雨が降った時の傾向は?木之前葵騎手も参戦/佐賀ユースカップデータ分析
2023年優勝ブレイブアモーレ 【撮影:佐賀県競馬組合】
※直近3年:2021年6月25日~2024年6月24日
2、3着に人気薄好走の可能性も
サンプルが3例しかなく判断に迷うところだが、2、3着には人気薄の馬が入る可能性もあるレースと言えそうだ。
単勝人気別成績 【表1】
牡馬優勢も、牝馬の勝利もあり
性別別成績 【表2】
当レースでは逃げ馬未勝利、先行馬優勢
差し馬が1勝を挙げるのは佐賀の特徴で、似た小回りコースの園田や名古屋に比べ、差し馬の勝率が全体的にやや高くなっている。
一方で、逃げ馬が未勝利どころか3着以内も全くないことは気になる点。そこで、次項では当レースに限らず同舞台全体の脚質別成績を見てみよう。
脚質別成績 【表3】
不良になれば逃げ粘りには警戒
佐賀県も梅雨に入り、週末は雨予報も見られるため、不良馬場での脚質別成績も見てみる。数値が2%以上上昇した箇所に水色マーカーをつけた。率がアップしたのはいずれも逃げ馬の項目で、特に連対率と3着内率が約4%上昇した。当日、不良馬場になるようなら、逃げ粘りに注意したい。
脚質別成績(佐賀1400m、直近3年) 【表3-1】
脚質別成績(佐賀1400m不良、直近3年) 【表3-2】
不良×内枠×逃げ馬か
馬番別成績(佐賀1400m、直近3年) 【表4】
不良になるとダノンレジェンド、モンテロッソが躍進
なお、下表は今年の出走馬の種牡馬のみを抽出した。
種牡馬別成績(佐賀1400m、直近3年) 【表5】
種牡馬別成績(佐賀1400m不良、直近3年) 【表5-1】
短距離得意馬がやや優勢か
一方、今回と同じ1400mで3勝以上を挙げるか、3着以下が0回(2走以上)の場合を見ると、連対率が50%。21年2着ブラーブサージュ、22年2着シウラグランデがこの距離で3着以下に敗れたことがなく、当レースでも結果を残した。
サンプル数が少ない中ではあるが、この距離で好成績を収めている馬の方がデータとしてはわずかに優勢か。
戦歴別成績 【表6】
データからの推奨馬は?
②6番より外か、不良の1番、2番枠
③不良ならダノンレジェンド産駒、モンテロッソ産駒
④1400m3勝以上or3着以下0回(2走以上)
トゥールリーは世代最初の重賞・九州ジュニアチャンピオンの勝ち馬。重賞3勝のうち2勝が1400mで、この距離は8戦6勝、3着2回と、すべて3着以内に入っている。栄城賞4着からの臨戦過程だが、むしろこの距離は向きそう。ダノンレジェンド産駒でもあり、①②③④すべてに当てはまる。
ムーンオブザサマーはデビューから3連勝を遂げた馬。九州ジュニアチャンピオン、ネクストスター佐賀と重賞で続けて2着に入ったが、2歳暮れから約半年の休養に入った。今年5月に復帰後は古馬B級のレースで4着、2着とレースぶりが良くなっており、前走の走破時計も優秀。この距離では3着以下に負けたことがなく、①④に該当。
トレベルオールは佐賀皐月賞、栄城賞ともに3着で、佐賀三冠ではウルトラノホシの存在に押され気味だが、重賞を勝てる力を感じさせる馬。1400mでは3勝を挙げ、②④に当てはまる。
また、③ではアルテミスバイオが、④ではほかにフークファンタジー、ノーブルビーチ、オンリエドが該当する。
第4回佐賀ユースカップ 【出馬表】
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日や週末は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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