早大ア式蹴球部男子 亜大とのPK戦までもつれた死闘を制し総理大臣杯出場を決めた!

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「アミノバイタル®」カップ2024 第13回関東大学サッカートーナメント大会 6月28日 9〜10位順位決定戦 2日目 vs亜細亜大学 中央学院大学つくし野総合グランド
【早稲田スポーツ新聞会】記事 和田昇也、写真 髙田凜太郎

 ア式蹴球部(ア式)の「アミノバイタル®」カップ(アミノ杯)の戦いも4試合目。4回戦で明大に敗れて9〜10位決定戦に回ったア式は、9〜10位決定戦1日目の専大との試合に延長戦の末、辛勝。勝てば総理大臣杯出場が決まる9〜10位決定戦2日目は亜大との対戦となった。前半はア式のペースで試合が進む。19分にMF伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)の見事なミドルシュートが決まり先制すると、42分にコーナーキックの折り返しをMF松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)が頭で押し込んで追加点を獲得。前半を2ー0とリードで折り返す。しかし、後半は相手ペースに。ボールをにぎられて攻め込まれると71分にPKを決められて1点差に迫られる。さらに終了間際に同点弾を許してしまい、今大会3度目の延長戦に突入する。延長戦でも試合は動かず、総理大臣杯出場権の行方はPK戦に委ねられることになった。4人目まで全員成功で迎えた5人目を両チームともに失敗すると、相手の6人目のキックをGK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)が止めて勝負あり。苦しみながらも総理大臣杯出場を勝ち取った。

先制点を決めた伊勢(左) 【早稲田スポーツ新聞会】

 前半は開始直後からア式が主導権をにぎる展開となる。4分、MF谷村峻(スポ3=FC東京U18)がMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)からボールを受けてシュートを打ったがこれは枠の上に外れてしまう。19分に試合が動く。中盤で谷村からパスを受けた伊勢が、ペナルティーエリアの外から左足を振り抜くとシュートはバーに当たってそのままゴールイン。先制に成功する。その後もア式ペースで試合が進み、迎えた42分に伊勢のコーナーキックをFW駒沢が折り返すと、松尾がヘディングでゴールに押し込み追加点。前半を2点リードで折り返す。

追加点を決めた松尾 【早稲田スポーツ新聞会】

 後半は一転して、立ち上がりから相手ペースで試合が進む。ア式も65分に伊勢のコーナーを駒沢が頭で合わせたが、これはバーに直撃し、追加点を奪うことはできず。すると、69分に自陣ペナルティーエリア内でファウルをしてしまい、相手にPKを献上。このPKを相手が確実に沈めて1点差に迫られてしまう。さらに88分、相手に中央を崩されて土壇場で同点弾を許してしまった。直後に途中出場のMF高橋作和(法2=東京・国学院久我山)が高い位置でボールを奪いシュートを打つも、キーパーの正面に飛び得点することはできず、2ー2で試合は延長戦に突入する。

途中出場の柏木 【早稲田スポーツ新聞会】

 延長戦は途中出場のMF柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース)がボール保持の起点になると、104分にその柏木のスルーパスを受けた駒沢がシュートを放ったが、キーパーの正面を突き得点とはならず。その後もチャンスを作ったが、110分間の間で再度勝ち越すことはできず、試合はPK戦に突入する。「とりあえず楽しむ、そして先輩たちのために止める」と話した海本。4人目まで全員成功で迎えた5人目、DF西凜誓(社2=名古屋グランパスU18)のPKがストップされて絶体絶命の状況に追い込まれたが、相手の5人目のキックは枠を外れる。ア式の6人目MF久米遥太(政経1=東京・早実)が確実にPKを沈めると、相手の6人目のキックを海本が見事にストップ。大会を通じて要所でチームを救ってきた海本が、最後は自らの手で総理大臣杯出場を手繰り寄せた。

PK戦を制し喜ぶ選手たち 【早稲田スポーツ新聞会】

 またしても延長までもつれる死闘となったが、最後は守護神海本の活躍もあり総理大臣杯出場を勝ち取った。2点差というサッカーで最も難しいと呼ばれる得点差の中で、全国大会出場という一つの目標が目前に迫っていることから、少し保守的になってしまった部分が試合を難しくしてしまった一つの要因だろう。もちろん内容は試合の進め方は今後に向けて突き詰めていく必要はある。それでもこの試合に関しては勝利が最重要事項であり、その結果をつかんだことが全てと言っても良いだろう。大会はあと一試合、9位決定戦が残っている。相手は関東1部リーグに所属する流経大との対戦だ。「9位で終わるのか10位で終わるのかは違う」と伊勢。アミノ杯をいい形で締めて夏に向けて勢いが出るような試合が見られることを期待したい。

