【ダイヤモンドアスリート】第11期認定式・修了式レポート&コメント:日の丸を背負う選手へ!未来へ想いを馳せる

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【フォート・キシモト】

日本陸連は、11期目に入った「ダイヤモンドアスリート」制度の認定式および修了式を、12月5日に東京都内で行いました。
「ダイヤモンドアスリート」制度は、国際レベルでの活躍が期待できる資質を持つ競技者を、中長期的・多面的に強化・育成することを目的に、2014年度に創設。より高い水準の競技力を追い求めていくことと並行して、国際人としての素養や人間性、リーダーとしての資質を高め、将来的に社会の発展に幅広く寄与できる人材に育つことを期しています。
節目となる10年を終え、第11期(2024-2025)を迎えた今年は、認定アスリートとして継続競技者3名と新規競技者1名の計4名が選出されたほか、今期から新設された「ダイヤモンドアスリートNextage」という枠組みで3名の競技者が選出され、全7名でスタートしています。当日は、第11期生のうち5名と、第10期で修了を迎えた3名のうち2名が出席、各選手に認定証・修了証が授与されました。


認定式・修了式の開会に際して、まず尾縣貢日本陸連会長が挨拶しました。尾縣会長は、「皆さんの前には大きな山がある。山頂に通ずる道はいくつもあって、どの道を選んでもいいが、大切なのは、山頂まで登りきること。大きく遠回りして時間をかけて登ってもいいし、このなかには、ストレートに険しい道を登りきる人もいるかもしれない。自分が信じた道を歩んでほしい。そんな皆さんを応援するのが、このダイヤモンドアスリート制度。皆さんには、日本の、そして世界の、陸上のリーダーとなってほしい。自分が本当に多くの人に支えられていること、そうした方々への感謝を忘れずに、大きな希望をもって、のびのびと活動してほしい」と大きな期待を寄せました。

【フォート・キシモト】

続いて挨拶を行ったのは、2014年度に創設されたダイヤモンドアスリートの“仕掛人”でもある山崎一彦強化委員長です。山崎強化委員長は、今夏のパリオリンピック女子やり投で金メダルを獲得した1期生の北口榛花選手(JAL)が、世界一を目指すために自らを変えていった例を示したうえで、第11期生に向けて、「ダイヤモンドアスリートやNextageという名前がつくことで周りの目は変わる。しかし、今、選ばれた時点では、実は皆さんは何もまだ変わっていない。そして、皆さんたちが何もしなければ何も変わらない」ときっぱり述べた上で、「このプログラムは、皆さんが変わるため…競技力を高め、極めて、そして国際人になるためにある。私たちは総勢で、皆さんのこれから挑戦をサポートしていく」と、ダイヤモンドアスリート制度が創設された段階からの変わらぬ強い思いを伝えました。さらに、「ダイヤモンドアスリートまたはNextageに選ばれた人たちは、“何か”をしたら必ず“何か”を自分の力に変えていける。それができることが皆さんの力。だから成功だけでなく失敗も含めて、これからやることすべてが自分の力になる。皆さんには、その力を蓄えてほしい」と話しました。そして、歴代ダイヤモンドアスリートたちにも呼びかけてきた“全力で遠回り”という言葉を示し、「ほかの人たちよりも全力で、すべてのこと、さまざまなことにトライして、遠回りをしよう。そして最後に自分自身の目標や夢を叶えられるようにしてほしい」と鼓舞しました。また、修了生たちに向けては、「まだまだここから。ここから陸上競技は楽しくなるし、一方で、楽しい以上に辛いこともある。でも辛いぶん、皆さんの挑戦は、必ず身になって返ってくる。ここからが勝負。これからも皆さんを見守っていく」とエールを送りました。

【フォート・キシモト】

次に、ダイヤモンドアスリートのプログラムマネジャーを務める室伏由佳マネジャーが登壇。まず、本プログラムをサポートする各スポンサー団体・企業への感謝を述べた室伏マネジャーは、続いて出席しているダイヤモンドアスリートたちに「顔が硬いけれど、大丈夫?」と柔らかな笑顔で問いかけ、リラックスを促したうえで、認定および修了を祝福しました。そして、「皆さんには、これから一生、この“ダイヤモンドアスリート”という名前がついてくる。それは、とても期待されるとともに、(これからの社会を担っていく)大切な人材であるということ。これを糧にして、ぜひ頑張っていただきたい」と優しい口調で呼びかけました。

【フォート・キシモト】

【フォート・キシモト】

そして、「今回、ダイヤモンドアスリートNextage新設などの変化もあったので、改めてご説明したい」として、第11期ダイヤモンドアスリートプログラムを、以下のように紹介しました。

