【プレミア12情報】日本にゆかりある“あの選手たち”が参戦 「赤い稲妻」アマチュア最強キューバ代表

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大会に向け調整を行うキューバ代表 【©Federación Cubana de Béisbol y Softbol】

 先日公開したオーストラリア代表、台湾代表に続き、11月17日に2024プレミア12で侍ジャパンと対戦するキューバ代表について紹介しよう。

「赤い稲妻」

 往年のアマチュア野球ファンならこの言葉に聞き覚えがあるだろう。
 かつて世界のアマチュア野球界を席巻したキューバ代表の愛称だ。

 1982年から1997年にかけて出場した全ての大会で優勝、1991年から6年間は国際試合で無敗と無類の強さを発揮。夏季オリンピックで野球が正式種目となった1992年のバルセロナオリンピック以降の6大会(2021年東京含む)で、3度の金メダル(1992年バルセロナ、1996年アトランタ、2004年アテネ)と2度の銀メダル(2000年シドニー、2008年北京)を獲得し、常に世界の野球を牽引し続けてきた。

 このことから野球キューバ代表は、「アマチュア最強チーム」との呼び声も高く、そのユニフォームの色から「赤い稲妻」と呼ばれ世界から恐れられた。

キューバ代表アルマンド・ジョンソン監督 【©Federación Cubana de Béisbol y Softbol】

「失意の2010年代」と「復活の兆しの2020年代」

 しかし2009年のWBCからかげりが見え始める。2次ラウンドで日本代表と2度対戦し、2試合とも完封負けで敗退。続く2017年WBCでも2次ラウンドで敗退となった。

 その後2015年、2019年のプレミア12でもベスト4入りできず、かつて世界を震撼させた「赤い稲妻」の姿はみる影もないと思われていた。

 だがその声を払拭するかのように2023年のWBCでは、主要国際大会でオーストラリアとの準々決勝に競り勝ち、ベスト4入りを果たし、復活の兆しを見せつつある。
 かつての「赤い稲妻」の姿を取り戻しつつあるキューバ代表。今回のプレミア12では多くの日本野球にゆかりある"あの選手たち"が代表入りを果たし、着々と準備をしている。

日本にゆかりのある選手

 ここで代表入りしている選手のなかで、NPBに在籍経験があるなど、日本にゆかりのある選手を紹介しよう。

【©PLM】

中日の絶対的守護神ライデル・マルティネス投手 【©Federación Cubana de Béisbol y Softbol】

【©PLM】

日本で10年間活躍したアルフレド・デスパイネ選手 【©Federación Cubana de Béisbol y Softbol】

北海道日本ハム躍進の立役者のひとり、アリエル・マルティネス選手 【©Federación Cubana de Béisbol y Softbol】

 代表28選手のうち、なんと10選手がNPB経験者だ。これほど、日本プロ野球と関係のある代表チームはほかにないだろう。

 なかでも最優秀防御率のタイトルホルダーである、福岡ソフトバンクのリバン・モイネロ投手と、19歳の若き左腕ダリオ・サルディ投手に注目したい。

 モイネロ投手は今季から先発へ転向。25試合に登板、11勝5敗、防御率1.88、WHIP0.94と転向初年にして十分すぎる成績を残した。今大会でも侍ジャパンの大きな壁となりそうだ。

代表チームで投手陣の柱と期待されるリバン・モイネロ投手 【©Federación Cubana de Béisbol y Softbol】

 サルディ投手は今季福岡ソフトバンクに育成で入団した「モイネロ2世」と呼ばれる身長186センチの大型左腕。長身から投げ下ろす伸びのある直球と変化球のコンビネーションで打者を打ち取っていくスタイルが特徴だ。今季は一軍での登板機会はなく、ファーム非公式戦ではあるが20試合57イニングに登板し、6勝1敗、防御率2.84、44奪三振と好成績を残した。同級生でチームメイトのドラフト1位ルーキーの前田悠伍投手や先述の大先輩モイネロ投手から刺激をもらい、シーズンを過ごした。今大会でも代表選手と過ごす期間や国際試合を通してさらなる成長が期待される。

「モイネロ2世」と呼ばれる19歳のソフトバンク育成ダリオ・サルディ投手 【©Federación Cubana de Béisbol y Softbol】

 キューバ代表は今回のプレミア12では侍ジャパンが入るグループBで同組。11月13日にドミニカ共和国との初戦を迎え、キューバ代表は今回のプレミア12では侍ジャパンが入るグループBで同組。侍ジャパンとは11月17日に台湾の天母スタジアムの地で戦う。

 今大会で日本プロ野球とゆかりある選手たちを擁するキューバが大きな「赤い稲妻」を落とすか、ぜひ注目してほしい。

文・竹林慎太朗
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