[RUGGERSコラム] パシフィックネーションズカップ2024 準決勝 vsサモア代表

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 どうもオニギリです。
 9月に入りましたが連日残暑が厳しいですね。
 日本ラグビーは、大学ラグビーが開幕し、関東対抗戦、関東リーグ戦など各地域リーグの熱い戦いが繰り広げられています。高校ラグビーも花園予選が始まり、正月の花園出場に向けて、高校生の熱戦が週末に行われています。
 そんな中ラグビー日本代表はパシフィックネーションズカップの準決勝が行われました。今回日本はPOOL Bでカナダ、アメリカに連勝し、1位で通過。POOL Aで2位のサモア代表との準決勝です。今回はそのサモア戦にオニギリ's eye!!したいと思います。

 今回発表された日本代表のメンバーは以下の通りです。

【(日本ラグビー協会Instagram参照)】

 今回、オニギリの注目は9,10番の天理-クボタでお馴染みの藤原・立川のハーフ団です。今までの齋藤・小山に負けないくらいのテンポのいい球だしをする藤原と、安定感とフィジカル、そして経験値の高い立川のコンビで超速ラグビーがどのように体現されるか注目でした。
 まず、FWについて。フロントローは前回の試合で坂手がケガをし、原田がHOに戻り、三浦と竹内の機動力のあるPR陣。LOは初先発になるエピネリと、存在感が出てきたディアンズ。バックローはサモアのフィジカルに負けないアマト、マキシ、そして下川。FWは若さも感じますが、ポテンシャルの高いメンバーが揃っており、経験が浅くてもまとまりを感じるメンバーとなりました。
 次にBK。先ほども注目選手で挙げた藤原・立川のハーフ団。センターには、先発に定着しそうなマクカランと、立川に次いでcap数多いライリー。WTBはツイタマと長田。FBはマルチに活躍が見られる李を今回はFBで起用しました。BKも同じように経験は浅いものの、リーグワンでポテンシャルの高さを見せてきた選手らが選ばれており、ワクワク感のあるBKとなりました。
 リザーブは、初capとなる松岡、岡部、為房のPR陣に、機動力が武器のマプスア、コストリー。ブースターに期待したい小山と、縦の強さに定評のある梶村、トライへの嗅覚抜群の髙橋。計23名、誰が出ても楽しみしか感じないメンバーです。

 さてゲームは日本のキックオフからスタート。スタートからサモアのノックオンから始まり、ディアンズがこぼれ球を拾って敵陣で戦う日本。敵陣22mの中で継続を重ねて、裏のスペースが空いたらすかさずキック。開始5分に李のグラバーキックにライリーがすかさず反応し、トライ。体をぶつけて前に進むだけでなく、ショートキックで前進する日本の攻撃。サモアはキックされる前に止めようと前に出てくるようになったが、日本のテンポの速さについてこられず、ゴール前でインテンショナルノックオンをし、ペナルティトライ。そしてWTBがシンビンと、サモアにとってはスタートから苦しい流れとなりました。
 しかし、サモアもスクラムから強いフィジカルで縦にゲイン、No8マップがラインブレイクし、最後はWTBツナツイタマがトライ。トライを取られた後の日本は、敵陣ラインアウトからサインプレーでショートサイドを原田、アマトがゲインし、22m中に入って、最後は李が体勢を崩しながらもキックパスに成功し、長田がトライ。21-7となってから、日本がペナルティを重ね、サモアは2本のPGを決めて21-13と点差を縮められる。日本は、スクラムで何度か組み直しがあったり、ハンドリングエラーなどでテンポが生まれませんでしたが、敵陣にジワリジワリと入り、敵陣22mの中に入ったらテンポよくボールを動かし、最後は立川から李が裏に出て、トライを演出しました。この前のFW陣の連続アタックが良く、サモアのDFが整えられていなかったことでトライが生まれました。前半は28-13と日本リードで折り返します。前半を見るだけで、日本がショートキックを多用することと、敵陣22m入ってからのテンポの良い攻撃が非常に印象的でした。

 後半はサモアのキックオフ。後半開始からサモアはフィジカルよりキックの選択を増やし、日本を下げていく戦術へ。日本は確実にキック処理を行い、相手との蹴り合いに対応していきます。後半先にスコアしたのは日本。マクカランのタックルでサモアがノックオンし、そのままターンオーバー。狭いサイドの裏のスペースへ、またもや李がショートキックし、これに反応した長田がボールを拾い上げ、サポートに来た李へオフロードパス。李から下川へパスして、ハンドオフで相手を弾いてトライしました。これで35-13。
 このあと、サモアがフィジカルの強さを見せながら、狭いサイドで細かなパスを繋いでトライ。この繋ぎは素晴らしかったです。狭いサイドでの数的優位からうまくボールを繋げたところは、今後の日本にも必要な要素ではないかと感じました。ゴールも決めて35-20とされます。点差が広がらない中、敵陣22mに入った日本は継続してジワリジワリと前進し、ペナルティからリスタートして10フェーズ目で藤原が空いたラックサイドを飛び込みトライ。42-20とまたセーフティリードに戻しました。
 残りも後半20分。日本もサモアもリザーブメンバーが入ってきて、入ってきた選手が要所要所でアピールし合い、スコアが動かず、日本もインゴールでキャッチすればトライになっていたシーンもありましたが、後半70分過ぎたところで、李が裏のスペースへ蹴ったボールを相手に読まれていて、サモアがお得意のカウンターアタックで簡単にトライを許してしまった。この日一番簡単にトライをさせてしまったシーンだったと思います。
 残り5分となってから後半は終始スクラムでプレッシャーを与えており、敵陣ゴール前でのスクラムから相手がコラプシングのアドバンテージ。このチャンスを日本BK陣が外へ展開し、最後は髙橋がトライ。ゴールも決めて49-27。サモアボールのキックオフをディアンズがキャッチし、小山がタッチに出してノーサイド。日本が勝利し、決勝へと駒を進めました。

 決勝の相手は世界ランキング10位のフィジーとの対戦です。
 決勝の舞台は花園ラグビー場で、ファイナルラウンドから日本での試合が続いており、日本有利な環境ではあるものの、フィジーも日本の気候に慣れてきているに違いありません。アメリカ相手に22-3で勝利しているフィジー。41-24でアメリカに勝利した日本としては、先手先手で先にスコアしていきたいところです。
 ここまで見せている超速ラグビーを決勝のフィジー相手にどのように戦うのか、そしてどんなメンバーで戦うのかが楽しみです。

 以上、今回のオニギリ's eye!!いかがでしたでしょうか?
 今回はパシフィックネーションズカップの準決勝に注目しました。次は決勝です。フィジーはセブンスでは有名ですが、ワールドカップでも調子が良い時はティア1も破るほどの実力国。どんな戦いぶりになるか楽しみしかありません。
 さぁ今週末の日本代表戦もそうですが、大学、高校ラグビーも各地で行われます。ラグビーを見ない日が無いほど熱い日が続いています。
 今週も各地でワクワクが止まりません!!
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「RUGGERS(ラガーズ)」は、日本ラグビーフットボール選手会が運営主体を務め、ファンと選手がつながる新しいラグビーアプリ(メディア)です。トップリーグ選手の投稿や、ラグビー関連の記事をまとめています。オリジナルコラムや動画も配信しています。アプリもぜひご覧ください。

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