◎ダイヤモンドアスリートプログラムのこれまで
日本陸上競技連盟では、2014年より次世代の国際的リーダーを育成することを目的として、「ダイヤモンドアスリート」プログラムを展開してきた。この11年間で、プログラムを修了したアスリートのなかから、国内外の競技会で優れた成果を収め、その後も競技の枠を超えて国際社会で活躍し、多大な貢献を果たしている修了生が出ており、その活躍は、次世代のアスリートにとって大きなロールモデルとなっている。

◎「ダイヤモンドアスリートNextage」の新設
一方で、「ダイヤモンドアスリート」に選ばれることには非常に高い目標が伴い、それ自体が大きな挑戦となって、心理的なプレッシャーを感じるダイヤモンドアスリート生もいた。そこで11期から「ダイヤモンドアスリートNextage」という枠組みを新設。競技者が自信を持ってダイヤモンドアスリートにステップアップできる機会を提供することにした。「Nextage」は未来を見据えた挑戦を支援するためのステップで、“ダイヤモンドの原石”となるすべてのアスリートに新たな可能性の扉を開くことを目指したもの。このプログラムを通じて、スポーツを通じて社会に貢献できる人材を育成し、アスリート自身が自身の可能性を探り、未来の目標を描くための貴重な場を提供することを期している。

◎第11期ダイヤモンドアスリートおよびNextage選出まで
さらに、今年度は、ダイヤモンドアスリート、ダイヤモンドアスリートNextageともに、自薦・他薦による募集を初めて実施、計27名の応募が寄せれた。最終的には、候補者57名の中から選抜を行い、新規ダイヤモンドアスリート1名、ダイヤモンドアスリートNextage3名の選出に至った。

◎「ダイヤモンドアスリートNextage」のプログラム
Nextageプログラムでは、ダイヤモンドアスリートプログラムの一部を体験し、その理念や価値を理解するなかで、アスリートとしての成長基盤を築くことを目指す。プログラムは基本的に1年間を予定しているが、個々の成長や状況に応じて柔軟に対応。また成果次第では、ダイヤモンドアスリートへの進展も視野に入れている。

室伏マネジャーは、最後に「ダイヤモンドアスリートおよびNextageが未来の陸上界、ひいてはスポーツ界全体において、重要な役割を果たすことを確信している。この新しい取り組みが、若いアスリートにとって挑戦と成長の場となり、次世代のリーダー輩出の土台となることを心より願っている」と述べ、挨拶を締めくくりました。

続いて、室伏マネジャーより、第11期ダイヤモンドアスリート/ダイヤモンドアスリートNextageのサポートに当たる団体・企業として、一般社団法人東京マラソン財団、アシックスジャパン株式会社、エームサービス株式会社、株式会社GABAが、それぞれにサポート概要とともに紹介。そして、いよいよ、ダイヤモンドアスリート第11期認定者および修了生、ダイヤモンドアスリートNextage認定者が、室伏マネジャーより発表されました。

<第11期ダイヤモンドアスリート:4名>
中谷魁聖(福岡第一高3年:走高跳、第11期より新規認定)
北田琉偉(日本体育大2年:棒高跳、第9期より認定)
永原颯磨(順天堂大1年:3000m障害物、第10期より認定)
澤田結弥(ルイジアナ州立大1年:中長距離、第9期より認定)
<ダイヤモンドアスリートnextage:3名>
濱 椋太郎(目黒日本大学高3年:短距離)
古賀ジェレミー(東京高2年:110mハードル)
ドルーリー朱瑛里(津山高2年:中距離)
<ダイヤモンドアスリート修了生:3名>
栁田大輝(東洋大 3年:100m、第7期より認定)
佐藤圭汰(駒澤大3年:中長距離、第8期より認定)
西 徹朗(早稲田大3年:110mハードル、第8期より認定)

このうち式典を欠席した澤田選手、ドルーリー選手、佐藤選手を除く7選手が、名前を呼ばれて登壇。各選手には、プレゼンターを務めた福島千里さん(順天堂大学、女子100m・200m日本記録保持者)から、認定証・修了証となるクリスタル盾が一人一人に授与されました。最後に、認定ダイヤモンドアスリート、ダイヤモンドアスリートNextageおよび修了生が、1人ずつ自身の思いを込めた挨拶を行って、認定式・修了式を終えました。各選手が行った挨拶の要旨は、以下の通りです。

【第11期ダイヤモンドアスリート(要旨)】

中谷魁聖(福岡第一高3年:走高跳、第11期より新規認定)

