「“心配されるチャンピオン”ってなんだよ!? 内藤がこのままIWGPを持ち続けてたら、新日本プロレス自体が後ろ向きになってしまう、“未来がない”んだよ!!」9.28神戸で激突!グレート-O-カーンに直撃インタビュー!!

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【新日本プロレスリング株式会社】

シリーズ最終戦となる『DESTRUCTION in KOBE』9月29日 (日)兵庫・神戸ワールド記念ホールにて実現する“IWGP世界ヘビー級選手権”内藤哲也vsグレート-O-カーンのタイトルマッチ。

10月14日 (月・祝)両国国技館では、この日の勝者が『G1』覇者・ザック・セイバーJr.の挑戦を受けることも決定。年明けの東京ドーム2連戦へ向けて大きな意味を持つ大一番へ向け、“支配者”を自認するオーカーンに直撃ロングインタビュー!

撮影/中原義史

■『DESTRUCTION in KOBE』
9月29日(日) 14:30開場 16:00開始
兵庫・神戸ワールド記念ホール
 ※「ロイヤルシート」は完売。「アリーナS」は残りわずかとなりました。

※リンク先は外部サイトの場合があります

■これまで内藤哲也に実力で勝ったヤツはごまんといるだろうよ。だが、声援で勝ったのは余が初めてじゃないか? 

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――オーカーン選手、9月29日 (日)神戸大会のお話の前に、まず、8.12『G1 CLIMAX 34』アオーレ長岡大会での内藤哲也選手との公式戦のことから伺わせてください。

オーカーン うむ。是非もなし。

――あの日、内藤選手から勝利を挙げましたが、試合中には大「オーカーン」コールが発生しました。お客さんの反応をリング上から見て、どんなお気持ちでしたか?

オーカーン まずリングに上る前から薄々“気配”というか、流れというものを感じていたんだよ。

――長岡のファンはみんなオーカーン選手を応援するんじゃないかと感じていた?

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オーカーン うむ。長岡の愚民どもが、手の平を返して余の方についてくるということを、なんとなく察しておった。そもそもこれまで余が闘った試合に限らず、内藤のどのタイトルマッチも、どんな試合でも、声援はアイツへのコールが大半だったと思う。ところがこの長岡での試合は、余への声援の方が大きかった……。

――そうでしたね。

オーカーン ゴングが鳴って、最初はやっぱり「内藤」コールだったんだが、あれよあれよという間に「オーカーン」コールが飲み込んだよな? 逆転するまで、2〜3秒ぐらいの間だったと思う。これで確信したね。ファンっていうのは内藤のファンもいれば、余の帝国民もいる。しかし、ニュートラルなヤツもいるんだよ。

――いわゆる無党派層というか。

オーカーン ああ、ジェフ・コブのファンもいれば、棚橋(弘至)、EVIL、あるいは新潟県出身のSANADAのファンとか、そういう連中は内藤と余の試合に限って言えば、ニュートラルな存在なんだ。しかし、この試合ではそいつらがすべて余の方についた。これまでは内藤がチャンピオンだから、内藤が人気だからとかで、どこに行っても声援が集まっていたのが、その形式が初めて破られたんだよ。これまで内藤哲也に実力で勝ったヤツはごまんといるだろうよ。だが、声援で勝ったのは余が初めてじゃないか? 

――最初のコールの時点で、それほど革命的な出来事が起きていたと。

オーカーン あの日、どっちが『G1』の決勝トーナメントに進むかで、お互いに背水の陣だったと思う。内藤は本当に背水の陣だったんだろう。だが、余は後ろにワンクッションあって、何かに背中を押されている感触があった。だから、もうあの時点で負ける気はしなかったね。

■内藤は十分な経験がある。なのに、なぜコンディションを戻せなかったか? その差は何か? それはアイツにはもう“未来がない”から

【新日本プロレスリング株式会社】

――『G1』という舞台で闘ってみて、現IWGP世界ヘビー級王者にして『G1』前年度覇者の内藤選手に対して、思うことはありますか?

