1年ぶりの勝利も、見据えるは次の1勝。自分たちのラグビーを信じて実行するだけ

【©ジャパンラグビーリーグワン】

中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)は前節のルリーロ福岡戦で39対17の勝利を収めた。昨年1月27日のマツダスカイアクティブズ広島戦以来、プレシーズンを含めて約1年ぶりの白星となった。

勝利に飢えていた。昨季は接戦を演じて「いい試合だった」と言われることも増えた。だが、シーズンを通じて1勝で終わり、共同キャプテンの西川太郎は、「もう“いい試合”はいらないんですよ。スポーツの醍醐味は勝ってなんぼだし、僕らも強くなるために練習をしているし、いい試合ではなく勝つためにやっている」と勝利への意欲を募らせていた。

勝てなかった約1年間、チームを引っ張る西川は「何が足りていないのか」と何度も考えてきた。ただ、劇的にチームが変わるような答えはない。毎日グラウンドで仲間と同じ意識をもって地道に汗を流すしかないのだ。

「毎回の練習で頭を使って、考えてやらないと絶対に勝てない。ただ練習をやるだけじゃなくて、何のための練習か、どういうアタックやディフェンスをしたいのかを一人ひとりがしっかり意識してやれば、結果がついてくる。そのためのチームへの声かけは意識していたし、僕だけしゃべっていても意味がないので、それぞれのリーダーを頼りながらチームに浸透させていきました」

前節はそうした練習の成果がかみ合って勝利をつかんだ。西川は、「ブレイクダウンでしっかり圧力をかけて、相手にいいテンポでボールを出させないように練習でフォーカスしてきた。そうしたディフェンスができていたので結果につながった」と胸を張り、「1年ぶりなので安心したし、今回勝てたことで自分たちはディフェンスのチームで、自分たちのラグビーをすれば勝てるという自信になった」とチームを再認識できた。

中国RRにとって大きな1勝だが、これはスタートラインに過ぎない。さらに結果を求めるチームの雰囲気を西川は感じている。

「勝ったときは意外とあっさりしていて、喜び過ぎず、みんなが次をみていたところが僕は良かったと思う。もちろんうれしいけど、これが始まりだし、チームとして『この勝ちから得られるものを吸収してもっと勝っていこう』というマインドでやれている証拠だと思う」

次は開幕2連勝中のヤクルトレビンズ戸田との対決。「1勝で終わったら昨季と一緒だし、何の意味もない。しっかり準備して勝ちを積み重ねていきたい」と西川は気を引き締める。

「強みであるディフェンスを出して流れをつかめれば、絶対に結果はついてくるので、もうやるしかない。いまは勝てるチームになる過程だと思うし、そういうチームでプレーできるのはすごくうれしい」

勝利を求めて地道に流してきた汗はチームを変えていく。あとは自分たちのラグビーを信じて実行するだけだ。

(湊昂大)
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