【フォート・キシモト】

修了生である北口選手をはじめ、日本代表の多くの選手の活躍は、私たちに感動や力を与えてくださっている。そういった選手の姿を見て、自分も「そんな選手になりたい」という目標があり、そんな選手になるために求められる要素や経験が、このプログラムを通してできると考え、今回、応募させていただき、認定していただいた。このプログラムを通して、競技力はもちろんだが、人間性という部分で、国際人として世界の舞台に羽ばたいていけるよう、さらに努力していきたい。


北田琉偉(日本体育大2年:棒高跳、第9期より認定)

【フォート・キシモト】

ダイヤモンドアスリートの認定は3年目になる。このチャンスを生かし、来年は、東京で行われる世界選手権に出場し、良い成績を収められるように頑張りたい。そして、最終目標としては、オリンピックに出場して活躍すること。アスリートとして見本になれるよう頑張っていきたいと思っている。


永原颯磨(順天堂大1年:3000m障害物、第10期より認定)

【フォート・キシモト】

昨年、高校3年生で認定していただいた。今年、大学に入って、今までに経験したことがなかったことを成功や失敗を含めて体験したが、まだまだ自分の目標である「世界で戦える選手」となるには、経験が足りないと思っているので、このプログラムをしっかりと自分のものにしていきたい。


澤田結弥(ルイジアナ州立大1年:中長距離、第9期より認定)
私は、この夏からアメリカの大学に進学し、今までとは全く異なる環境となった。そのなかで、自分を成長させて、自己ベストの更新、日本選手権での自己参考順位、アメリカの全国大会に出場することを目標として、練習に取り組んでいる。世界で活躍できる選手になれるように頑張りたい。
(メッセージ動画によるコメント)

【ダイヤモンドアスリートNextage(要旨)】

濱 椋太郎(目黒日本大学高3年:短距離)

【フォート・キシモト】

「ダイヤモンドアスリートNextage」は、日本陸連の新たな試みとして、今回創設されたので、注目や期待も高くなっていると思う。その期待に答えられるように、世界で戦えるように頑張りたい。


古賀ジェレミー(東京高2年:110mハードル)

【フォート・キシモト】

今、この場に立てていることがとても幸せで、光栄に思っている。このドキドキやワクワクを忘れずに、1年を経て、ダイヤモンドアスリートして羽ばたいていけるような選手になっていきたい。


ドルーリー朱瑛里(津山高2年:中距離)
このプログラムを通して、さまざまなことを経験し、世界で活躍できるような選手になれるよう、1日1日を大切に競技に取り組みたい。
(メッセージ動画によるコメント)

【ダイヤモンドアスリート修了生(要旨)】

栁田大輝(東洋大 3年:100m、第7期より認定)

【フォート・キシモト】

4年間、ダイヤモンドアスリートとして、たくさんのご支援とご声援をいただきながら、今まで活動をしてきた。ここまで挨拶した新しく認定された子たちが、さっき、「どうしよう」「何をしゃべろう」と緊張して話すことを考えているのを目にしたが、僕も(プログラムを受けてきたことによって)こうやって(人前で)しゃべるのに慣れてきた部分もあるので、そういった点も含めて、ダイヤモンドアスリートとして活動した4年間で成長してこられたのかなと考えている。修了してもこの先、競技人生は長いので、修了した一人として、胸を張って「ダイヤモンドアスリートでした」と言えるような成績を残し続けていきたい。また、ダイヤモンドアスリートで培ったコミュニケーション能力などさまざまな事柄を、競技生活はもちろん、競技以外の場面でも生かしていきたい。


佐藤圭汰(駒澤大3年:中長距離、第8期より認定)
このたびダイヤモンドアスリートを修了した。今後は、ダイヤモンドアスリートでの経験のもと、来年、東京で開催される世界陸上の出場権を獲得し、世界の舞台で戦えるよう努力していきたい。また、国際社会の発展に寄与できるような人材となれるよう精進していきたい。
(メッセージ動画によるコメント)


西 徹朗(早稲田大3年:110mハードル、第8期より認定)

【フォート・キシモト】

最初、ダイヤモンドアスリートに認定していただいたときは、世界に羽ばたけるような選手を目指して、「ダイヤモンドアスリートとして認定されている間に日の丸を背負って、(世界の舞台に)立ちたい」という思いで始まった。残念ながら、ダイヤモンドアスリートの間に日本代表になることはできなかったが、それでも、すごく多くの方々から支援をいただいて、さまざまな研修や海外遠征のサポートなど、ダイヤモンドアスリートでなければできなかった経験をいろいろとさせていただいた。この経験は、自分が今後、競技を続けていくうえでも、また、陸上競技をやめたあとでも、自分が目標に向かって進んでいく限り、確実に大きな財産になると思っている。

【フォート・キシモト】

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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【第11期認定アスリート紹介】新たな景色を求めて、その才能で世界を掴め!

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