オーカーン 今回の『G1』、内藤は前半は敗戦続きだったが、余も敗戦続きだったのは同じだ。余の場合、コンディションが悪いというよりも、闘い方を変えている最中だったんだよな。格闘技の技術はある。スタイルを変える構想もある。そして、キッカケも掴んでいる。だが、それらをプロレスの試合に落とし込むことができていなかった。だから「何か1つ、何かがちょっとだけ足りない」という感覚があったんだよ。

――それが前半の公式戦4連敗という結果だったと。
オーカーン その連敗が止まった公式戦5戦目、7.29福岡大会でのジェイク・リー戦で、パズルがピタリとハマるような感覚が生まれた。そこからあれよあれよという間に、パズルを組み立てていったら、その後は連勝街道だ。内藤の場合もコンディションが悪かったんだろうが、アイツも紆余曲折の悩みがあり、そこから丸め込むという方法に走って勝っていった。あれで明暗が分かれたんだろうな。

――同じ連敗からの脱出でも、方法論は真逆というか。

オーカーン 余は『G1』の中でちゃんとコンディションを戻した。アイツは“戻しきれなかった”。余はデビューしてたかだか6年の若造だよ。一方の内藤は十分な経験がある。なのに、なぜコンディションを戻せなかったか? その差は何か? それはアイツにはもう“未来がない”から。歳もそうだし、身体もそうだ。だが、余はもっともっと上に行くためにファイトスタイルを変えた。余も悩んだし、迷ったよ。反省もした。その上でさらに上を目指そうとした。

――なるほど。

オーカーン アイツが得意にしているコーナーで相手を蹴ってロープを飛び越えて、足を払って、トップロープ・オーバーでポンと蹴る技があるだろ? ああいった得意技が今回の『G1』中、ドンドン減っていったな? フィニッシュも変えたな? あの選択は身体が動かないという“後ろ向きな理由”からだ。アイツにはもう前向きさがない。それが本当に今回の『G1』にはよく出ていたな。

――修正の仕方、その考え方がまったく違ったということですね。

オーカーン たとえばコメントにしても、「俺に残されたプロレスの時間は少ない」とか言って、いつもはとくに気にもせず、認めてもいない新世代の話題を出していたな。8.6後楽園ホールで海野翔太戦が終わった時も、「これからも新世代が続く。カラム・ニューマン、グレート-O-カーン、会社から応援されるのはいいよ。でも、自分の力で獲ってみろ」とか言っておった。

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――内藤選手は「(新世代)出てこいって言われて簡単に出てこれるほど、この新日本プロレス、そしてプロレス界は甘くない」とも言ってました。

オーカーン なんか、引退を間近にした先輩が胸を貸すみたいな、そんな雰囲気を感じたんだよ。アイツは、そういう心になっちまっているんだよ! もうチャンピオンでいることを維持するだけで、上を目指していない。だから焦っている。その焦りをよく表していたのが、余との試合の中盤で、余のコールが起きた時、アイツはあろうことかお客様に向かってツバを吐いたんだ!(声を荒げて)。

いいか、アイツは普段、『お客様』とか『大合唱しましょう』とか、あるいは『お越しください』とか、ファンに媚びへつらった言葉を使っているだろう。だが、その面の下では自分のことが大好きで、自分のことを応援してくれないヤツは愚民だと思っているってことなんだよ!

――あのツバ吐きに関しては、許せない行動だったと。

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オーカーン あれがチャンピオンのやることか? 器が小さすぎるだろう。でも、それはしょうがない。アイツは焦っているから。ここからはもう堕ちるしかないからな。目も見えない、身体も動かない、心もすり減っているだろう。下からの追い上げがある中で、AEWのジョン・モクスリーに一度はベルトを奪われもした。それにより心も疲弊したはずだ。

しかも、ツバを吐くだけじゃなく、丸め込みで勝ったり、とてもチャンピオンとは思えない試合をしている。あのIWGP世界ヘビーはいわば“横綱の証”だ。新日本プロレスで一番強いヤツを、わかりやすく明確にした証なんだよ。あのベルトを持っているということは、新日本プロレスの顔だろう。それがあの闘い方、あの勝ち方で誰が納得する? 

