったく同じ感覚で、あの試合は勝つべき試合だった、勝てるチャンスを逃したと思っています。もちろん、負けなかったことへの喜びも多少はありますが、それ以上に勝てなかったことへの落胆が大きいです」
そのうえで、埼玉WK戦は「ものすごく自信になった部分があった」と位置づけています。
「たとえば、僕らの弱みを相手がしっかりと突いてきてくれたことで、ここを修正すればさらにレベルアップできるのだな、という自信を得ることができました。同時に、自分たちの強みとしてきた部分、やってきた部分を出せば、どんな相手に通用することも再確認できました」
東芝ブレイブルーパス東京にとって、府中ダービーは4試合ぶりのホストゲームとなります。「ホストゲームはすごく久しぶりな感覚です」と、トッドHCは笑みを浮かべます。
「ホストゲームでは、僕たちを応援してくれるみなさんに、いつも素晴らしいサポートをいただいています。今週の試合も、すごく楽しみです」
東京SGは開幕から4試合連続で未勝利でしたが、5節からは3連勝と調子をあげています。トッドHCは「サントリーをすごくリスペクトしています」と話し、試合を展望していきます。
「サントリーは苦しい序盤もありましたけれど、それでもめげずにしっかり調子を戻してきています。レジリエンスを見せています。それと、東芝に似てすごくポジティブなラグビー、見ていて楽しいラグビーをしている。そういったことが、彼らをリスペクトしているところにつながっています」
試合のポイントには「セットピース」をあげました。
「サントリーはセットピースがすごく安定しているので、まずそこでしっかりと戦う。あとはビッグゲームなのでプレッシャーがかかると思いますが、そのプレッシャーをどちらがしっかり受け止めて前へ進めるか。どちらがプレッシャーに負けてしまうか。そこの勝負で、勝敗が分かれるのかなと思いますね。素晴らしいラグビーの試合が、どういうものなのかをお見せできると思います」
記者会見の最後には、「では、土曜日に秩父宮で会いましょう。お洋服は赤と青で。メディアのみなさんも(東京SGの)黄色はなしでお願いしますね」と笑いを誘いました。東芝ブレイブルーパス東京のチームカラーに染まったスタジアムで、トッドHCに率いられた選手たちが躍動することでしょう。
「どんどんタックルして相手を止めたら自分たちのリズムに」
「府中ダービーは年間スケジュールで一番の試合。それに向けていいメンタリティで準備をしています」と意欲を示します。
6節から静岡BR、埼玉WK、東京SGとタフなゲームが続いています。リーチ選手は「スケジュールを見れば、それはもう分かっていたことです」と、気に留めていません。「そのなかでも、府中ダービーは一番の盛り上がりにしたい」と言葉に力を込めます。
昨シーズンは3度の対戦すべてで勝利を飾りました。リーチ選手は「3回勝ったのは大きい」と言いつつも、「去年は去年、今年は今年です」と引き締まった表情を浮かべます。
「ワイルドワイツ戦はディフェンスが良かったので、サントリー戦でもチームとしてタックル1000回を目ざします。相手は調子が上がってきているし、ボールが早く出るとサントリーらしくなる。自分たちはディフェンスで、どんどんどんどんタックルして相手を止めたらいいリズムになると思います」
コンディションについて問われると、「良くなっています。だいぶ回復しました」と答えます。ただ、復帰後はキッカーを務めていません。
「いまのところゴールキックは痛みが出やすいので蹴っていませんが、(松永)拓朗が調子良くやってくれています。彼にゴールキックは任せつつ、自分のやれることをしっかり遂行することが、いまのベストかなと思っています」
その言葉どおりに、埼玉WK戦ではトライにつながる素晴らしいランも見せました。熱戦を繰り広げたチームのパフォーマンスについて聞かれると、「グッドゲームでした」と振り返ります。
「パナソニックはみなさんご存じのとおりいいチームで、リーグワンのベンチマーク(基準)を設定してくれているチームだと思っています。その相手に対して勝てなかったのはちょっと悔しいですけれど、最後まで突き放されたりせず、拮抗した状態で試合を終われたのは良かったと思います」
府中ダービーがどのような意味を持つのかも、もちろん理解しています。引き締まった表情で話します。
「ここで過ごしていくなかでみんなから話を聞いたりして、府中ダービーについてもどんどん理解していきました。サントリーはリーグワンのどの相手と戦っても勝てるくらいに、力のあるチームです。いつも強度が高い試合になるし、お互いのライバル関係もありますので、今回もすごく面白い試合になるのでは。ブレイブルーパスのファンの人たちにも、喜んでもらえると思っていますよ」
激戦必至のバトルは、15日14時05分に幕開けとなります。
(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)
ぜひ会場で皆様の熱いご声援をよろしくお願いします!!
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