【連載】野球部 秋季リーグ戦開幕直前特集 『Beyond』 【第3回】 小澤周平×前田健伸

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 小島大典、長屋咲希

 今春の東京六大学リーグ戦(リーグ戦)での大躍進を支えた3年生内野手の小澤周平(スポ3=群馬・健大高崎)と前田健伸(商3=大阪桐蔭)。夏に見つかった課題や、秋季リーグ戦に向けての展望などを伺った。

※この取材は9月5日にオンラインで行われたものです。

監督にしごかれながら練習した(前田)

【早稲田スポーツ新聞会】

――他己紹介をお願いします

小澤 彼(前田)は左利きで、とても体が大きくてバッティングがとてもいい選手です。

前田 小澤は守備が上手くて、勝負強いバッティングをするいいバッターだなと思います。

――お互いにキャッチコピーをつけるなら何とつけますか

小澤 「前田親方」でお願いします。

前田 長打もあるので、「小さな巨人」でお願いします。

――なぜ「前田親方」とキャッチコピーを付けましたか

小澤 前田はみんなからぽっちゃりいじりされているので(笑)。相撲やったら強そうじゃないですか(笑)。

――部外でのお二人の関係性を教えてください

小澤 前田の自転車は結構高級なもので、進みがいいのでよく借りて出かけています(笑)。

前田 僕が出かけようとしたら自転車がなくなっているので結構困ってます(笑)。

――夏のキャンプについてお伺いします。キャンプの中で印象に残っている練習を教えてください

前田 二人とも特守と言うんじゃないかなと思います。泥だらけになって、監督にしごかれながら練習したのを鮮明に覚えています。

小澤 自分も特守です。グローブの紐が切れてしまったので、監督が20年くらい大事にしているグローブを貸してもらったのですが、それをつけて跳んだら汚してしまったことが印象に残っています。

――春季リーグ戦での改善点などを通じて、打撃面では何を目標に取り組みましたか

前田 春は長打があまり打てていなかったので、長打を打つ延長線上で強い打球を打つことをキャンプで取り組んでいました。

小澤 確実性を上げたかったので、スイングを強くしてコンタクト率を上げられるように頑張りました。

――守備面ではいかがですか

前田 守備範囲を広げることです。特守ではギリギリ取れないくらいの打球が来るので、ノッカーに負けないようにというのもありますし、自分にも負けないように、頑張って取りに行っていました。

小澤 土のグラウンドがとても苦手なので、土に慣れるように、一つ一つの動きを丁寧にというのを意識してやっていました。

――全早稲田戦では多くのOBがいらっしゃいましたが、何か学びになったことはありますか

前田 社会人はいいピッチャーが多いので、初球からガツガツいく積極性が大事だと学びました。

小澤 サード練習の時に、明治安田生命の福岡(高輝、令2スポ卒)さんがサードを守っていて、そこでお話ししました。福岡さんは、大学の時はめちゃめちゃ守備が上手いと思っていたけど、社会人に入ったら全くそうではなかったという話をしていて。何が違うのかを聞いたら、一つのプレーに対する丁寧さが違うとおっしゃっていたので、自分ももっと一つ一つのプレーの精度を上げていかなければと感じさせられました。

――ここからは夏季オープン戦についてお伺いします。まずここまでを振り返ってご自身の状態はいかがですか

前田 いい時も悪い時もあるので何とも言えないのですが、キャンプで取り組んできた、強い打球を打つということが結果として少しずつ現れてきているのかなとは思います。

小澤 自分は状態を1から10で表すと1です(笑)。ここから下がることはないので、これから頑張ります。

――印象に残っている試合はありますか

前田 ソフトバンク3軍戦で、160㌔を投げる先発ピッチャーがいたのですが、なかなか160㌔を体感することもないので、そのピッチャーと対戦できたのはいい経験になったし、その試合は鮮明に覚えています。

小澤 ジャイアンツ戦で先発だった髙橋優貴投手は、自分たちが高校生くらいの時に10勝以上挙げているピッチャーなので、そういった自分が見てきたピッチャーと対戦できたのは印象に残っています。バットにちゃんと当たったのは嬉しかったですね。

――手応えを感じたプレーはありますか

前田 全早稲田戦で加藤さん(孝太郎、令6人卒=現JFE東日本)から打ったホームランです。昨年のエースから打てたというのは、春に比べると多少は成長したのかなと思いました。

小澤 手応えはありません(笑)。

前田 アウトだったけど自分の中では内容良かったとかでいいんじゃない。

小澤 それもないんだよな(笑)。今日の練習でシートバッティングがあったのですが、そこでめちゃめちゃ久しぶりにクリーンヒットが打てて、このまま調子上がるのではないかと思っています。

――成長したと感じるチームメイトはいますか

前田 吉田瑞樹(スポ3=埼玉・浦和学院)かなと思います。昨日(日大戦)の土壇場での逆転ホームランは感動しました。

小澤 印出さん(太一主将、スポ4=愛知・中京大中京)と鹿田さん(泰生、商4=東京・早実)ですね。印出さんはスローイングがすごく良くなったなと。鹿田さんも148㌔くらいを連発しているので。この前それで三振してしまって。自分はストレートで三振することがほとんどないのですが、振り遅れて三振してしまったので、鹿田さんは期待できると思います。

