「こんなに手ごわい相手、こんなにパーフェクトな選手はいないと思っているからこそ、喜んで挑戦を受け入れた」10.20ロンドンでSANADAと初防衛戦!“IWGP世界ヘビー級王者”ザック・セイバーJr.にインタビュー!

チーム・協会

【新日本プロレスリング株式会社】

10.14両国国技館大会で内藤哲也を破って、悲願のIWGP世界ヘビー級王座を初戴冠したザック・セイバーJr.。

早くも続々と王座チャレンジに名乗りを上げる中、ロンドン大会での初防衛戦を控えた新王者は何を思うのか? 直撃インタビュー!

撮影/山本正二
通訳/小池水須香

■『Royal Quest Ⅳ』
開催日:日本時間・10月21日(月)
会場:クリスタル・パレス国立スポーツセンター
★ロンドン大会を、NJPW WORLDでLIVE 配信決定!
※月額見放題サービス会員の方は、追加料金なしでご視聴頂けます。

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■『POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2024~』
11月4日(月・休) 13:30開場15:00開始
大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)

※リンク先は外部サイトの場合があります

■『G1』優勝も大事だったけど、その後の両国ですぐ挑戦することで、自分らしいこと、唯一無二の足跡を残すことができた。

【新日本プロレスリング株式会社】

――ザック選手。まずは、IWGP世界ヘビー級王座戴冠おめでとうございます。

ザック (日本語で)アリガトウゴザイマス!

――『G1』制覇を成し遂げたときも周囲の反響は大きかったと思いますが、今回は、それ以上ですか?

ザック ああ、『G1』の時も凄かったんだけど、今回はそんなもんじゃなかった。クレイジーなくらい、たくさんリアクションをもらったよ。

――先ほどSANADA選手が「IWGPを獲ると景色が変わる」と発言してました。獲得して間もないですが、その実感は?

ザック そうだね。俺は『G1』を獲った時から、ある種のインスピレーションを感じて、ここまでやってきた。ファンの想いや、いろんな選手のレスラーの気持ちもあるけど、何よりも“自分自身の旅”だと思ってやってきたんだ。だから、このベルトを獲ったときは、景色が変わったというよりも「自分がやって来たことは、正しかったんだ」という気持ちになったね。

――そういう意味では、1.4東京ドームではなく、10月の両国国技館でIWGP世界ヘビー級王座に挑戦した。この選択も“正しかった”?

ザック ああ、もちろん。自分は、新日本プロレスのリーダーになることを目指してきたからね。『G1』優勝も大事だったけど、その後の両国ですぐに挑戦することで、自分らしいこと、唯一無二の足跡を残すことができた。

【新日本プロレスリング株式会社】

――ファンにザック選手らしい決断を示せたと。

ザック それに勝つだけじゃなく、自分は「やるべきこと」と「やらなければならないこと」という考え方、人生のリストがあるんだけど、そのリストを潰していっている最中なんだよ。

――なるほど。人生のチェックリストですか。

ザック まず、『G1』の優勝でファンが自分を見る目線が変わったと思う。また1つ、ザックのレベルが上がったなって感じで。でも、自分がやりたかった「新日本プロレスのトップに立って、この世界を変えていく」っていう部分を考えると、『G1』優勝のあと、2ヶ月間何もせずに、漫然と試合をして過ごすよりも、1.4東京ドームにIWGP世界ヘビー級チャンピオンとして乗り込むんでいくことが何よりも重要だったんだ。

――なるほど。ここから防衛戦をクリアしていけば1.4東京ドームで“最後に入場”することも出来ますし。

ザック そう、最強のチャンピオンとしてね。東京ドームでは、タイトルマッチの“挑戦者”として頂点を極めるわけじゃなくて、外国人のIWGP世界ヘビー級チャンピオンとして、メインイベントのリングに入って行く。そして外国人のチャンピオンとして、初めて勝利して花道を帰っていく……。とにかく東京ドームには、“最強の男”としてリングに上がりたい。自分の中で、それが最も大事なことだったんだ。

■コレは、本当にギャンブルだったんだ!(笑)。だって、タイトルマッチで負けてホームに戻るなんてイヤだろ?

【新日本プロレスリング株式会社】

――今回の試合では、鈴木みのる選手のゴッチ式パイルドライバーを使って、試合後に鈴木軍への感謝を伝えました。

ザック ああ、それからタイチのアックスボンバーもね(笑)。俺にとって鈴木軍は、自分を導いてくれてくれた大切な存在なんだ。いまはIWGP世界ヘビーを獲って、自分のチームもある。今後は、ザック・セイバーJr.個人だけじゃなく、TMDK全体も大きくしなければいけない。でも、鈴木軍に所属した経験がなければ、ここまでの地位に来れてないと思うんだ。その一方で、ここまでの自分を一回終わらせて、次のチャプターに行かなければならない。過去のそうした思いもすべて含めて、現在の“新しいザック”がいるってことなんだ。

――そして今回はついにIWGP世界ヘビー級王者として、ロンドンへ凱旋します。レスラーにとって、これほど最高なことはないんじゃないですか?

