【ラグビー/NTTリーグワン】「D2で一番成長したチーム」が見据えるもの<九州電力キューデンヴォルテクス>

【©ジャパンラグビーリーグワン】

ディビジョン3から昇格し、D2への挑戦となった昨季はレギュラーシーズンを2勝8敗。4~6位順位決定戦を経ての5位という成績に終わった。しかし、結果以上に中身は充実したものだった。レギュラーシーズンで喫した8敗のうち4敗は5点差以内。「チームのDNA」(ウォーカーアレックス拓也)である伝統の堅守は通用。「D2で一番成長したチーム」(山田章仁)と確かな自信を得た。

今季の目標は「トップ2に入り、D1への挑戦権を得る」(アレックス)というもの。昨季はシーズンテーマに『NEXT LEVEL』を掲げたが今季は『BE TOUGHER』を新たに掲げている。その解釈についてウォーカーは「二つある」と話す。

「一つはシンプルにタフになるということ。厳しい練習を乗り越える。試合の中の厳しい時間を乗り越える。もう一つは仲間に良い意味で厳しくなるという意味でのタフ。自分たちはチームメートとして互いのことをリスペクトはしているんですが、やっぱり仲良しクラブではいけない。仲間のことを思うからこそ、あえて厳しいことを言う」

昨季はクロスゲームを再三、演じてきたが勝ち切れなかった。周囲から掛けられる「良い試合だったね」という言葉はチームに、選手たちに悔しさを覚えさせた。良い試合ではなく、勝つために。今季のチームは「小さいところを詰めようという努力ができている」とウォーカーは自信を見せる。

チームのDNAである守備に自信があるからこそ、昨季勝ち切れなかった一因であるアタックの質向上にチームは意欲的に取り組んでいる。「22mラインの内側に入っていかに点を取り切って自陣に帰れるかというところが今季の大きなテーマ。アタックの部分で新たな武器を取り入れているのでその精度を高めていきたい」(ウォーカー)。

昨季の悔しさをバネに今季は練習の質も向上。シーズンテーマを全員が体現するようにタフな集団へと変貌を遂げつつある。良いチームから勝てるチームへ。今季の九州KVは変貌を遂げる。

(杉山文宣)

注目選手) WTB 山田章仁

【©ジャパンラグビーリーグワン】

一昨季はインパクトメンバーとしてのプレー(途中出場)が中心だったが、昨季は先発の機会も増加。キレのある動きとトライへの嗅覚は健在で、昨季D2第4節・日本製鉄釜石シーウェイブス戦では地元・北九州でトップリーグ時代からの公式戦通算100トライを達成するという劇的なドラマも生み出した。来年の7月には40歳を迎えるが、世界を知る北九州のヒーローは「スプリントの質、量が上がっているのは事実でデータにも表れている」といまだ衰え知らず。今季はどんなドラマを生み出すのか、目が離せない。
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ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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