ボートレース住之江(ナイター)の「SG第39回グランプリ」(優勝賞金1億1000万円)は開催4日目の20日、11Rと12Rでトライアル2ndの2回戦が行われた。ほぼ無風の穏やかなコンディションだった。

　まず、トライアル2ndの2回戦11Rは23歳の定松勇樹がコンマ12のトップスタートから豪快な逃げ切り勝ち。グランプリ初出場とは思えない度胸を見せた。続く12Rは30歳の関浩哉が、こちらもグランプリ初出場ながら落ち着き払った1コースからコンマ15のスタートで快勝し、2nd1回戦6着から一気に挽回(ばんかい)した。トライアル2走を終えて、定松は得点3位、関は6位タイにつけている。

　いよいよグランプリ優勝戦（賞金王決定戦競走）へ残り1走となった。命運を分けるトライアル2nd3回戦の枠番抽選では、悲喜こもごもの光景が見られた。ファイナル進出へ1着が欲しい土屋智則(群馬出身・群馬支部39歳)【冒頭の写真・中央】が見事に2nd3回戦11Rの1枠をゲット。2nd2回戦11Rは激しい道中競りの末5着も、本人は仕上がりに自信をにじませた。「足は悪くないですね。それまで伸びられてましたが、行き足が上向いていました。この方向性で調整します」。もちろん狙いは逃げ切るのみ。自力で初のグランプリファイナル進出へ、せっかくの抽選運を最大限に生かす。

　一方、桐生順平(福島出身・埼玉支部38歳)【写真上】はトライアル2nd3回戦12Rの1枠を引き当てた。こちらは何としても3着以上で舟券に絡みたい立場だけに、この抽選結果はとてつもない追い風だ。2回戦11Rは4コースから仕掛け遅れ、5コースの上條暢嵩に文句なしのターンをされたこともあり4着に終わった。「全く合っていませんでした。乗りにくかったし初速がダメ。握り始めを良くしないと…」と調整の失敗を口にした。とはいえ大敗必至の展開から、道中で追い上げているように雰囲気は悪くない。まして1コースなら取りこぼしは極めて少ない。舟券に絡むためにも先に回ることだけに集中する。

　周囲の喧噪(けんそう)をよそに、馬場貴也と毒島誠(群馬出身・群馬支部40歳)【写真上・中央】の賞金1、2位コンビは順調だ。ともに2走して19点と得点は1位タイ。2人とも初の黄金のヘルメット戴冠へ、まずは無事故で完走するのが大前提になる。特に毒島はスタートの切れ味が素晴らしい（コンマ05、09）。トライアル2nd2回戦12Rは逃げた関と群馬ワンツー決着。ピットに引き揚げてきた毒島は「伸びを求めて調整して良かったです。ターン回りに関しても分かった部分があるので、合わせていけそうです」と明るい見通しを立てた。トライアル2nd3回戦は11Rの2枠でインは土屋。またも群馬ワンツー決着となるか注目だ。なお、峰竜太と平本真之は自力でのファイナル進出が非常に厳しくなった。

　開催5日目の21日に行われるトライアル2nd3回戦のメンバーは次のとおり。なおポイントは1着10点、2着9点、3着7点、4着6点、5着5点、6着4点。例年の優出ボーターラインは、トライアル2ndの3走合計点が21点か22点になることが多い。

＜住之江 5日目 11Rトライアル2nd＞3回戦
1枠 土屋　智則（群馬・群馬) 12点　
2枠 毒島　　誠（群馬・群馬) 19点
3枠 峰　　竜太（佐賀・佐賀）10点　
4枠 定松　勇樹（福岡・佐賀）16点　
5枠 上條　暢嵩（大阪・大阪）12点
6枠 茅原　悠紀（岡山・岡山) 15点
※()内は出身・支部の順

　土屋智則と毒島誠の群馬勢が形成する内ラインは強固だ。この逃げ、差しが大本線。峰竜太はモーターの素性差を嘆いており、究極のまくり差しを求めるのはさすがに酷かも。むしろダッシュに引く弟子の定松勇樹、そして上條暢嵩が軽快な仕上がり。

＜住之江 5日目 12Rトライアル2nd＞3回戦
1枠 桐生　順平 (福島・埼玉) 15点
2枠 平本　真之 (愛知・愛知) 10点
3枠 関　　浩哉（群馬・群馬) 14点
4枠 馬場　貴也（京都・滋賀) 19点
5枠 池田　浩二（愛知・愛知) 14点
6枠 菊地　孝平（岩手・静岡) －6点

　最低でも舟券に絡みたい桐生順平としては、とにかく先に回るしかない。対照的に2コース平本真之がさっぱりの気配。ピット離れが悪く、快速を誇る関浩哉が2コースになることも想定したい。この差し切りには要注意だ。馬場貴也も混戦をさばけるパワーと技があり、もつれると出番。

　なお、同時開催の「グランプリシリーズ」(優勝賞金2000万円)も開催5日目の21日は8R、9R、10Rで準優3個レースが行われる。準優1号艇は8Rが山口剛、9Rが前田将太、10Rが佐藤翼となっている。

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