コメント

小澤雄希コーチ

――試合を振り返っていかがでしたか

 正直苦しかったですね。でも今日のテーマとして勝利をみんなで意識していたので、 ひとまずそこはクリアだったのでよかったなと思います。

――後半以降試合が難しくなってしまった要因はどこにあると見ていましたか

 ハーフタイムで2ー0だけどもう一回締めてやろうって話はみんなでしてたんですけど、相手のリズムが良くて、パス出してから動いての連動がすごいあって、それに対して後手後手の対応になってしまっていたので 苦しくなったのかなと思います。

――総理大臣杯出場を決めましたが、今の心境はいかがですか

 僕の役割としては、監督がいない中で全国大会決めることだったので、正直ほっとしている一言です。でも、この監督不在の4日で4年生の幹部中心に組織として成長したなと感じてます。これをベースにさらにレベルあげて、日本一という目標を掲げてるのでそれに向けてみんなで頑張っていきたいなと思います。

伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)

――総理大臣杯への出場が決まりました。率直な気持ちをお願いします

 タフなゲームでしたけれども、最終的に勝てて本当に良かったです。ほっとしています。

――4回戦で明大に大敗した後、残り2枠の総理大臣杯出場権を獲得するためどのような準備をしてきましたか

 明治に大敗した中で、正直落ち込んだ部分もありました。それでも、小澤(雄希)コーチが本当に意識の部分を投げかけてくれて、それにみんなが従ってぶれずに戦えたことが、2連勝できた要因かなと思います。

――今日の試合では素晴らしいミドルシュートで1ゴール。その他にもセットプレーなどで精度の高いボールを供給され続けていましたが、振り返っていかがでしたか

 今日は点を取れましたけど、本当にこれを継続してやらないといけないですし、全国優勝するという目標を掲げている中で、自分がチームを勝たせるためにはもっともっと得点に絡んで、(結果を)追求してやっていかないといけないなと思います。

――タフなゲームが続くアミノバイタルカップですが、チームとしてどのような課題が出たと感じましたか

 トーナメントなので、失点したら苦しくなるところであっさり失点しまうというのは課題です。今日のゲームも、後半の特に苦しい時間帯に出ている選手もそうですし、ベンチの選手も本当にパワーを持ってやらないといけないなと感じたので、チーム全体の底上げが改めて必要かなと思います。

――一方で、4試合中3試合が延長戦に突入したゲームを勝ち切っていることは、チーム力の表れなのかなと思いますが、そこについてはいかがですか

 本当に難しい展開になった中で、こうやってチーム全体で勝ち上がったことはこのチームがこの大会を通して本当にタフになったなと思いますし、この勢いを持って日曜日にまだゲームはありますし、先のリーグ戦にもつなげていかないと意味がないので、もう1回チームとしてやっていきたいなと思います。

――最後にここからの試合への意気込みをお願いします

 9位で終わるのか10位で終わるのかは違うと思いますし、まず日曜日の(アミノバイタルカップ)最後の試合に勝って、チームとしていい流れでリーグ戦につなげられればなと思います。

海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)

――試合振り返っていかがでしたか

 今回もかなり難しい試合だったなと思います。2点取れたのは良かったんですけど、その後の自分たちの試合の進め方とか、 そういうところがまだまだ課題ばっかりで。最後に勝ったのはよかったですけど、課題が多く残る試合になりました。

――試合が難しくなってしまった要因はどこにあると見てましたか

 守りに入ってしまったというのが大きな要因かなと思っていて、2点というのがサッカーで一番難しい状況だと思うんですけど、そこでゴールを奪いに行くことができなかったのがああいうゲーム展開につながった原因だと思います。

――PK戦はいつも通り「楽しむ」でしたか

 とりあえず楽しむことと、負けたらもう全国大会も出られなくなるので先輩たちのために止めるという2点を意識して臨みました。

――6人目の前には笑顔も見られましたが、PK戦の感覚はいかがでしたか

 多分自分自身が極限まで楽しんでるんですよね。言葉ではちょっと表現難しいんですけど。でもそういう時が自分は一番いいプレーできるのかなというのは振り返ってすごい思います。

――アミノ杯4試合ここまで振り返っていかがですか

 かなり延長戦が多い試合で、全員の疲労もかなり溜まってますし、その中で勝ち切れて全国大会の切符を手にできたのはすごい良かったんですけど、最後に勝たないとやっぱり意味がないので最後の試合も全員で勝利を取りに行ければなと思います。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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