3連単7万超え!?波乱の2歳重賞は馬体重と枠に顕著な傾向あり/佐賀・九州ジュニアチャンピオンデータ分析
2023年優勝トゥールリー 【撮影:佐賀県競馬組合】
開幕戦となるのが九州ジュニアチャンピオン。佐賀デビュー馬限定で、1,2着馬にはネクストスター佐賀への優先権が与えられる。
一昨年までは5年連続で牝馬が優勝したが、昨年は久しぶりに牡馬が優勝。今年はどうなるのか。
2014年~23年の過去10回に加え、現行の1400mで行われるようになった18年~23年の過去6回のデータを元に分析する。
3連単平均配当7万円超え!波乱の2歳重賞開幕戦
1番人気は3勝にとどまり、3着内率も60%と高くはない。それを表すように3連単の平均配当は7万4227円と高額だ。15年24万180円、18年40万9500円が平均を大きく押し上げてはいるが、3連単万馬券は過去10回中6回と過半数に上る。キャリアの浅い2歳馬同士とあって、波乱となりやすいと言えるだろう。
単勝人気別成績 【表1】
牝馬も好成績だが、率は牡馬優勢
性別別成績 【表2】
6年連続で馬体重に傾向あり
勝ち馬の馬体重 【表3】
2歳戦ならではの前有利
脚質別では逃げ・先行馬が5勝を挙げ、基本的には前有利。当コラムで何度も書いているように、佐賀競馬場は小回りコースの中でも比較的差しが決まりやすい競馬場だが、2歳秋の時点では序盤から前で運べる馬は自身の脚質というより能力やスピードの違いでその位置取りになっていることも多々あり、それが前有利なデータを後押ししているのだろう。中でも逃げた馬は20年4着モーモーブラックを除き、みな3着以内に入っている。
脚質別成績 【表4】
6番が好成績
番。大外の12番は3着内率0%だが、これは過去6回でフルゲート12頭立てとなったのが20年のみだったことに起因する。
馬番別成績 【表5】
前走の勝ちタイムを信じてよし
なお、ワンターンの900mは能力比較をしづらいためこの項目から除いている。また、前走が1300mの馬と1400mの馬が混在する場合は、各距離で最も速いタイムだった馬を抽出したため、年によっては該当馬が複数頭いる。
前走(1300m以上)を勝っている馬の中で最もタイムが速い 【表6】
データからの推奨馬は?
②前走の勝ちタイムが出走馬中最も速い馬
③逃げ馬
④6番か11番ならなお良し
※人気は気にしなくてOK
※牝馬の割引は不要
⑨ポリスヴィークルはデビュー2連勝中。
前走は好スタートから2頭並んだ逃げで、2コーナーでは早くも3番手以下に約4馬身ほどの差をつけ、仕掛けられると2番手の馬をスッと引き離すなどスピードの違いを見せた。前走1300mで勝ったのは同馬のみのため、②に該当とは言い切れず、またデビュー戦は馬体重452kgだったが前走は463kgで①に該当するか微妙なところではあるが、力上位は確実だ。
①②両方に当てはまるのは、⑦カシノアップビート。
前走は2番手から4馬身離しての勝利だった。メンバー中、数少ない2勝馬ではあるが、気になるのは前走の勝ちタイム1分33秒1(ダート1400m、良)が特筆するほどの好タイムではない点、また2走前は3コーナー手前で外から被されると急減速したり、頭を高く上げる場面が見られ、レース展開に左右される幼さを残していそうな点だ。ただ、同馬より外枠の馬を見ると、前に行きそうなのは⑨ポリスヴィークルくらいで、上手く外に切り替えられれば問題ないかもしれない。
⑥ダイメイヒロインはキャリア1戦ではあるが、好成績の6番。デビュー戦からさらに時計を詰められれば面白そう。
①と④に当てはまるのは⑪ドゥエルセーラ。こちらも2勝馬で、前走は固まった先行集団から運び、ゴール直前で差し切り勝ちを決めた。
第35回 九州ジュニアチャンピオン 【出馬表】
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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