偉大な10番を超えるために。新たな10番が埼玉WKに革新をもたらす

【©ジャパンラグビーリーグワン】

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)が12月21日のリーグワン開幕戦で東京サントリーサンゴリアスと対戦する。2年連続でプレーオフトーナメント準優勝に終わった埼玉WKは、3年ぶりのリーグワン制覇を目指して開幕の地・味の素スタジアムに乗り込む。

開幕を直前に控えた19日の練習後、囲み取材に対応していた稲垣啓太が「10番?あそこ(ピッチサイド)で寝転んでいる選手を見てください(笑)。良い意味であのくらいの太々しさが必要なんです」と頬を緩ませた。その視線の先にいたのは、開幕戦で「10」を背負う山沢京平だ。

言わずと知れた日本代表・山沢拓也の弟で、兄同様に天才肌のプレーヤー。咄嗟の判断で奇想天外のプレーを見せるアイディアと、体の強さを生かす豪快さを兼ね備えた司令塔だ。埼玉WKは19日午後に開幕戦のメンバー23人を発表したが、サプライズはトヨタヴェルブリッツへ移籍した松田力也のあとの10番のポジションに弟・京平が入り、兄・拓也がフルバックとして最後方に立つことだった。

チーム始動当初は、拓也がスタンドオフ、京平がフルバックに入ることが予想されたが、テストマッチや宮崎キャンプを経て、ロビー・ディーンズ監督は“変化”を選択した。拓也は「この数年間は、(松田)力也が10番をやっていて、埼玉WKのラグビーを確立してくれた。良い部分を残しながら(京平が)新しい部分でアレンジしていくのかなと。自分が後ろからサポートしていきたい」とフォローを誓う。地元・埼玉県出身の兄弟の“阿吽の呼吸”がホットラインを作り出していく。

開幕戦の大舞台へ向かう強心臓の京平には気負いも緊張もないようだ。松田の存在が大きかっただけにチームには彼の残像がまだ消えないが、京平は新たなキャンバスをイメージしている。

「僕は僕であって特長は違うので、今季のチームのカラーをハッキリと色付けできるようにしたい。その中で、自分の強みを出していく。アタックもディフェンスでも自分の役割と責任を果たしたい」

拓也は「熊谷ファンタジスタ」の異名を持つが、京平はチームに革新をもたらす「イノベーター」。埼玉WKの新10番が開幕戦でそのベールを脱ぐ

(伊藤寿学)

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ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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