【順天堂大学】スポーツを「支える」アスレティックトレーナー パイオニア鹿倉二郎客員教授のNATA殿堂入りへの思いや今後の期待
【JUNTENDO UNIVERSITY】
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NATA殿堂入りへの思い
ただ、これまではアメリカ国内だけにしか目を向けていなかったNATAが、今後は国外にも視野を広げていこうということで私が(北米以外の)最初の受賞者になったのかもしれません。
歴代の受賞者と共に(最前列右から6番目:鹿倉客員教授) 【JUNTENDO UNIVERSITY】
また、NATAのアスレティックトレーナーの考え方を取り入れた日本でのアスレティックトレーナー資格もあり、その仕組み作りもお手伝いさせていただきました。ですから、NATAのことを宣伝して、日本人がアスレティックトレーナーの学びを深めるためにアメリカに行くことと、日本国内でアスレティックトレーナーの資格制度を構築したことが大きいですかね。
私が日本に帰国した当時は、テーピングはまだ日本に浸透しておらず、テーピングに関する講習会を開くと100人ほどが集まりました。そういう講習会を年間200回ほど、アシスタントの方々と一緒に行っていました。私の講習を聞いて、若い人たちがテーピングやトレーナーに興味をもってくれてアメリカに行ったという流れが多いです。
学生時代にアスレティックトレーナーを初めて見たことがきっかけ
当時、日本のアメリカンフットボール界にはそのような方がいなかったので、興味を持ち、日本でいろいろ調べたのですが、日本体育協会発行のトレーナーテキストに載っている内容は私が見たアスレティックトレーナーの仕事と少し違うなと感じました。調べようと思っても日本にはそういう方がいなかったので分からなかったんです。「じゃあ、アメリカに行けば分かるだろう」とあまりにも短絡的ですけど、それでアメリカに行きました。
勢いでアメリカに行きましたけど、そんな簡単にアスレティックトレーナーのことがわかったわけではないんですけどね。やっとたどり着いて、ミシガン大学で学生トレーナーを3年近く行い、試験を受けて、アスレティックトレーナーの資格を取得し、日本に帰国しました。
マッサージだけではなく、怪我の予防や応急処置も必要だと思いました。特に、アメリカンフットボールは脳震盪とか命に関わることでもありますから、しっかりとしたケアが必要です。また、怪我をして、痛みが無くなったから競技に復帰するのではなく、ちゃんと筋力なども回復させる必要があります。そういうことがトータルでできる人が日本のスポーツ界にも必要だと思いました。ですから、アメリカから帰国後は、講習会を活用して、テーピングやトレーナーのことを話しました。
順天堂大学のATルームで現在も学生の指導を行っていただいています。 【JUNTENDO UNIVERSITY】
選手がパフォーマンスを最大限発揮できることを目指して
日本の場合は、今は、パーソナルで選手個人にトレーナーがつくことが増えています。トレーナーは表に出ませんが、選手が感謝を伝えてくれることもあります。もちろん、結果は選手本人の頑張りですけどね。
ただ、アメリカに比べると職が少ないのが現状です。
アメリカの場合は高校や大学にかなりの数のアスレティックトレーナーが雇われており、リハビリや怪我の予防、応急処置などを行います。トレーナーが練習の前にはアスレティックトレーニングルームで選手のケアやテーピングを行い、練習が始まると、常にグラウンドの横で怪我がないかどうかを見ます。そういうトレーナーが各競技につきます。アメリカはシーズン制なので、例えば、秋はアメリカンフットボール、冬はバスケットボール、春は陸上競技と野球とか。シーズンによって競技が違うので、1人のトレーナーがスポーツを掛け持ちする感じです。
スポーツ選手の競技力が向上すること、選手がパフォーマンスを最大限発揮できるようになることを目指したいです。
鹿倉二郎客員教授の設計で作られたさくらキャンパスATルーム 【JUNTENDO UNIVERSITY】
アスレティックトレーナーを目指している方へ
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