今季7勝の竹田麗央 高まるシーズン最多勝記録更新
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
JLPGAツアー2024シーズン公式競技・第3戦『日本女子オープンゴルフ選手権』(賞金総額1億5,000万円/優勝賞金3,000万円)大会最終日が9月29日、茨城県坂東市・大利根カントリークラブ西コース(6,845ヤード/パー72)で行われた。通算10アンダーで竹田麗央が今大会初優勝を飾ると同時に、公式競技2連勝とした。2打差の通算8アンダー、2位に岩井明愛。通算7アンダー、3位に山下美夢有。
(天候:曇り 気温:25.0℃ 風速:2.1m/s)
《グリーン=スティンプ:11.5フィート コンパクション:22.5mm》
大会最終日は22、23年の年間女王であり、今季メルセデス・ランキングで2位につけている山下美夢有とのマッチアップとなった竹田麗央。ある意味、“山下時代”が続くのか、“竹田時代”が到来するのかを占う一戦として注目が集まった。
もちろん、竹田自身にそんな気負いは一切ない。試合前に考えていたことは、「自分のプレーに集中して、最後まであきらめずにプレーしよう」というシンプルな思いだけだった。とはいえ、同じ首位には山下がいて、僅差で実力者が名を連ねた中でのスタートだ。プレッシャーが大きかったのはいうまでもない。
ましてや最終日はピン位置が厳しくなる。前日に67をマークしたが、この日は思うようにショットがピンに絡まず、なかなかバーディーを奪えない状況が続いた。それでも前半は3番・パー4でピンまで残り185ヤードから5番アイアンで30センチに。8番・パー4でも残り125ヤードからピッチングウェッジで30センチにつけてバーディーを奪う。ただ、後半に入るとグリーンを狙うショットが手前のラフにつかまるシーンが増えてきた。
最初のピンチは12番・パー3。グリーン右手前のラフからバンカー越えのアプローチを残す。ピン位置が手前だけに寄せにくいと思われたが、今年に入ってからマスターしたロブショットが竹田を救った。ピンの近くにボールを落とし、1パットのパーセーブでピンチを逃げ切った。さらに13番・パー5では2打でグリーン近くのラフまで運び、そこから再びロブショットでピンに寄せてバーディーを奪う。14番・パー4でもラフからのアプローチをロブショットでしのいだ。単なる飛ばし屋ではなく、小技の上手いパワーヒッターへと成長したことが、竹田の今季躍進につながっていることを改めて証明した。
「以前はあまりロブショットを使いませんでしたが、マスターしてからはよく使うようになりました」。竹田の場合、ショットの持ち球がフェードボールであり、どちらかといえばカット軌道にクラブを振ることは得意だった。その分、アウトサイドからインサイドへクラブを振るロブショットへの順応性が高かったのかもしれない。
最終的に2位に2打差をつけて今大会初優勝を飾った竹田。初優勝したシーズンに7勝を挙げたのはツアー新記録となる。また、同一年に公式競技であるソニー 日本女子プロ選手権と日本女子オープンを制したことで5年シードを獲得した。
今回の優勝でメルセデス・ランキングは3,000ポイントを越えて首位を独走。平均ストロークも69.2793として1位の座を取り戻した。今後は不動裕理が持つシーズン最多勝(10勝)の記録更新を期待される竹田。今季の残りは8戦で勝率5割を求められるものの、今の竹田ならその壁を乗り越えそうな気がしてならない。
(山西 英希)
(天候:曇り 気温:25.0℃ 風速:2.1m/s)
《グリーン=スティンプ:11.5フィート コンパクション:22.5mm》
大会最終日は22、23年の年間女王であり、今季メルセデス・ランキングで2位につけている山下美夢有とのマッチアップとなった竹田麗央。ある意味、“山下時代”が続くのか、“竹田時代”が到来するのかを占う一戦として注目が集まった。
もちろん、竹田自身にそんな気負いは一切ない。試合前に考えていたことは、「自分のプレーに集中して、最後まであきらめずにプレーしよう」というシンプルな思いだけだった。とはいえ、同じ首位には山下がいて、僅差で実力者が名を連ねた中でのスタートだ。プレッシャーが大きかったのはいうまでもない。
ましてや最終日はピン位置が厳しくなる。前日に67をマークしたが、この日は思うようにショットがピンに絡まず、なかなかバーディーを奪えない状況が続いた。それでも前半は3番・パー4でピンまで残り185ヤードから5番アイアンで30センチに。8番・パー4でも残り125ヤードからピッチングウェッジで30センチにつけてバーディーを奪う。ただ、後半に入るとグリーンを狙うショットが手前のラフにつかまるシーンが増えてきた。
最初のピンチは12番・パー3。グリーン右手前のラフからバンカー越えのアプローチを残す。ピン位置が手前だけに寄せにくいと思われたが、今年に入ってからマスターしたロブショットが竹田を救った。ピンの近くにボールを落とし、1パットのパーセーブでピンチを逃げ切った。さらに13番・パー5では2打でグリーン近くのラフまで運び、そこから再びロブショットでピンに寄せてバーディーを奪う。14番・パー4でもラフからのアプローチをロブショットでしのいだ。単なる飛ばし屋ではなく、小技の上手いパワーヒッターへと成長したことが、竹田の今季躍進につながっていることを改めて証明した。
「以前はあまりロブショットを使いませんでしたが、マスターしてからはよく使うようになりました」。竹田の場合、ショットの持ち球がフェードボールであり、どちらかといえばカット軌道にクラブを振ることは得意だった。その分、アウトサイドからインサイドへクラブを振るロブショットへの順応性が高かったのかもしれない。
最終的に2位に2打差をつけて今大会初優勝を飾った竹田。初優勝したシーズンに7勝を挙げたのはツアー新記録となる。また、同一年に公式競技であるソニー 日本女子プロ選手権と日本女子オープンを制したことで5年シードを獲得した。
今回の優勝でメルセデス・ランキングは3,000ポイントを越えて首位を独走。平均ストロークも69.2793として1位の座を取り戻した。今後は不動裕理が持つシーズン最多勝(10勝)の記録更新を期待される竹田。今季の残りは8戦で勝率5割を求められるものの、今の竹田ならその壁を乗り越えそうな気がしてならない。
(山西 英希)
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
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