劇的サヨナラに価値ある逆転勝利…… 北海道日本ハムvs千葉ロッテの今季の戦いを動画で振り返る

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北海道日本ハムファイターズ・田宮裕涼選手 【©パーソル パ・リーグTV】

 10月12日から開幕する「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」のファーストステージに向けて、今季行われた両チームの直接対決の中から印象的だった4試合を、パーソル パ・リーグTVのハイライト映像とともに振り返っていきたい。

「令和の怪物」を鮮やかに攻略した、価値ある逆転勝利(5月10日)

2024年5月10日 北海道日本ハム対千葉ロッテ 試合ハイライト

 千葉ロッテの先発・佐々木投手から2回裏に4番・マルティネス選手が逆方向にソロ本塁打を放ち、北海道日本ハムが先制に成功する。しかし、4回表に今度は千葉ロッテの4番・ソト選手が福島蓮投手から逆転2ランを放って試合をひっくり返すと、5回表には藤岡選手の適時三塁打が飛び出し、点差は2点に広がった。

 しかし、北海道日本ハムは6回裏に佐々木投手を攻め立て、2死2、3塁から松本剛選手の2点適時打で同点に追いつく。その後も攻撃の手を緩めることなく、2番手の岩下大輝投手から田宮裕涼選手が走者一掃の3点適時二塁打を放って勝ち越しに成功。「令和の怪物」を鮮やかに攻略したこの試合は、ポストシーズンを見据えたうえでも意義のあるものだった。

9回に2点差をひっくり返す、劇的なサヨナラ勝ち(5月12日)

2024年5月12日 北海道日本ハム対千葉ロッテ 試合ハイライト

 岡大海選手の先頭打者本塁打で始まったこの試合は、直後の1回裏に郡司裕也選手の犠牲フライで同点に。2回裏に万波中正選手のソロ本塁打で均衡が破れるが、4回表に千葉ロッテが2点を奪って1点勝ち越し。再び同点となって迎えた6回表には、岡選手のこの試合2本目の本塁打で千葉ロッテが勝ち越し、9回表に押し出し四球でリードを2点に広げ9回裏を迎えた。

 それでも、北海道日本ハム打線はクローザーの益田直也投手からチャンスをつくり、マルティネス選手の適時三塁打で1点差に。なおも1死満塁の状況で、伏見選手が代わった鈴木投手から同点打。最後は水野達稀選手がライトに打球を運び、劇的なサヨナラ勝利を飾った。相手の勝ちパターンを立て続けに攻略し、会心の逆転劇を演じてみせた。

夕暮れの空に向かって飛び出した「ヒロミサンセット」(5月19日)

2024年5月19日 千葉ロッテ対北海道日本ハム 試合ハイライト

 千葉ロッテは初回にソト選手のタイムリーで幸先よく2点を先制し、2回裏には相手のパスボールで1点を追加。先発の小島投手は6安打を浴びながら7回まで2失点と粘りの投球を見せたが、8回表に1死1、2塁のピンチを招いてマウンドを降りると、後を受けた澤村投手が押し出し四球を与え、試合は3対3の同点で最終回に突入した。

 そのまま迎えた9回裏、1死無走者で打席には岡選手。この時点で防御率0点台と抜群の安定感を誇っていた河野投手から会心の当たりを放ち、打球はレフトスタンドに飛び込むサヨナラ本塁打に。岡選手にとって3年ぶり3度目となるサヨナラ本塁打は、過去の「ヒロミナイト」にちなんで「ヒロミサンセット」と称される、まさに劇的な一打となった。

ビッグイニングをやり返す猛攻を見せ、敵地で乱打戦を制す(7月3日)

2024年7月3日 北海道日本ハム対千葉ロッテ 試合ハイライト

 2回表に北海道日本ハムの先発左腕・細野晴希投手から佐藤都志也選手が3ランを放ち、千葉ロッテが3点のリードを得る。しかし、北海道日本ハムも3回裏に千葉ロッテの先発・田中晴也投手を攻め、水谷瞬選手の適時打とレイエス選手の逆転満塁ホームランで一気に5得点。ビッグイニングを築き上げて試合をひっくり返す。

 それでも、千葉ロッテは6回表に佐藤選手の4打点目となるタイムリーで1点差に詰め寄ると、無死満塁から藤原選手の2点適時二塁打で再逆転。その後も藤岡選手の内野ゴロの間に1点、2死3塁から荻野選手の適時内野安打でもう1点を挙げ、こちらも1イニング5得点を記録。苦手としていたエスコンフィールドで、鮮やかな逆転勝利を収めている。

今季の相性とファーストステージでの勝負強さ、上回るのはどちらか

 北海道日本ハムは対戦成績で18勝6敗1分と千葉ロッテを大きくリードしており、先発・リリーフ・野手陣のいずれにおいても好相性を示す選手が多く存在。開幕から直接対決で7連勝を記録したエスコンフィールドで試合を行うという「地の利」も含めて、北海道日本ハムにとっては有利な材料が揃っているといえよう。

 しかし、千葉ロッテは2005年のプレーオフも含めてファーストステージを戦った経験が8度あり、そのうち敗退したのはわずか1回のみ。昨季も延長戦で3点ビハインドを覆す奇跡の逆転劇によってファイナルに駒を進めただけに、ファーストステージにおける無類の勝負強さが、シーズン中の相性を覆すことになるかは注目のポイントといえよう。

 下克上を果たすための第一関門を突破するのは、北海道日本ハムか、それとも千葉ロッテか。今シーズンの集大成となるポストシーズンにおいて、両チームが見せてくれる戦いぶりにあらためて注目したいところだ。

文・望月遼太
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