――夏季オープン戦で見つかった課題があれば教えてください

前田 もう少し守備を頑張りたいと思います。

小澤 バッティング全般なのですが、特に1、2打席打てなかった時の3打席目の対応が課題です。1、2打席目で打てた試合はそのまま乗っていけるのですが、凡退した後の打席をしっかり大切にしていきたいと思います。

とにかくバットを振るしかない(小澤)

【早稲田スポーツ新聞会】

――ここから小澤選手に質問させていただきます。北海道ベースボールウィーク2024では2日目の守備から出場し好プレーもありました。振り返っていかがですか

小澤 エスコン(エスコンフィールドHOKKAIDO)がとにかくすごかったです。東京ドームとかも見てきたんですけど、 内装がすごくて、なんていうか高級ホテルみたいな感じで。野球とは全然違うところですごい興奮してました(笑)。

――六大学オールスターを通じて、今まで話していなくて仲良くなれた六大学の選手はいますか

小澤 今までも(六大学の選手と)話していたのですが、東大の渡辺向輝(3年)と話したのは印象に残っています。

――試合後に宗山塁(明大4年)選手からサインをもらっていましたが

小澤 田村(康介、商3=早大学院)に頼まれていたので(笑)。自分の分もいただいたんですけど、田村がどうしても欲しいと言っていたので、「頭下げてもらってきたぞ」と言って渡しました(笑)。

――先ほどは現在の状態は1だとおっしゃっていたが、南魚沼キャンプや夏季オープン戦を通じて、フォームなど打撃面で変えた部分はありますか

小澤 ずっとコロコロ(フォームを)変えていて、合うのがないかなという風に探しています。最近、金森さん(栄治助監督、昭54教卒=PL学園)の現役時代みたいな打ち方にしたら、少し良い打球が飛んできました。具体的に言うと、少し脇を締めて小さくなって、小さくなったとこから力を爆発させるみたいな打ち方なんですけれど、それがハマってくれたらいいなと思ってます。

――守備では今春は二塁、三塁両方を守りましたが、今季も同じような起用になりそうですか

小澤 二塁の練習はあまりしていないので、多分三塁だけになると思います。

――今春のリーグ戦前にメンタル面について聞いたときは、悩んでるという風におっしゃっていましたが、現在の心境としてはいかがですか

小澤 不安でいっぱいです(笑)。

――不安を解消するために日頃取り組んでいることはありますか

小澤 とにかくバットを振るしかないと思うので、これからたくさん振り込もうと思ってます。

――ここから前田選手に質問させていただきます。「長くボールを見る」ということをキャンプで意識してきたという話がありましたが、そのきっかけはありますか

前田 ボールを長く見ればボールとストライクの見極めもできると思うので、ボールを長く見るというのを意識して、長打率も上がるように考えて取り組んでいます。

――全早稲田戦で本塁打を放つなど長打が出ていますが、打席中にどのようなことを考えていますか

前田 強い打球を打つためには、 甘い球を1球で仕留められるようにというのは考えて打席に立ってます。

――ここまでのオープン戦はかなり状態が良さそうですが、現在の調子はいかがですか

前田 調子としては良い感じかなという風には思いますが、内容は良い時もあれば悪い時もあるので、 悪いのを減らせるようにもっとやっていきたいなと思います。

――今春のリーグ戦から成長したと感じる点はありますか

前田 リーグ戦は始まっていないので、成長したかはちょっとまだ分からないのですが、 コンタクトする確率というのは上がってきたのかなと思います。

自分の結果よりチームが勝てばいい(前田)

――最後に秋のリーグ戦についてお二人に質問させていただきます。秋のリーグ戦を迎えるにあたって早大の強みは何ですか

前田 最後まで諦めない粘り強さかなと思います。

小澤 打撃がすごい良いところだと思います。

――秋のリーグ戦の個人の目標はいかがですか

前田 チームに貢献できれば、打つ方でも守る方でも自分の結果よりもチームが勝てばいいかなと思っています。

小澤 打てば必然的にチームに貢献して勝てる確率が上がるので。1試合ヒット1本を目指して頑張ります。

――お互いに期待する活躍はどういった点ですか

前田 小澤は長打もあるので、ホームランを期待したいなと思います。

小澤 親方らしいホームランを期待しています(笑)。

――早大以外で注目している選手はいますか

小澤 オールスターで少し対戦したのですが、明治の髙須(大雅、3年)です。えげつない球を投げていたので、どんな成績残すのかなという風に思っているのと、あと対戦する時は少し楽しみです。

――リーグ戦連覇に向けて意気込みを一言ずつお願いします

前田 他大学も強いので、隙のないように優勝するためにここまでやってきたので、優勝できるように頑張ります。

小澤 いつも通りみんなでやれば優勝が見えてくるので、平常心で一戦一戦頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 小島大典、長屋咲希)
◆小澤周平(おざわ・しゅうへい)

2003(平15)年7月26日生まれ。172センチ、74キロ。群馬・健大高崎高出身。スポーツ科学部3年。夏休みの思い出は、印出主将、伊藤裕平選手(人3=岩手・水沢)、梶田笙選手(スポ3=大阪・早稲田摂陵)と釣りに行ったこと。釣った魚は部屋でさばいて実際に食べたそうです!

◆前田健伸(まえだ・けんしん)

2003(平15)年5月23日生まれ。177センチ、88キロ。大阪桐蔭高出身。商学部3年。高級で進みの良い自転車を持っている前田健選手。小澤選手は度々その自転車を借りて出かけることがあるらしく、「僕が出かけようとしたらなくなっているので結構困っています」と不満を漏らしていました(笑)。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント