ニュージーランド仕込みの肉体を武器に、いざ、S東京ベイのボムスコッドが出動する

【©ジャパンラグビーリーグワン】

ボムスコッド――。

直訳すると「爆弾処理部隊」。南アフリカ代表の当時のヘッドコーチ、ラシー・エラスマス氏がラグビーワールドカップ2019日本大会で通常の5人よりも多い6人のフォワード選手をリザーブに置き、その破壊力から「ボムスコッド」と呼んだことに由来するという。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)でその任務を託された男がいる。高校時代に片手でリンゴを握り潰した怪力プロップ、紙森陽太である。

「前半のメンバーが生んでくれた勢いをボールキャリーやブレイクダウン、セットピースでさらに加速させるのが僕らの役割です。開幕戦では(ボムスコッドとして)いい内容を残せたと思っています」

昨年夏、紙森は加藤一希とともにニュージーランドでの武者修行を経験。多くのニュージーランド代表オールブラックスを輩出している強豪チーム、ウェリントン・ライオンズに期限付きで移籍し、同チームのニュージーランド地区代表選手権優勝に貢献。現地で日本とは異なるラグビー文化に触れた。

「例えば4日間練習があるとすると(3日目の)中日は休日になるのですが、その中日にもグラウンドに出て、疲労が残らない程度のスキル練習を行うんです。ウエイトトレーニングのセット間のインターバル中にもパスを回すなど、ハンドリングスキルをとても大切にしている印象を受けました。僕も帰国して以降、練習の中日もグラウンドに出てボールを触るようにしています」

また、自分よりも一回り巨大な選手たちと骨がきしむようなコンタクトを繰り返したことで得た自信もある。

「コンタクトの衝撃が(国内の試合とは)まったく違いました。ただ、そうした衝撃にも慣れたと言いますか、怖がることなくタックルにもいけるようになりました」

今節、1月12日に秩父宮ラグビー場で行われる東京サントリーサンゴリアス戦。紙森はこの一戦にリザーブとしてメンバー入り。ボムスコッド出動のときがきた。

「インパクトを与えて、いい形でフィニッシュできるよう、自分の役割をしっかりと遂行したいと思います」

今季のS東京ベイの戦いで特に目を引くのが後半戦の破壊力と得点力。ニュージーランドで体得した学びと強度を高めた肉体を武器に、紙森は粛々とミッションを遂行する。

(藤本かずまさ)
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