【Tリーグ日本ペイントマレッツ】スタッフコラム#5“挑戦者”

日本ペイントマレッツ
チーム・協会

【Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT】

9/28(土) 日本ペイントマレッツ 3-2 日本生命レッドエルフ

【第1マッチ(ダブルス)】横井 咲桜・青木 咲智 2-1 笹尾 明日香・麻生 麗名(11-10/6-11/12-10)
【第2マッチ(シングルス)】佐藤 瞳 3-1 竹谷 美涼(11-6/11-6/7-11/11-9)
【第3マッチ(シングルス)】橋本 帆乃香 3-0 上澤 杏音(10-11/6-11/4-11)
【第4マッチ(シングルス)】横井 咲桜 1-3 笹尾 明日香(9-11/11-9/2-11/9-11)
【ビクトリーマッチ】橋本 帆乃香 1-0 上澤 杏音(11-9)

【Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT】

住吉でのホームゲームから1週間も経たないうちにアウェイの試合が待ち受けていて、気持ちや体力面が少し心配だったが、いつも通り練習に打ち込んでいる選手の姿があり、ホッとした。
今回の試合前に大嶋監督に話を聞いてみた。よく「挑戦者の気持ちになって、向かっていく気持ちを忘れず…」という言葉を繰り返すが、今日はまさにその言葉がマッチするオーダーではないだろうか。「今日の試合はいつもの3倍くらいは向かっていく気持ちにならないといけないですね」と不安そうに大嶋監督は話していた。対戦する出場選手の中に2人も高校生がいた。高校生の彼女たちにとっては挑戦者で思い切って向かってくるだろう。向かっていく気持ちになろうと心の中でわかっていても、頭のどこかで「負けたくない、勝たないと!」と考えてしまうものだ。そんな時はどんな風に試合に入るのか芝田選手に聞いてみると「気持ちの部分はなにも考えず、ただ戦術に集中するだけですね」と納得のいく回答が返ってきた。相手はどういうことが得意で、何が苦手なのか。いわゆる「対策」をしっかりと行うことが大事だと教えてくれた。負けたくないという気持ちが強すぎると、力が入り、積極的なプレーができなくなる。余計なことは考えないように準備をするのがポイントだそうだ。

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今回のダブルスは、ある意味「挑戦者」だった。対戦相手は昨シーズンのダブルスMVP獲得ペアだったからだ。Tリーグでは初登場となる新ペア横井選手・青木選手の“さくさちペア“は、2年前の全日本選手権以来組んだことが無い。青木選手に聞くと「横井選手は憧れの選手なのでこんな舞台で組ませてもらえて、一緒に戦うことができてすごく嬉しかったです。緊張して何度もミスしてしまった時には横井選手が笑顔で話しかけてくれて、励まされました。なので、楽しく試合をすることができました!」と横井選手が青木選手を引っ張っていたようだ。ダブルスで大事なのはお互いの信頼関係だ。ダブルスでは戦術も重要だが、精神面で支えてもらえることが勝つためのポイントとなることも多い。横井選手はどちらかというと、引っ張ってもらっているという印象が強かったが、しっかりと後輩を引っ張り、支えていたようだ。そんな姿と新ペア誕生の瞬間に胸が熱くなった。

【Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT】

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そして試合の勝利の決定打を放ったのは、橋本選手である。第3マッチで敗れた選手と再戦となった。第3マッチ終了後にビクトリーマッチの起用を伝えられていた為、この試合帯同していなかった安藤トレーナーと連絡を取り「目のトレーニング」をリモートで行ったそうだ。以前、安藤トレーナーに目の重要性について教わったことがある。目が動いていないと、反応が鈍くなってしまう。今回の試合を見て、目が全く動いていないという安藤トレーナーの指摘があり、トレーニングを急遽行った。「そのトレーニングのおかげもあり、第3マッチよりも反応良く動くことができていたと思います」と大嶋監督は教えてくれた。
本人は「ビクトリーマッチに起用してもらえるとは思ってもおらず、指名してもらった時は非常に驚きました。不安が9割くらいだったんですけど、そんな気持ちで戦ってはいけない!どんな戦いになっても、とにかく相手よりも1本多くコートに入れようという覚悟を決めました」と話してくれた。誰もが逃げたいと思うような場面でも橋本選手のメンタルの強さが光った1戦だった。「第3マッチより攻めていくようにと監督にアドバイスをいただき、そのおかげで戦術面でも積極的になり、気持ち的にも攻める気持ちを持ち続けてプレーすることができました」と橋本選手は言ったが、橋本選手自身も敗戦を冷静に分析しビクトリーマッチに臨んでいたように思う。加えて筆者の目には、ミスを恐れて消極的になってしまうのが普通だが、そこを振り切ってむしろ楽しんでいるようにも見えた。
技術面ももちろん大事だが、色んな要素があり今回の勝利に繋がっているように思う。それでも、選手たちは今回の試合内容に納得していない様子だった。目指しているところはもっともっと高い山だ。頂上までの道のりはまだまだ険しく、苦しい戦いがたくさん待っているだろう。皆さんの声援が彼女たちのパワーの源になる。そんな彼女たちの挑戦をこれからも見守っていただきたい。
Text by Yu.Uchinami Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT

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著者プロフィール

日本ペイントグループ女子卓球チーム「日本ペイントマレッツ」は、2017年4月に誕生し、2018年に卓球のTリーグが発足すると同時にTリーグに参画しました。 世界で活躍できるトップ水準の選手育成と排出を目標に掲げ、各地域での子ども向け卓球教室の開催やこども卓球台の寄贈などを通じて「卓球」の魅力と可能性を広げ、更なる発展に貢献しています。また、卓球で“ヒト”と“ヒト”をつなぎ、ホームタウンである大阪の街や生活に活力と夢、彩を与えています。

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