――オーカーン選手的には、まったく納得いかないと。

オーカーン あの長岡での闘いは、ただの『G1』の決勝トーナメントに行くための1試合じゃない。余と内藤、これからの道をハッキリと分けた試合だったと思う。よく「明暗が分かれた」と言うか、目に見える未来がハッキリと映った試合だったんじゃないかと思うな。

■ファンに心配されるチャンピオンってなんだよ!? いや、チャンピオンうんぬんの前に、“心配されるレスラー”ってなんだよ? って話だな。

【新日本プロレスリング株式会社】

――たしかに今、内藤選手のファンからは、「内藤はあとどれくらいやれるんだろうか?」とか、「ケガをしないだろうか?」とか、どこか心配しながら見ている雰囲気も感じます。

オーカーン それは余も感じているな。でも、心配されるチャンピオンってなんだよ!? いや、チャンピオンうんぬんの前に、“心配されるレスラー”ってなんだよ? って話だな。レスラーの魅力とは何か? それは他の格闘技にはない、やられてもやられても立ち上がっていく、その泥臭さだろ? 心配されることじゃねぇだろう!

安くないチケットを買って来てくれている帝国民、愚民どもに元気を与えるのがプロの仕事なんだ。それがプロフェッショナル・レスリングじゃ! アマチュア・レスリングじゃねぇんだぞ!プロは金を貰って、その対価を提供しなきゃいけない。アイツはその安くないチケット代を貰って、何を返している? 入場もTシャツや自分のグッズを着て、試合中も肉体を見せず、その内容も特にウケていない。勝つとしても丸め込み。安くないチケット代を買わせる広報活動を一切していない! 

――…………。

オーカーン アイツがこのままIWGP世界ヘビーのチャンピオンでいたら、ファンは高い金を払って観に来たのに、心配して帰ることになる。そんな新日本プロレスの、いったいどこが胸を張れるんだ!? (ウィル・)オスプレイやオカダ(・カズチカ)、飯伏(幸太)、他にもケニー(・オメガ)やら、IWGPを持った選手たちが、ドンドン海外に行っている。わかりやすく言えば、主力選手だったヤツらがドンドン抜けていっているんだ。その主力選手の1人だった内藤哲也も、ドンドン歳を食って衰えていく一方だ。

【新日本プロレスリング株式会社】

アイツに夢を見て、アイツを応援していたヤツが今は心配をして、「大丈夫ですか?」って声をかけている。「内藤」コールは起きるけれども、あれはもう夢を見ているんじゃない。夢を乗せているんじゃない。「もうちょっと頑張ってくれ」「もうちょっと闘ってくれ」っていう心配の声なんだよ。

ファンも後ろ向きな思いで見ていることは明白だ。これは内藤哲也だけの問題じゃない。そんなアイツがこのままIWGPヘビーを持ち続けていたら、新日本プロレス自体が後ろ向きになってしまうんだよ! 未来がないんだよ。じゃあ、誰が未来を作るのか……?

――それは、ご自身だと言いたいわけですね。

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オーカーン うむ。他に誰がいるんだ? これまでIWGPには新世代と呼ばれる中で辻(陽太)、海野(翔太)、成田(蓮)が挑戦した。実力は申し分ないだろう。他にもSANADAや鷹木(信悟)といった連中が挑戦してきた。たしかに内藤に実力で勝ったヤツらもたくさんいる。だが、声援、人気、期待値で勝ったのは余しかいない! 

それがソイツらと余の大きな違いだ。あの長岡での試合がたとえ判官びいきだったとしても、まぐれで勝ったとしてもだ。あの1試合、あの時だけは「内藤を倒してくれ!」という期待値、未来を望む力が上回った。

――なるほど。

オーカーン プロレスってのは勝てばいいってもんじゃない。どれだけその安くないチケットを買ったお客様に、未来を見せて楽しんでもらえるかなんだよ。心配されているようじゃ、新日本プロレス自体が、そしてIWGP世界ヘビーの価値が下がる!(キッパリ)。

■IWGP王者であり『G1』前年度覇者であり、なおかつ余に負けた内藤が、「今年中に借りを返したい」と言うから、ヤツのチャレンジを“受け止めて”やるんだよ。

【新日本プロレスリング株式会社】

――内藤選手へのお気持ちは十分わかりました。話題を変えて、オーカーン選手が2020年10月16日の両国大会で帰国して、約4年経過。ついにIWGP世界ヘビー挑戦までたどり着いたわけですけど、この4年は長かったですか? それともちょうどいいタイミングだと思われますか?

オーカーン 長い・短いというよりは、凄く“濃かった”よな。とても4年間とは思えないほど充実したリング内外の活動をしてきたよ。長岡でも言ったけど、いまの余はプロレスラーとしてはやっとスタートラインに立ったわけだ。ようやくプロレスを理解して、プロレスを楽しんで、やっとプロレスラーになったという感覚だな? 

