早大野球部 4時間半の大熱戦は延長12回引き分け 勝ち点を懸け明日の3回戦へ/明大2回戦

チーム・協会
東京六大学秋季リーグ戦 10月20日 神宮球場
【早稲田スポーツ新聞会】記事 太田さくら、写真 富澤奈央

 1回戦で接戦をものにし、明大に先勝した早大。今日は今季4つ目の勝ち点を懸けて2回戦に臨んだ。先発の宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)は走者を出しながらも粘り、6回を投げて無失点。打線は6回に印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)の適時二塁打で先制すると、この回さらに2点を加えて3点のリードを奪う。しかし7回に本塁打と適時打で追いつかれると、その後は互いに窮地をしのぐ展開に。延長に突入した後も両校譲らず、4時間半に及ぶ熱戦は規定により延長12回引き分けとなった。

 試合は手がかじかむ寒さの中で始まった。初回、先発のマウンドに上がった宮城は先頭打者を打ち取るも、2番・飯森太慈(4年)に左中間を破る三塁打を浴びる。いきなり得点圏で明大のクリーンアップを迎えたが、宗山塁(4年)、杉崎成(4年)を続けて三振に取り、得点を許さなかった。その後は走者を背負いながらも、冷静に後続を断つ投球で6回を投げ切り4安打無失点。春季明大2回戦で負け投手になった雪辱を果たすような投球であった。

先発の宮城 【早稲田スポーツ新聞会】

 宮城の好投に応えたい打線は6回、潮目の変化を逃さなかった。明大は5回を2安打に抑えた毛利海大(3年)に代わり、この回から大川慈英(3年)がマウンドへ。変わった大川を一気に攻め立てた。1死から3番・吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)が左前安打で出塁。モーションを盗んで二盗を決めると、続く4番・印出主将が左翼線に適時二塁打を放って先制した。続く前田健伸(商3=大阪桐蔭)が四球を選び、6番・小澤周平(スポ3=群馬・健大高崎)がフェンス直撃の右越え二塁打を放ち追加点。梅村大和(教4=東京・早実)も左前適時打で続き、この回3点を奪った。

先制の適時打を放った印出主将 【早稲田スポーツ新聞会】

 このリードを守りたい早大は、7回の守備から鹿田泰生(教4=東京・早実)に継投。しかし初球、先頭の7番・木本圭一(3年)に左越え本塁打を浴びると、2死の後に代打・吉田匠吾(年)に中前安打を許したところで交代となった。後を受けた香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)だったが、四球と飯森の適時打で1点差に迫られる。ここで迎えるは宗山。あとアウト1つだったが、2球目をきっちり右前に運ばれ同点とされた。

 8、9回は両校無得点に終わり、ナイターの灯りも点く中、試合は延長戦に突入した。10回、マウンドには9回から回をまたいだ田和廉(社3=東京・早実)が上がった。先頭の飯森は打ち取った当たりも、打球が遊撃、左翼、中堅の間に落ちて転がり、その間に打者走者が2塁に進んだ。次打者の宗山を申告敬遠で歩かせ、4番・杉崎との勝負。2球目に特大のファウルを浴びながらも最後は三球三振に仕留めると、続く小島大河(3年)の当たりは中堅手の正面に飛んだ。これで2死としたが、次打者の内角を攻めたボールが死球となり満塁に。ここで打撃好調の榊原七斗(2年)を迎えたが、三邪飛に打ち取りサヨナラのピンチを脱出。スタンドからは大歓声が起こり、ベンチからも選手が飛び出してナインを迎えた。

9、10回を無失点に抑えた田和 【早稲田スポーツ新聞会】

 11回の早大の攻撃。先頭の7番・梅村は二ゴロに倒れるも、8番・石郷岡大成(社3=東京・早実)の当たりは遊撃の頭を越えて中前へ。早くも『紺碧の空』が流れる中、打席に入った代打・田村康介(社3=東京・早大学院)はバントの構えを見せながらフルカウントまで粘り、7球目を左前に弾き返して1死一、二塁とした。続く1番・尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)はフルカウントまで粘ったが三振で2死。ここで明大は山田翔太(4年)にスイッチしたが、続く2番・山縣の痛烈な当たりは三塁手のグラブを弾き、ついに満塁に。ここで迎えるは主砲・吉納副将。フルカウントで迎えた6球目、バットは大きく曲がる変化球に空を切り三振。ここで勝負を決めたい場面であったが、わずかに及ばなかった。

 11回の守備からは安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)がマウンドに上がった。打者3人を三振、三ゴロ、一ゴロにテンポよく打ち取る投球を見せ、勝負はついに最終回へ突入する。迎えた最後の攻撃、先頭の4番・印出主将は中飛に倒れるも、前田が9球目に四球で出塁。ここで早大ベンチは代走・渋谷泰生(スポ3=静岡)を投入する。走者を出しながらも小澤の二ゴロ封殺の後、石郷岡は空振り三振に倒れた。その裏も安田が続投し、ピシャリと3人で抑えゲームセット。4時間35分の熱闘は両者譲らず引き分けとなり、勝ち点の行方は明日の3回戦以降にもつれることとなった。

11、12回を無失点に抑えた安田 【早稲田スポーツ新聞会】

 昨日に続き白熱した展開となった今日の試合。両者のつばぜり合いが続き決着はつかなかったものの、1勝1分と早大が有利であることは変わらない。勝負の行方は3回戦へ。先発が予想されるエース・伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)を中心に総動員で紫紺を撃破したい。

【早稲田スポーツ新聞会】

【早稲田スポーツ新聞会】

コメント

印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)

ーー今日の試合を振り返って

 苦しい展開でしたが、よく粘ったと思います。

ーー自身の適時打を振り返って

 明治の大川投手(4年)は真っ直ぐがいいピッチャーなので、そこに合わせていきながら、変化球にも対応することを意識していました。翼(吉納翼副将、スポ4=愛知・東邦)が二塁まで行ってくれたので、なんとか1本出して終盤戦を有利に進めたいと思っていた中で、まっすぐをしっかり打てたのでよかったと思います。

ーー5人の投手をリードしたが、どのようなことを考えたか

 相手の攻撃が後だったので、1点取られると試合が終わってしまう場面が何度もありましたが、ピッチャーが自分の投球を貫き、要求通りに投げてくれたので、バッテリー間の意思疎通がしっかりとできた結果抑えられたので良かったと思います。

ーー明大3回戦への意気込み

 1勝1分で早稲田が有利な展開になるので、勝ち点を取って最高の形で早慶戦を迎えられるよう、明日もタフに戦いたいと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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