【ノルディックコンバインド】2023/2024シーズンを終えて 不安定なジャンプに苦しんだ渡部暁斗選手 2年後の五輪へ「現状と真剣に向き合わないと状況は打開できない」
ノルディックコンバインドのFISワールドカップ(W杯)は、3月24日のトロンヘイム大会(ノルウェー)で2023/2024シーズンが終了。約4カ月に及ぶ長い戦い終えた選手たちにシーズンを振り返って感じたこと、来シーズンに向けた思いを聞きました。
「このままでは通用しない」 ―2026年の五輪を見据え、ジャンプの改造に踏み切った渡部暁斗選手(北野建設)。ジャンプ強豪国ノルウェーの国内選手権でスペシャルジャンプの選手を押しのけて表彰台に上がるほどの力を持つヤールマグヌス・リーベル選手に引っ張られるように、この数年でコンバインドのジャンプは飛躍的にレベルアップ。そこで戦うために大きく変え始めたジャンプの完成度を「15%くらい」と厳しく自己評価し、その「不安定さに苦しんだ」シーズンの最高成績は9位でした。「収穫より反省が多い」と冷静に振り返り、再び世界トップで戦うべく、ジャンプだけでなくクロスカントリーと両方で限界突破に挑みます。
「このままでは通用しない」 ―2026年の五輪を見据え、ジャンプの改造に踏み切った渡部暁斗選手(北野建設)。ジャンプ強豪国ノルウェーの国内選手権でスペシャルジャンプの選手を押しのけて表彰台に上がるほどの力を持つヤールマグヌス・リーベル選手に引っ張られるように、この数年でコンバインドのジャンプは飛躍的にレベルアップ。そこで戦うために大きく変え始めたジャンプの完成度を「15%くらい」と厳しく自己評価し、その「不安定さに苦しんだ」シーズンの最高成績は9位でした。「収穫より反省が多い」と冷静に振り返り、再び世界トップで戦うべく、ジャンプだけでなくクロスカントリーと両方で限界突破に挑みます。
渡部暁斗選手 【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】
―ジャンプで出遅れることが多く、走るモチベーションを保つのも難しかった
「難しいですよね。一番モチベーションのないところで、10km走り切って何位になろうと変わらないということを考えないようにしても、やはりメンタルコントロールの難しさを感じたシーズンだった」
―今シーズンの収穫は
「ないですねえ…。ちゃんと現状と真剣に向き合わないと状況は打開できないと思う。いいジャンプが出たり、いい走りができたりというのは間違いではないですけど、そこは自分が今までに持っていたものを辛うじて出せているから。ジャンプもクロスカントリーももう一歩限界を超えていかないと、また戦えているという姿にはならないと思う。収穫よりは反省が多いので、それと向き合って次のシーズンにつなげ、きちんと成果として出せるように。今まで以上に立ち位置は厳しいと思ってやりたい」
―五輪まであと2年
「楽観的に言えば今年が悪くて良かったなと。大きな流れがあるので、オリンピックにピークを持っていくには2年前に調子がいいというのはあまり良くなかったりする。流れを作っていくという意味では、来年、再来年といい波に乗っていけるように。その流れを逃さないように体調や技術、ポイントを抑えながら大きな波に乗って行けるよう準備したい。これから上げていければいい」
―今後、強化していくことは
「まずはジャンプ。テイクオフでしっかり高さを出して、上手く自分で進んでいく形を作るのが大事。今までの自分のジャンプはそれとはかけ離れた形だった。けっこう大きく変えないといけないと思う。全然違うものにするという取り組みをしたい。クロスカントリーのレベルもどんどん上がってきている。今まではスプリントを強化すれば戦えるかなと思っていたが、レースのペース自体も上がってきているので、いいスピードでレースを自分で作っていくということも目指していきたい。ジャンプがスペシャルジャンプ寄りになったように、走りの技術もクロスカントリー寄りになってきている。ジャンプはスペシャルジャンパーに、クロスカントリーの技術はクロスカントリーの選手に追いつけるようにやっていきたい」
―オフの過ごし方
「まずは子どもたちとゆっくり過ごしたいなと思うけれど、このモヤモヤを解消したいので、少し休んだら自分のやるべきことに向かいたい。練習量も段階的に上げていかないと。今年は上げられたので、来年、再来年も上げていく。一気に上げ過ぎてオーバートレーニングにならないように」
―最終戦がW杯の個人戦通算275試合目だった
「(歴代最多のヴィルヘルム)デニフルが290いくつか…(※295試合)。超えるとしたら五輪シーズンですね。そこまでにはまた表彰台争いができるように。来シーズン何回か表彰台に上がれるようにして、再来年は真ん中に立ってそのまま五輪に向かうイメージで。そう簡単にはいかないですけど、そういうイメージでやっていきたい」
「難しいですよね。一番モチベーションのないところで、10km走り切って何位になろうと変わらないということを考えないようにしても、やはりメンタルコントロールの難しさを感じたシーズンだった」
―今シーズンの収穫は
「ないですねえ…。ちゃんと現状と真剣に向き合わないと状況は打開できないと思う。いいジャンプが出たり、いい走りができたりというのは間違いではないですけど、そこは自分が今までに持っていたものを辛うじて出せているから。ジャンプもクロスカントリーももう一歩限界を超えていかないと、また戦えているという姿にはならないと思う。収穫よりは反省が多いので、それと向き合って次のシーズンにつなげ、きちんと成果として出せるように。今まで以上に立ち位置は厳しいと思ってやりたい」
―五輪まであと2年
「楽観的に言えば今年が悪くて良かったなと。大きな流れがあるので、オリンピックにピークを持っていくには2年前に調子がいいというのはあまり良くなかったりする。流れを作っていくという意味では、来年、再来年といい波に乗っていけるように。その流れを逃さないように体調や技術、ポイントを抑えながら大きな波に乗って行けるよう準備したい。これから上げていければいい」
―今後、強化していくことは
「まずはジャンプ。テイクオフでしっかり高さを出して、上手く自分で進んでいく形を作るのが大事。今までの自分のジャンプはそれとはかけ離れた形だった。けっこう大きく変えないといけないと思う。全然違うものにするという取り組みをしたい。クロスカントリーのレベルもどんどん上がってきている。今まではスプリントを強化すれば戦えるかなと思っていたが、レースのペース自体も上がってきているので、いいスピードでレースを自分で作っていくということも目指していきたい。ジャンプがスペシャルジャンプ寄りになったように、走りの技術もクロスカントリー寄りになってきている。ジャンプはスペシャルジャンパーに、クロスカントリーの技術はクロスカントリーの選手に追いつけるようにやっていきたい」
―オフの過ごし方
「まずは子どもたちとゆっくり過ごしたいなと思うけれど、このモヤモヤを解消したいので、少し休んだら自分のやるべきことに向かいたい。練習量も段階的に上げていかないと。今年は上げられたので、来年、再来年も上げていく。一気に上げ過ぎてオーバートレーニングにならないように」
―最終戦がW杯の個人戦通算275試合目だった
「(歴代最多のヴィルヘルム)デニフルが290いくつか…(※295試合)。超えるとしたら五輪シーズンですね。そこまでにはまた表彰台争いができるように。来シーズン何回か表彰台に上がれるようにして、再来年は真ん中に立ってそのまま五輪に向かうイメージで。そう簡単にはいかないですけど、そういうイメージでやっていきたい」
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