それでも、これまでプロレスラーができないであろう、内外の活躍をしてきたわけだからな。だから、その4年を費やしてやっとIWGPにたどり着いたと言われると違和感があるし、別に余はIWGPがなくたっていいんだよ。

――あ、そうですか。

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オーカーン ああ、それぐらい“濃い”活動をしてきたんだから。余の目的はプロレス界を支配することであり、いまだにプロレス界の象徴であるアントニオ猪木を超えること。それは、IWGPがなくてもできる、なくてもやってやる……。その気持ちがあったから、「ベルトはアクセサリーにすぎない」と言ってきたわけだ。

――たしかに、よく言ってましたね。

オーカーン だが、たしかにIWGPがあった方が、アントニオ猪木を超えられやすいのも事実だ。そして、今回に限ってはIWGPチャンピオンであり『G1』の前年度覇者であり、なおかつ余に負けた内藤が、「今年中に借りを返したい」と言うから、ヤツのチャレンジを“受け止めて”やるんだよ。余が挑戦するというよりも、そういう思いだよ。

■前から、ザック・セイバーJr.に勝つ時はサブミッションって決めていたし、そのために1回目に闘った時から隠していた“奥の手”があるんだよ。

【新日本プロレスリング株式会社】

――9.7山梨大会の試合後、神戸で内藤選手に勝ってIWGP世界ヘビー級王者になって、ザック・セイバーJr.選手と両国で当たった場合の話もされてましたね。「サブミッション王を決める試合になる」と。

オーカーン 余は、これまでザック・セイバーJr.には、1回も勝ったことがない。だが、前から勝つ時はサブミッションって決めていたし、そのために1回目に闘った時から隠していた“奥の手”があるんだよ。実はサブミッションの大技で、まだ出していない技がある。この大技を使って、今まで勝ったことがないザック・セイバーJr.に、サブミッションで勝ったというシンデレラストーリーを、皇帝である余が実現する。

――確か賞金も賭けるとおっしゃっていました。

オーカーン フフフ……。賭けるよ。あの時は100万円ってとっさに言ってしまったけど、余とザックのストロングスタイルなサブミッションマッチだったら、負けた方は1億円ぐらいは払わないとダメだろうな。

――1億円……ですか!

オーカーン それぐらいの価値があるだろう。余たちのプライドはその金額でなければ、満たされん(ニヤリ)。

■日本のプロレスビジネスはドンドン縮小していく一方だ。この50年の間に、IWGPヘビー級王座もIWGP世界ヘビー級王座になった。まさに今、我々は歴史の転換点にいるわけだ。

【新日本プロレスリング株式会社】

――では、最後にお聞きしますが、神戸でIWGP世界ヘビー級王座を獲った場合、東京ドームのメインイベント出場に一歩近づきます。IWGP王座を獲った時のマニフェストがあったら教えてください。

オーカーン やはり、いまだにプロレス界の象徴と言われるアントニオ猪木を超えること。この50年、誰もアントニオ猪木を超えられていない。そして、日本のプロレスビジネスはドンドン縮小していく一方だ。この50年の間に、IWGPヘビー級王座もIWGP世界ヘビー級王座になった。まさに今、我々は歴史の転換点にいるわけだ。

おそらく内藤哲也は、いまも東京ドームで最後に入場して、ファンと一緒に大合唱することしか考えていないだろう。さっきも言ったように“未来”を考えていない。だが、余はやっとプロレスが楽しくなってきただけの男だ。プロレスでアントニオ猪木を超えられるのは余しかいない。

――いまのオーカーン選手には、未来しか見えていないと。

【新日本プロレスリング株式会社】

オーカーン そうだ。だから、内藤哲也が余をバカにした“広報活動”で、さらに環状線理論を拡大し、内藤哲也ができない基礎のレスリングを使ったストロングスタイルのプロレスで、内藤哲也が誕生を阻止できなかったIWGP世界ヘビーのベルトを持って、これまでの創立50年の歴史とアントニオ猪木を超えて、新日本プロレスの真の支配者になる。これが余のマニフェストだよ。ひれ伏せ、愚民ども……!
(了)

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■『DESTRUCTION in KOBE』
9月29日(日) 14:30開場 16:00開始
兵庫・神戸ワールド記念ホール
※「ロイヤルシート」は完売。「アリーナS」は残りわずかとなりました。 

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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