今年限定!JBC当日に全国から九州産馬が集う/佐賀・2024九州産グランプリデータ分析

佐賀県競馬組合
チーム・協会

2024年霧島賞優勝ルピナステソーロ 【撮影:佐賀県競馬組合】

2024九州産グランプリ(地方全国交流、佐賀ダート1800m)
11月4日佐賀8レース 16時00分発走予定


今年は九州で初めてJBCが開催される。馬産地でもある九州は近年、21年北九州記念勝ちヨカヨカや中山グランドジャンプ連覇のイロゴトシの活躍で再び注目を集めており、JBC当日に2024九州産グランプリを開催。今年限定ではあるが、全国で活躍する九州産馬が一堂に会す。同じく九州産限定重賞としては夏に行われる霧島賞が有名だが、こちらは1400m。距離の違いが結果をどう左右するか。
ここでは九州産限定重賞の霧島賞の過去10回と、舞台となる佐賀ダート1800mの直近3年のデータを元に分析する。

佐賀ダート1800mデータ期間:2021.11.1~2024.10.31

地方では兵庫、高知が勝利

全国各地から九州産馬が集う一戦。どの所属馬が優勢にあるかの目安として、JRA・地方競馬の交流として行われる霧島賞の過去10回のデータを見てみたい。
当レースにはJRA馬は出走資格がないため7勝を挙げるJRA栗東所属馬は参考外として、地方で最も勝利を挙げるのは兵庫。これはキヨマサが2017年、19年と勝ったもので、高知の1勝は今年のルピナステソーロだった。佐賀は九州産馬が多く在籍し、勝利こそないものの2着2回、3着3回を誇る。

所属別成績(霧島賞過去10回) 【表1】

過半数で3連単3000円未満

同じく霧島賞の過去10回で見ると、意外にも1番人気は2勝にとどまり、最も勝利を挙げるのは2番人気だった。
3連単万馬券は過去10回中3回で、いずれも5番人気以下が3着以内に入っていた。23年に54万5570円(2番人気→10番人気→11番人気)という超高配当があったが、基本的には堅い決着が多く、過去10回中6回で3連単3000円未満だった。

単勝人気別成績(霧島賞過去10回) 【表2】

4歳が最多勝。3歳馬は11月開催でどこまで躍進できるか

馬齢別では4歳が4勝と最も勝利を挙げる。霧島賞は何回も出走するリピート馬が多いが、8歳以上では3着2回が最高。3歳馬も2着3回が最高ではあるが、夏に開催される霧島賞に比べ、当レースは11月開催の分、3歳馬も活躍も見込めるかもしれない。

馬齢別成績(霧島賞過去10回) 【表3】

リピート馬は3着内率8割超え

前述の通り霧島賞では何回もリピート出走し、好成績を残す馬がよく見られる。そこで、霧島賞3着以内の実績がある馬の翌年以降の成績をまとめたのが下表。JRA時代に2着があったルピナステソーロが今年、高知に移籍して勝つなど、該当馬は6勝を挙げ、3着内率は83.3%と非常に高い。
当レースでも霧島賞3着以内の実績馬を探すのが一つの手段かもしれない。

リピート馬の成績(霧島賞過去10回) 【表4】

JRA2勝以上が好走条件

霧島賞で3着以内に入った馬はどのような実績を持つのか。JRAでの勝利数(地方馬はJRA在籍時のもの)を調べたところ、30頭中24頭が2勝以上を挙げていた。その中には霧島賞トライアルなど佐賀競馬場で行われた地方交流レースでの勝利も含まれており、似たメンバー構成ともなりやすい前哨戦で勝っている方が、やはり本番でも好走例が多い。

霧島賞3着以内馬のJRA勝利数別成績 【表5】

距離が長い分、差しにもややチャンス

ではここからは舞台となる佐賀ダート1800mのデータを見ていこう。まずはコース形態から。スタート地点は向正面に入ってからのところに設定されており、最初のコーナーまでの距離は長いとは言えない。そこから1周半、コーナー6回のコースとなっている。

佐賀競馬場 【コース図】

距離が長い分、差しの勝率は全距離と比べて1%ほどアップはするが、基本的には逃げ・先行有利と見ていいだろう。

脚質別成績(佐賀ダート1800m) 【表6】

内枠の逃げ馬、外枠の差し馬

この舞台での馬番別成績は下記の通り。抜けて有利な枠は見られないが、6番枠の勝率、3着内率ともに低いのは気になる。序盤のポジション争いで内外から挟まれやすいのかもしれない。
内枠の1番~5番枠の脚質別成績を見てみると、逃げ19勝、先行22勝、差し17勝、追い込み3勝。逃げは勝率23.8%で、内枠の逃げ馬に注目したい。
一方で外枠の10番~12番枠は逃げ1勝、先行10勝、差し9勝、追い込み0勝。こちらは差しの勝率が15.5%と高く、外枠なら差し馬か。
なお、下表では12番枠の勝率・3着内率が低くなっているが、サンプル数が他の枠の約4分の1ほどしかないためだ。

馬番別成績(佐賀ダート1800m) 【表7】

データからの推奨馬は?

①兵庫、高知、佐賀がやや優勢
②4~5歳
③霧島賞3着以内
④JRA時代に2勝以上
⑤内枠の逃げ馬、外枠の差し馬

ルピナステソーロは今年の霧島賞勝ち馬。2番手に先行しての押し切り勝ちで、地元戦の前走A2クラスでは20年日本テレビ盃勝ちのロードブレス相手に勝利を収めた。JRA時代は1勝にとどまるが、佐賀の馬場と相性のいい高知所属馬というのもプラス材料。あとは距離延長をこなせられれば。①③⑤に当てはまる。

コウユーヌレエフは18年霧島賞を勝った10歳馬。その後は障害レースに主戦場を移し4勝を挙げた。今回が佐賀移籍初戦。当レース創設は1年以上前に公表されていたため、ここを狙って移籍してきた可能性もある。高齢という点がどうかだが、吉原寛人騎手を配した点も強みだろう。①③④に該当。

タケノサイコウはJRA未勝利から2歳時に佐賀に移籍し、たんぽぽ賞など重賞2勝を含む9連勝を挙げた。3歳春に骨折があったが、その後も活躍を続ける。近走は当レースを見据えてか長めの距離を使っているが、昨秋に勝った重賞が1400mということを考えると、本来は短距離向きなのかもしれないが、地元ファンの期待を背負う。①②に該当する。

アイタカは今年の霧島賞で1番人気に推されるも8着。400kg前後の3歳牝馬にとっては乾いてパワーを要する馬場や展開が向かなかった印象だ。JRA時代に2勝しており、①④に当てはまる。

ほかに地元馬のカシノルーカスも期待。霧島賞は序盤で後方に置かれながらも、差し脚を伸ばして7着。距離延長で浮上しないか。

2024九州産グランプリ 【出馬表】



文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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著者プロフィール

佐賀競馬は九州唯一の地方競馬場として主に土日に競馬を開催しています。注目の重賞情報やイベント情報など、佐賀競馬のニュースを日々お届けいたします。

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