政田夢乃、攻める気持ちを抑えて2位タイ

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【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

第43回大王製紙エリエールレディスオープン エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)第3日

 勢いに乗るとミスもミスではなくなるのだろうか。16番・パー3で見せた政田夢乃のティーショットだ。ユーティリティーをフィニッシュまで振り抜いたものの、最後はバランスを崩したかのようにクラブから左手を離した。ところが、ボールはピンに向かって飛んで行き、手前5メートルにナイスオン。それを沈めて、この日5つ目のバーディーを奪う。勢いは止まらず、続く17番でもバーディーを奪い、結局、6バーディー、ノーボギーの65をマーク。通算15アンダーの2位タイでフィニッシュした。

 第1日に65、第2日に67をマークしていた政田だが、それは第1日が2回、第2日が3回しかフェアウェイを外していなかったからだ。ところがこの日はドライバーが曲がってしまい、わずか6回しかフェアウェイをとらえることができない。それでも好スコアをマークできたのは、第2打以降の攻め方をこれまでと変えたからだった。

 「私の場合、結構ピンをデッドに狙っていくんですが、今日はセーフティーにいくべきところはセーフティーに攻めるようにしました」。端に切ってあるピンを狙った場合、成功したならいいが、失敗すると難しいアプローチが残る。ピンまでの距離が短くなる分、転がして寄せることができないからだ。

【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

以前の政田は、アグレッシブに攻めた結果、ボギーを叩くことが少なくなかった。今年からJLPGAツアーに出場しているが、トーナメントでずい分と痛い目にあったという。そういった経験を活かし、メリハリのある攻め方を心がけたというわけだ。ましてや、この日はラフなどライの悪いところから打つことが多かっただけに、無理にピンを攻めず、グリーン中央を狙ったことは大正解だったといえるだろう。

 明日は自身初の最終日最終組でのラウンドになるが、首位とは4打差あることを考えれば、そうそう守ってばかりもいられない。「短いクラブでピンを狙うときは、ピンの半径50センチ以内のエリアにボールを止めるつもりで攻めたいと思います」。現在、メルセデス・ランキング61位だが、仮に第3日終了時の順位で試合が終われば、44位にまで跳ね上がる。当然、それはシード権獲得となる。ガツガツ攻めたい気持ちとセーフティーを求める気持ちをバランスよく整えてシード入りを狙いたいところだろう。どうやら最終日の政田はコースだけでなく、自分の気持ちとも戦うことになりそうだ。(山西 英希)
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