ザック でもコレは、本当にギャンブルだったんだ!(笑)。

――やっぱり、そういう気持ちもありましたか(笑)。

ザック だって、タイトルマッチで負けてホームに戻るなんてイヤだろ? 普段、絶対にキャンブルなんてしないタイプなのに、今回は自分のキャリアを懸けてしまったんだ……。

――かなりリスキーな賭けではあったと。

ザック もともと10.14両国での試合が、10.20『Royal Quest』と同じ週に行われることもあって。このタイミングで帰るのは、まさに“ホーム・カミング”(※帰省、帰郷の意味)だよね? 自分のキャリアでも凄く象徴的な試合になるから、もちろんベルトを巻いて帰りたいとは思ってた。それは、さっき言ったチャンピオンとして1.4東京ドームに上がりたいっていう気持ちと一緒かな。

――なるほど。

ザック 俺は新日本プロレスに長く在籍して、IWGPタッグ王座を獲ったこともあるし、ブリティッシュヘビー級王座も獲った、『NEW JAPAN CUP』も2度制覇したけど、本当のトップには届いていなかった。ただ、今回のIWGP世界ヘビー級のベルトは団体の象徴だから、これをロンドンに持って帰れるのは本当にスペシャルなことだね。

■『G1』で勝ってはいるけど、SANADAはこんなに手ごわい相手、こんなにパーフェクトな選手はいないと思ってるからこそ、喜んで挑戦を受け入れた

【新日本プロレスリング株式会社委】

――ザック選手のご家族は、今回の王座戴冠についてなにかリアクションはありましたか?

ザック ……ママが泣いていたよ(うれしそうに)。

――そうですか。ちなみにロンドン大会には、ザックファミリーを招待するんですか? 

ザック そうだね。俺の実家は、ロンドンから1時間半ほどの場所にあるから、みんな来てくれると思う。12、3歳の頃から「俺はプロレスラーになって日本に行く」と宣言してて、ホントに日本に行っちゃったから、長い間一緒にいれなかった。だから、家族は凄く喜んでくれてるし、ついに子どもの頃から言っていた夢を叶えた、そのことをみんな祝福してくれているよ。

――話を聞けば聞くほど、今回は絶対負けられないですね。

ザック 負けられないね。しかし、新日本で7年かけてやっとの思いでベルトを獲ったけどラクじゃないよ。東京ドームまで2ヶ月間、防衛し続けなければならないんだから。

それに、この『Royal Quest』って大会、じつは3回出場して一度も試合に勝てたことがないんだ。今回はもちろん勝ちたいし、いまの自分には自信がある。ただ、SANADAに関しては『G1』で勝ってはいるけど、こんなに手ごわい相手、こんなにパーフェクトな選手はいないと思っているからこそ、喜んで挑戦を受け入れたんだ。

――強敵だからこそ、あえて挑戦を受けましたか。

ザック ああ、もしかしたらSANADAが勝つかもしれない。自分に試練を与えるという意味でも大事な試合なんだ。でも、ラクな相手と闘って防衛しても仕方がない。もちろんロンドンでSANADAに負けるほど、恥ずかしいことはない、その前に、東京で内藤に負けるよりはマシかもしれないけど(笑)。とにかくイージーファイトはいらないんだ。自分にとって価値があるもの、自分にどんな価値があるのか、それを証明する試合なんだよ。

■タナハシの引退? あの件があったから、『週刊プロレス』の表紙が取れなかったんだ!(苦笑)。ただ、それはモチロン、そうなるよね。

【新日本プロレスリング株式会社】

――この10年間の新日本マットを席捲していたBULLET CLUBは、もともと野毛道場にいた外国人選手が立ち上げたものです。いま勢いを増すTMDKは、もともとNOAH道場にいた外国人選手が中心になってますね。

ザック TMDKは、最初はマイキー・ニコルスとシェイン・ヘイストがオーストラリアで何をなかったところから立ち上げたユニットで、NOAHで徐々に大きくなっていった。モダン・オージー・レスリングと日本のプロレスに対する愛が根っこにあるから、結果的にBULLET CLUBのようなヒールユニットとは毛色が違うかたちで進化しているのは、たしかにおもしろいよね。

――最後に一つ、棚橋弘至選手がレスラー引退を発表しました。これに関しての感想は?

【新日本プロレスリング株式会社】

ック ……あの件があったから、今回は『週刊プロレス』の表紙が取れなかったんだよ!(苦笑)。それはモチロン、そうなるよね。だってタイヘンなことだから。試合前だったけど、あのニュースを聞いて、もし自分がベルトを獲れたとしても、表紙はあきらめたよ(笑)。

――これは失礼いたしました(笑)。

ザック タナハシがいなければ、いまの新日本プロレスの繁栄はなかったわけだから。彼一人だけの功績じゃないけど、新日本プロレスの苦境を支えた立役者じゃないか。大きな役割を持っていたと思うし。

新日本のリングでは、ナイトーの次に、たくさんシングルをやってきたと思う。彼のキャリアと交錯することができたのは、光栄だった。社長兼レスラーとしてやってきて、引退を決めたということは社長業に専念できるようになるので、引き続きがんばってほしいね。

タナハシは、いつも「疲れたことがない」と言ってるよね。だから彼なら兼業もできるかもしれないけど、普通の人間には無理。もしかしたら、タナハシは人間じゃないのかもしれないね(笑)。

(了)

【新日本プロレスリング株式会社】

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開催日:日本時間・10月21日(月)
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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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