2025ガンバ大阪 編成レビュー

note
チーム・協会
【これはnoteに投稿されたちくわさんによる記事です。】
 あけましておめでとうございます!チームも始動しましたので、去年書いてて楽しかった編成レビューを今年も書きます。つい二週間前に編成展望を書いたばっかりですが、早速の答え合わせ。


去年のやつ

※リンク先は外部サイトの場合があります

編成展望

※リンク先は外部サイトの場合があります

スカッド全体像

25/1/8時点 【ちくわ】

IN/OUT

25/1/8時点 【ちくわ】

年齢構成とポジション分布

25/1/8時点 【ちくわ】




 編成展望で予見した通り今冬はここ数年と比べると静かなオフ。退団選手は少なく主力の流出はチーム始動直前に移籍が発表された坂本のみ。
退団選手のリーグ戦出場時間(割合%) / 1000分以上出場退団選手
 2023 11,563分(34.4%) / 6名
 2024 8,127分(24.1%) / 2名
 2025 3,128分(8.3%) / 1名

 2023年は監督要望が間に合わないので腐らないセンターラインの軸+若手有望株を補強→2024年はプレータイムでジャッジされたコンセプト不適合選手を足切りして監督要望に沿った働き盛りの選手補強で全体の底上げ→新戦力がしっかりベースアップに貢献――というこの2年の進捗によって、スカッドはかなり整理されてきている。

 また新戦力の多くに契約が残っているであろうことを踏まえると、2025のテーマは「ピンポイントでチームの足らずを補える選手の補強」になるだろう。前回の記事では以下のような候補を挙げた。
補強候補のおさらい:
①東口の後釜となる第2GK(優先度:低)
②レギュラー争いを見込めるCB(優先度:高)
③半田の流出に備えた主戦級の右SB(優先度:中~低)
④スカッドに厚みをもたらせる6〜8番(優先度:中)
⑤点に絡めるウインガー(優先度:高~中)
⑥CFとの兼用も見越してクロスに飛び込めるパワーを持ったアタッカー(優先度:中~低)
⑦CF(放出オペレーション次第)

 筆者の目線から優先度を振ったが、優先度「高」としたポジションには②レギュラー争いを見込めるCBとして佐々木 翔悟⑤点に絡めるウインガーとして奥抜 侃志の補強に成功した。特に奥抜は監督自身が具体的な起用イメージを示しており(https://www.football-zone.net/archives/574948)かなり重宝されそうな気配。昨期のウェルトン・山下という組み合わせだと相手を押し込んでスペースがない中での突破に課題があったが、止まったところから緩急で仕掛けられる奥抜の加入はガンバの崩しにかなりのバリエーションをもたらしてくれるものと思う。

 一方で、優先度「中」とした④6~8番の補強はなく、⑥CFとの兼用も見越したアタッカーは唐山・南野といったレンタル復帰でまかなう形になっている。このあたり、序盤戦はあまり課題にならないかもしれないが、ACL2への参加が見込まれる秋以降は中2日が常態化する可能性が高いため、何か問題が出ればすぐに手を打てる状態にしておく必要があるだろう。

 加えて何より大きな課題が昨期終盤目覚ましい成長を遂げた坂本の海外流出である。⑦CF(いわゆる「9番」、いわゆる「デランテーロ・セントロ」)は放出オペレーション次第の補強になるだろうと述べたが、ジェバリ・林大地の稼働状況も踏まえると急激に優先度が上がっていそうな状況。ネクスト坂本として若手の成長にも期待したいところだが、流石のポヤトスも補強要望をほのめかし(https://www.football-zone.net/archives/574977)ている。

 ほな追加補強や!と言いたいところだが難しいのが「外国人枠」「質」の問題。ガンバの外国人枠(厳密にはリーグ戦の外国人出場枠)はすべて埋まっている状況であり、これ以上の外国人選手の加入はマネジメントの難しさからできれば避けたいところだろう。ストーブリーグ序盤では細谷への関心(https://hochi.news/articles/20241130-OHT1T51277.html)が報道されたが、CFは日本人で賄いたい!という方針が伺える。

 もう一つが「質」の問題。頭数でいいなら契約が残っていた鈴木武蔵を復帰させればよかっただけの話で、今回のプロファイルは細谷クラスの軸になれるような選手。目ぼしい選手には当然各クラブのプロテクトがかかっており市場に出る数は限られている。理想は移籍金をかけた主力の引っこ抜きだが、始動日も過ぎはじめている中で軸の放出を容認するクラブは多くないだろうし、そのような取引に乗っかるプレミアムを考えてもあまり現実的ではなさそうだ。

 次善の策があるとすればキャンプ中に一番手から外れた選手の一本釣り。今冬は監督交代も多かったので、序列を組み立てていくなかで構想からこぼれる選手が出てくる可能性はある。ただ「質」の担保は難しくなるだろう。あるいは、マネジメントが難しくなるリスクを呑んで6人目の外国人選手を補強するか。どの選択肢を選ぶにしろ、金銭か・質か・マネジメントか、何らかの「妥協」は必要になってくる。




 いずれにせよ、コンセプトの浸透からなるインテンシティ水準の高さは現状のスカッドでも担保できていると思うし、上位争いに挑めるポテンシャルはあるだろう。ただ、ポヤトス自身が「ゼロからのスタート」(https://www.nikkansports.com/soccer/news/202501070000190.html)と述べた通り、変化し続ける環境で勝ち続けるには成長し続ける組織でいなければならない。もう一段高いところを目指すためのラストピースをどこに見出していくか。マーケットが閉まるまでにはまだ時間がある。




ちくわ(@ckwisb(https://x.com/ckwisb))

※リンク先は外部サイトの場合があります

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

メディアプラットフォーム「note」に投稿されたスポーツに関する記事を配信しています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント