戦列復帰の田村煕が本当の意味での開幕へ。王者相手からの1勝をつかみ取る
【©ジャパンラグビーリーグワン】
浦安DRに頼もしい男が帰ってくる。開幕戦での脳振盪の影響で戦列を離れていた田村煕が今節で復帰。チームを司る10番として先発のピッチに立つ。
外から見ていた2試合を振り返り、田村は端的にその感想を口にした。
「まだ弱い」
短いながらに強烈なこのワードが一体何を指すのか。田村はすらすらと言葉を続ける。
「ゲーム中に自分たちで立て直せないところがまず弱さとしてありますし、1試合、2試合と負けたあとのトレーニングに影響が出てしまうことも弱さだと思います。ただ、これはある程度想定していたことでもあるので、今後、自分を含めてチームとしてどういう反応、態度を取っていけるかが大事だと思います」
課題や修正点はまだあるが、決して悲観的な意味での「弱い」ではない。D1の舞台でもしっかりと通用している部分もあるからこそ、田村が指摘するのはメンタル面、いわゆる心の持ちようである。
「スコアを見たらかなり厳しい結果ですけど、見ていて感じたのは、相手どうこうではなく自分たちから崩れているだけ。それを防げたらスコアは違うモノになってくると思うし、どれだけ自分たちで崩れないでできるかですよね。試合を重ねながら、『ただ負けました』ではなく、チームの全員が何かを感じているなら、これから伸びていけると思います」
開幕3連敗の状況で迎える昨年度王者との一戦を前に経験豊富なスタンドオフはリラックスした表情で話した。
「チームにスイッチを入れたいです。勝って喜んでD1に上がったはずなのに、そのD1で負け出したら弱そうな顔をしている……。そうじゃなくて、D-Rocksは乗り出したら強いチームだと思うから、僕がうまくゲームをコントロールしながら、その引き金をどこで引けるかですね」
アクシデントに見舞われ、わずか21分のみの出場に終わった開幕戦から3週間後、ようやく田村煕の今季が幕を開ける。「自分の中ではまだ試合をした感じもないし、やっと開幕したなという思いです。チームとはいい意味でちょっと違う感覚でやりたいですね」。ここで王者相手に特大の1勝を。その導き手になる準備と覚悟はできている。
(須賀大輔)
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